がんのため入院していた病院で階段から転落し、先月27日に脳挫傷のため40歳で亡くなった「ZARD(ザード)」の坂井泉水(本名・蒲池幸子)さんをしのぶ会が26日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、アーティスト仲間や音楽関係者が最後の別れを告げた。生前、坂井さんが好きだったという青い空に見立てたアジサイと、白い砂浜に見立てたデルフィニウム20万本が会場を彩り、祭壇へ続く道は花の香りであふれていた。
坂井さんは、91年にZARDのボーカルとして「Good-bye My Loneliness」でデビュー。93年にリリースした6枚目のシングル「負けないで」に続き、「揺れる想い」「マイフレンド」など数々のミリオン作品を発表した。
会場では、ライブの様子を収めた映像など、ありし日の坂井さんの姿を4.6メートル×8メートルの大スクリーンで上映。坂井さんと親交のあったDEENや大黒摩季さん(37)らが献花に訪れたほか、坂井さんと同じマネジメント会社に所属するB’zや、倉木麻衣さん(24)がコメントを寄せた。
大黒さんは「ゆっくり休んでね、私が行くまで待ってて。またいつか一緒にやりましょうと(祭壇で)伝えました。私が落ち込んでいた時に『摩季ちゃんといると元気出るよ』と言ってくれた。さりげない気づかいのできるステキな人」と、涙声になりながら別れを惜しんだ。
韓国人歌手のRyuさん(33)は「親交はなかったのですが、韓国でも大きく報道され、ここに来たくても来ることが出来ない韓国のファンを代表してやって来ました。来日したばかりで、日本語でのレコーディングがうまくいかなかった時、ZARDの音楽に励まされたので、家族を失ったような大きな悲しみがあります。ZARDのファンを抱きしめてあげたい気持ち」と振り返った。
一般向けの献花は27日午前10時から午後7時まで同斎場で行われる。【西村綾乃】
2007年6月26日