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ヒナモロコ「すみか」完成

2008年05月26日

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完成した放流用の土水路

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小学校に放流用のヒナモロコを預ける保護団体のメンバーら=いずれも久留米市田主丸町

 ■久留米・田主丸に人工水路

 絶滅危惧(き・ぐ)種の淡水魚「ヒナモロコ」の生息地を広げようと、国内唯一の天然生息地である久留米市田主丸町の竹野地区に人工水路が完成した。県の圃場(ほ・じょう)整備事業の一環で、7月に成魚2千〜3千匹が放流される予定。放流までの1カ月半、子どもたちにヒナモロコを育ててもらおうと、保護団体が25日、約550匹を地元の竹野小学校に預けた。

 ヒナモロコは、環境省のレッドリストの絶滅危惧種に登録され、竹野地区内の水田の間を流れる土の水路でしか生息が確認されていない。水路を含む一帯で圃場整備を計画した県と地元が協議し、現在の生息地とは別に、ヒナモロコがすめる農業用水路を造ることが決まった。

 完成した水路は、壁面の一部にコンクリートを使った土水路。水流を緩やかにするために流れの途中に石を組み、鳥から身を守るための隠れ場所も設けた。生息が確認されている水路も、なるべく現状を維持したまま残す方向で、地権者らが協議している。

 この日、ヒナモロコの保護・増殖に取り組む「ヒナモロコ里親会」のメンバーらが竹野小を訪れ、それぞれ飼育していたヒナモロコ計550匹を同校の水槽に移した。野生のヒナモロコは絶滅したとみられていた94年、同校の児童が生息水路を発見。以来、同校はヒナモロコの学習や保護活動に力を入れてきた。7月11日に予定される一斉放流までの間、5年生がえさやりなどの管理を担当し、当日も参加するという。

 里親会の村上政利事務局長は「水路がヒナモロコに適しているかどうかは1年たたないと分からない。期待をもって見守りたい」と話す。

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