「10年か～。そりゃ、イサも大人になるよな～。」

僕の率直な感想です。

1999年、四谷の石響で初めて綾戸さんを見ました。
小さい体から振り絞るように出される声は、会場すべてを感動させていたのを覚えています。

それからちょくちょく東京近郊のコンサートには手伝いに行きまして、2001年の6月からツアーに参加しました。
その頃、たしかイサはまだ小学生でした。スピーカーのキャスター板に、イサをよく乗っけて遊んでいました。スケボー、キャッチボール、バトミントン、いろいろなことをして遊びました。

それがいつの間にか、身長もどんどん伸び、変声期も終え、すっかり大人になっていました。足もどんどん大きくなるらしく、イサが履けなくなった靴をたくさん貰うようになりました。

綾戸さんは常にイサのことを思っており、ツアー先で楽しいことがあったりすると

「イサに教えてやらなきゃ！」とか、

「写真とって～！イサに見せるから！」とよく言います。

ツアー中のエピソードを紹介します。
僕の田舎は酒田にありまして、酒田、山形公演がありますと、母親が差し入れを作ってきます。
綾戸さんは母親が作る、主に山菜ベースの料理がいたくお気に入りのようで、喜んで食べてくれます。

去年の８月の酒田公演の時、いつものように差し入れを持ってきた母親に、

「あっ、お母さん！髪、セットして～！」

母親が美容院をやっているのを綾戸さんは知っていまして、タイミングよく来た田舎の美容師は突然の言葉に唖然としていました。
「ここにある道具でいいから！」

という、綾戸さんの言葉も聞かずに、【一世一代の大仕事】とばかりに、家に戻り自分の道具を持ってきました。

おかげさまで、酒田公演は大変盛り上がりました。その日は珍しく、綾戸さん、メンバー、スタッフ全てが市内に泊まりだったため、みんなでごはんを食べに行きました。

10TH ANNIVERSARY TOURも折り返し地点になりました。
行く先々、コンサートに来て下さるみなさんの思い出となるように頑張ろうと思います。

PA 早坂洋一