大阪の耳はロバの耳 ちりとてちん制作スタッフ日記

6月からの「ちりとてちん外伝」や関連番組情報などは、ドラマニュース内「ちりとてちん情報」ページにてお知らせいたしますので、今後はそちらをご利用くださいますようお願いいたします。
なお、掲示板は引き続きご利用いただけます。

ドラマニュース「ちりとてちん情報」ページはこちら→

26回目 5/26 HPをご愛顧いただきありがとうございました

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧の皆さまこんにちは。「ちりとてちん」制作統括を務めておりました遠藤です。
3月に放送が終わったのに、関連番組やら総集編やらDVDやらメモリアルブックやら、いろんなことが次々に起きてちっとも終わった気がしない昨今でございます。

「落語ワールドSP」と「それぞれのちりとてちん」にはたくさんの全国放送希望を寄せていただき、ありがとうございました。おかげさまでどちらの番組も無事総合テレビで全国放送になりました。何かを全国放送するということは予定されていた何かの番組を休止するということでなかなか調整が難しいのですが、それでも一か月ほどで両方とも全国放送が実現したのは、これはもう皆さんの力以外の何ものでもありません。

総集編をご覧下さった皆さま、ありがとうございます。おそらく多くの方が「私の好きなあの場面が入ってない!」「あそこが面白かったのになんで切るの〜!」と不満を抱かれたと思います。全放送時間のおよそ10分の1に縮めたわけで、熱心に「ちりとてちん」をご覧下さっていた方はなおさらです。
なのに意外にも皆さんが総集編を「一本のドラマ」として見て下さったことがわかりほっとしております。我々も、「いい場面をつないだ総集編」というよりは、「ちりとてちん」というドラマの本筋をすっきりと見ていただけるものにしようと考えて196分を構成しました。喜代美というへたれな女の子が、いかに自分の負の部分と戦い、永い時を経てそれに打ちかったか。短くしたことで、むしろそのことがわかりやすくなったのではないかと自負しております。

5/6の総集編上映会においでくださった皆さま、ありがとうございました。始まる前の「放送の終わった番組の上映会に人が来るのか?」という危惧もなんのその。一番最初に並んだ方はなんと早朝5時半から!1000人を越えるちりとてファンの方々に集まっていただきました。舞台あいさつには、青木崇高さんだけでなく当日他の番組のためにNHK大阪に来ていた茂山宗彦さん、さらにたまたま大阪に遊びに来ていたという桑島真里乃さんまで飛び入り。記念撮影用の高座セットには長蛇の列。見ていらっしゃるお客さまたちの、笑うタイミングの的確なこと。ハンカチを出すタイミングの早いこと(笑)。1000人を越える皆さんと、同じタイミングで笑い、同じタイミングで泣く。たったそれだけのことがこんなに楽しいとは、私にとっても大発見でした。

テレビ日本美術家協会からは、「ちりとてちん」の美術デザインに伊藤熹朔(きさく)賞協会賞をいただきました。授賞式に出席させていただきましたが、各テレビ局の豪華絢爛な番組が並ぶ中、CGも使わずセット予算も少なめ(汗)な私たちがそのラインナップに乗っていることに驚きと誇りを感じました。物語とリンクしたセットや小道具、そこにスタッフが注いだ精一杯の愛情が評価されたのだと思っています。そうした美術にたくさんの方が注目して盛り上げて下さったおかげです。ありがとうございました。

朝ドラ初のスピンオフドラマ「かんさい特集 ちりとてちん外伝『まいご3兄弟』」の制作も始まりました。7月には関西ブロックとBS2で、8月には全国でご覧いただけることになりました。いつもの笑って泣ける「ちりとて」ワールドをお届けしようと、ちりとてちんのスタッフが再び全力で制作に当たっております。ぜひご覧いただけますようお願いいたします。

DVDの発売延期には私もびっくりしました。6〜7月に完全版が出た後には総集編DVDも8月に出ることが決まったようです。そこに外伝ドラマも収録されることになるそうです。
そして、メモリアルブックが7月に出ることになりました。名場面のスチールに出演者のインタビュー、裏話など満載の一冊になる予定だそうで、今から私も楽しみにしています。
まだまだいろんなところで「ちりとてちん」は続いています。これも「ちりとてちん」に関わった全てのスタッフがそれぞれ全力で自分の仕事をし、見て下さった皆さんがそれに熱心に応えてくださったおかげであると思っています。

今になって考えると、「ちりとてちん」というドラマに関われたことは、私にとっても奇跡のような出来事でした。
そして、その奇跡をこんなにたくさんの方々と共有できたことを、本当に本当にありがたく思っています。

みなさんとの交流の中心となっていたこの公式HPも、かねてお知らせしておりました通り5月末で閉鎖となります。
最後に、これからのことをちょっとだけ書いておきます。

○掲示板はもう少し続きます。引き続きご利用ください。
○数々の関連グッズはNHKが作っているものではないため、御要望などは今後それぞれの販売会社にお願いします。DVDについては、販売会社が独自のHPを立ち上げていますので今後の情報はそちらでご覧になれます。サントラはレコード会社、書籍は出版社へご希望をお伝え下さい。

 DVDに関してはこちら(→NHKサイトを離れます

 メモリアルブックに関しては、6月2日(月)よりサイトが立ち上がります。
 http://www.nhk-sc.or.jp/chiritote/

○関連番組などの情報は、ドラマニュースページでご覧になれます。

皆さまにはご不便をおかけいたしまして申し訳ありません。
最後まで、ちりとてちんをご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。
以前にも書きましたけど、もう一度改めて。
「ちりとてちん」に関わってくださった全ての人々に。 そしてドラマを見て、応援してくださった全てのみなさんに、心から感謝を捧げます。
本当にありがとうございました。

今後とも、NHKのドラマをどうぞよろしくお願いいたします。

25回目 5/21 「ちりとてちん」公式ホームページ 公開終了のお知らせ

制作統括 遠藤理史

「ちりとてちん」公式ホームページをご愛顧いただき、ありがとうございます。
以前よりお知らせしておりました通り、こちらのホームページは5月31日をもちまして公開を終了させていただきます。
その後の「ちりとてちん外伝」や関連番組情報などは、ドラマニュース内「ちりとてちん情報」ページにてお知らせいたしますので、今後はそちらをご利用くださいますようお願いいたします。

ドラマニュース「ちりとてちん情報」ページはこちら→

なお、掲示板は引き続きご利用いただけます。

24回目 4/22 HP公開期間延長のお知らせ

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧の皆さま、しばらくのごぶさたでございました。制作統括の遠藤です。
放送も終わったというのに、連日たくさんのアクセス本当にありがとうございます。総集編に関連番組などなどホームページでのお知らせ項目がちっとも減らないため、担当者も「放送終了したのになんでこんなに更新が多いの?」とうれしい悲鳴を上げております(笑)。

さてこのホームページ。
本来なら4月末で終了する予定でしたが、多くの方から「なくさないで欲しい」という要望をいただいております。残念ながら未来永劫残すことはできないのですが、皆さんからの要望にお応えすべく予定を一か月延ばして5月末まで公開を延長することになりました!

そもそもどうしてホームページが公開を限定しているかについての事情は「よくある質問」をご覧いただきたいのですが、今回皆さんの要望を受けて関係各位に特別に延長をお願いしてみたところ、内外全ての関係者から快諾をいただくことができました。ありがたいことです。

今後内容の更新はありませんが、5月末までホームページをゆっくりご覧いただければ幸いです。
それから以前にも書きましたように、掲示板だけはもう少し長く存続する予定です。
今のうちに掲示板へ直接ブックマークしていただければ、HPがなくなった後でも掲示板の閉鎖まではご覧いただけます。

関連番組の放送拡大に伴い、大型連休は「ちりとて」関連番組などがめじろ押しです(放送日時の変更の可能性もありますのでご注意を)。4月末にはミニブックつきステラも発売。そして連休最終日5/6(火)には、なんとNHK大阪ホールで総集編を上映することになりました。「放送も済んでしまった番組を上映して誰が集まるんだ」との声も大きいですが、いいじゃないですか!笑っても泣いても拍手しても歌っても恥ずかしくない、そんな場所でたくさんの「ちりとて」ファンと一緒に総集編を見られたら楽しいんではないかなあと思ってしまったのです(笑)。

休憩を挟んでの前後編。通して見ると一日がかりですが、もしお時間があって当日大阪まで出向いてもよいなと思われる方はぜひ御一緒に!

23回目 3/29 受け継がれていくもの

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさまこんにちは。制作統括の遠藤です。

3/29(土)「ちりとてちん」の最終回の放送が終わりました。
半年間ご覧いただいた皆さま、途中からあるいは時々でもご覧いただいた皆様、本当にありがとうございます。
気に入らなかった皆さま、ごめんなさい。
どのような感想を抱いたとしても、とにかく見てくださったことに深く感謝します。そして、気に入ってくださったならば本当に嬉しいです。お一人お一人にお礼を言って回りたいくらいですが、それをしていると「瞳」すら終わって「だんだん」が始まってしまいそうなので(笑)、ここに書くだけで失礼いたします。本当に本当にありがとうございました。「本当に」ばっかり書いてますね(汗)。

放送中は、いつもたくさんの温かいメッセージ本当にありがとうございました。苦しい収録の最中にも、皆さんのメッセージが私たちに勇気を与えてくれました。掲示板への投稿からも、多くの皆さまが「ちりとてちん」を愛してくださったことがビリビリと伝わってきます。
皆さんからの声を受けてファン感謝祭が全国放送になったり、完全版DVDが決まったり、落語番組ができたり、Tシャツが商品化されたり、ガイド本が増刷になったり、いろんなことが実現しました。本当にありがたいことです。
いずれも私も「できたらいいな」と思っていたものばかり。私一人では実現しなかったであろうものが、皆さんからの要望で次々に実現していく様子を見るのはとても嬉しいものでした。

さらにそんな中、「NHKウィークリーステラ」が、5/9号にて「ちりとてちん」の「中綴じミニブック」を企画してくださいました。ステラの真ん中に、「ちりとてちん」のメモリアルブックとでも言うべき小冊子が綴じ込まれるわけです。ドラマ内に隠された落語ネタやセットに込められた秘密など、裏話も盛りだくさん。
現在そのためにみなさんの「心に残る『ちりとてちん』名場面」を募集中(注意:NHKサイトを離れます)です。葉書や、ステラのHPに用意された投稿フォームでぜひ皆さんの名場面をお寄せ下さい!
皆さんの声が集まり、それをもとにファンブックが、となったら……(笑)

ちりとてちんは「人から人へ伝わる何かへの愛おしさ」を描いたドラマでしたが、むしろ見て下さった皆さんのほうが、たくさんのことを私たちに伝えてくださったように思えます。本当に今回ほど、「見ている方々の力」を実感したことはありません。私もその声にできるだけ応えようと力を尽くしましたが……力の及ばぬことも多く、その難しさもまた痛感する毎日でした。

ちょっと前のことになりますが2/29(金)から3/9(日)までNHK大阪放送局で草若邸のセットを無料公開しました。10日間でなんと7万7千人もの方が訪れて下さったそうです。そしてその最終日、私も皆様の前で少々喋らせていただきました。役者さんが出るわけでもないのに会場は満席。しかも皆さんとても熱心に聴いてくださって……。実に幸福な時間を過ごさせていただきました。
さてその客席に一人高校生がいました。質疑応答の時間になると彼は手を上げ、私にこう言ってくれました。
「僕は将来こんなドラマを作る人になりたいです。」

それを聞いて、私は本当に嬉しかったです。
ああ、これが私にとっての「人から人へ何かが伝わる」ってことなんだなあ。そう思いました。

「弟子にして下さい(笑)」と言われたのでとりあえずお約束で「お断りします(笑)」とお答えしましたが、たとえ一時だとしても……いやいや!一時で終わらず、その彼が将来NHKで「ちりとてちん」を遥かに凌ぐ朝ドラを作ってくれることを夢見ずにはいられません。

「ちりとてちん」に関わった全てのスタッフ・キャスト・関係者の皆様に心からの感謝を捧げます。
そして、「ちりとてちん」をご愛顧いただいた全ての皆様、本当にありがとうございました。
そしてこんな自画自賛な日記(笑)に長いことお付き合い下さり誠にありがとうございます。

このホームページもこれで更新を停止し、アドレスを移動します。こちらも半年間のご愛顧誠にありがとうございました。掲示板はもうしばらく稼動します。また関連番組などがある際は可能な限りお知らせしますが、ひとまずはこれで終了です。

また、いつの日か、お付き合いを願います!

22回目 3/28 サブタイ ベスト10

制作・演出 三鬼一希

HPをご覧のみなさん、こんにちは。「ちりとてちん」制作・演出の三鬼です。
早いもので、「ちりとてちん」も今週が最後ということになりました。

みなさんもご存知だと思うのですが、「ちりとてちん」は去る2月22日、オールアップしました。(オールアップというのは、収録するべきシーンが全て撮り終えたということ。撮り切りとも言う。キャスト・スタッフ・番組関係者にとっては、まことに喜ばしい日でございます。)
で、私は、そのオールアップを記念して、出演者の皆さんやスタッフに楽しんでもらえるような、何か面白いことができないかなぁーと勝手に悩みこんでいたのですが、2週間悩んで、あることを思いついたのです。
それは、
「サブタイトル ベスト10を選ぼう!」
ということでした。
出演者、スタッフ、関係者の方々に、アンケートを行い、全26週あるサブタイトルの中からお気に入りを3つ選んでもらって、それを集計してランキングするのです。
 思いついた当初、これはイケル、と思いましたが、思いついたのが、オールアップの5日前。遅かったかぁ・・・、と思っていたのですが、とりあえずやるだけやってみようと実施したところ、151人もの人がアンケートに答えていただき、総得票数も426票と、うれしい悲鳴をあげる結果となりました。

 結果はオールアップの際にスタッフ皆に発表したのですが、せっかくですので皆さんにもお伝えしようと思います。
皆さんも予想しながら、楽しんでください、ね。

では早速、第9位!
って、いきなり、ベスト10で、と思われますでしょうが、9位に2タイトル同票入ったので、あしからず・・・・。
あらためて、第9位
■第11週「天災は忘れた恋にやってくる」
■第24週「蛇の道はヘビー」


つづけて、第4位までを一気にいきます。
第7位(これも同票2タイトル)
■第20週「立つ鳥あとを笑わす」
■最終週「笑う一門には福来る」
第6位
■第1週「笑う門には福井来る」
第5位
■第23週「終わりよければ滑ってよし」
第4位
■第25週「大草若の小さな家」

つづいて、ベスト3の発表!
第3位
■第2週「身から出た鯖」
第2位
■第14週「瀬戸際の花嫁」


で、いよいよ栄えある第1位は・・・・・・・・・・・・・・・・



■第17週「子はタフガイ」

でした。パチパチ!!


で、みなさんの予想は当たってましたでしょうか?
お気に入りのサブタイトルはベスト10に入ってましたか?

実はこのアンケートを実施するとき、ひとつの危惧(きぐ)がありました。それは、1票も入らないサブタイトルがあったら、どねしよぉー、ということでした。でもそれは杞憂(きゆう)でした。票数の差こそあれ、全26週すべてに得票がありました。
そこで私は思ったのです。この「ちりとてちん」という番組は本当にたくさんの、いろんな人の思いで成り立っているのだと。
 このアンケートには「ちりとてちん」をご覧いただいている皆さんの票は入っていませんが、きっと私たちと同じような思いで、この番組を愛して下さっているに違いない、と感じたのです。
 番組は、もう少しでおしまいですが、最後まで楽しんでいただけたら、私たちスタッフにとっても、最上の喜びです。


追伸
 最初にこの「サブタイベスト10」の話を、ある出演者にした時、「え、サブいタイトル、決めるのん?」というリアクションがあったことを、最後にご報告しておきます。

21回目 3/26 放送終了後、ホームページを引っ越します

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧の皆さま、こんにちは。制作統括の遠藤です。
今週末で、「ちりとてちん」の放送が終わります。
来週からは「瞳」が始まります(<こちらもどうぞお楽しみに!)。

それに伴い、すでに告知しております通り3/30(日)いっぱいでこちらも「瞳」のホームページに模様替えいたします。半年間のご愛顧、誠にありがとうございました。
ただし「ちりとてちん」のホームページがそのままなくなってしまうわけではありません。トピックなどの更新はしなくなりますけど、ちょっとアドレスを引っ越しましてしばらくの間ご覧いただけます。
「しばらくっていつまで?」と言われそうですが、残念ながら未来永劫(えいごう)というわけにはいかないのです。詳しい事情は「よくある質問」をご覧下さい。
掲示板はもう少し長く存続する予定です。よろしければお早めに掲示板へ直接ブックマークをお願いします。そうすれば、HPがなくなった後でも掲示板の閉鎖まではご覧いただけます。

「最終回見終わってホームページを見に来たらなくなってた!」と驚かれないように、少し早めのお知らせでした。なお、ホームページの最終更新は3/29(土)の午後を予定しています。最後のトピックや写真集をどうぞお楽しみに。


さて、前回も「終わりに向けての見どころ」についてちょびっと書きましたけど、もう一つだけ見どころ宣伝をば。

最終回、ぜひタイトルバックの最初から見てください!
放送開始2秒後から、最終回だけのスペシャルな仕掛けがありますから!

20回目 3/25 長野に行ってきました

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧の皆さまこんにちは。制作統括の遠藤です。
「ちりとてちん」の放送も残りわずかとなった3/22(土)、徒然亭四草役・加藤虎ノ介さんのトークショーが長野で開かれ、私も行かせていただきました。
長野放送局から「長野でイベントを」と依頼をいただいた時には、(失礼ながら)「なんで長野?」と思いましたけど、聞けば長野では多くの皆さんが「ちりとてちん」を見てくださっているとのこと。それならばと有難く参上いたしました。

司会者の方に呼び込まれ虎ノ介さんがステージに登場したところから、もう皆さんの拍手の温かいこと!これまで徒然亭の仲間たちとのトークは何度か経験のある虎ノ介さん。今回は独りということで勝手が違ったのか、最初はなかなか話が進みません。ですが、もはやお客さんの間でも虎ノ介さんの寡黙ぶりは有名らしく、皆さんがゆったりと彼の言葉を待ってくれている雰囲気。だんだんと本人もリラックスしてきた様子でした。

そして、当日は青木崇高さんが飛び入りゲストで来て下さいました。なんでも別の用事で長野に来ていたとかで、「当日行ってもいいですか?」と数日前に連絡をもらった時にはびっくりしました。でも、お客さんには嬉しいサプライズとなったのではないでしょうか。
長野の皆さん、そして県外からおいでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

よせばいいのに、私もその横でトークに参加させていただきました。
そして、よせばいいのにいらぬつっこみなどたくさんしてしまい、後で青木さんに「遠藤さんのトークショーみたいになってましたよ」とつっこまれる始末。またしても反省しきりです(涙)。
さらに、終わりが近づいて「最後へ向けて見どころを」と司会者の方にふっていただいたのに、何だか上手いことが思いつかなくてごにょごにょとわけのわからないことを言ってしまいました。
ああ、よせばいいのに……。深く反省です。

しかも!
「見どころを聞かれたらこう言おう」と思っていたことがあったのを、ちょっと後になって思い出しまして……(汗)。
せっかくですのでここに書かせてください(笑)。

最終回を最後までご覧いただいたら、ぜひオープニングのタイトル映像をもう一度ご覧下さい。きっと、今までとは違った見方を発見していただけると思いますので!

19回目 3/3 バトンタッチ

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさま、こんにちは。制作統括の遠藤です。

クランクアップの翌週、私たちは東京で「ヒロインバトンタッチ」を行いました。これは歴代の朝ドラヒロインが引き継いできた儀式のようなものでして、お互いの縁(ゆかり)の品を交換してエールを贈り合うのです。半年前に「どんど晴れ」の比嘉愛未さんから受け取ったバトンを、今度は「瞳」の榮倉奈々さんに渡すことになりました。貫地谷さんとも話したのですが、「もう半年経ったのか」と感慨深いものがあります。「ちりとてちん」を3月いっぱいお楽しみいただいた後は、引き続き「瞳」もよろしくお願いいたします。

「ちりとてちん」から「瞳」へ ヒロインバトンタッチ

さて、実はこの日の記者会見で私がした迂闊(うかつ)な発言が思わぬ波紋を呼んでしまい、皆様にご心配をおかけしたことをお詫びしなければなりません。
会見の席で記者の方から「ちりとてちんの続編やスペシャルはないんですか?」と聞かれまして、私は「やれるように頑張ります。企画持って局内を営業して回りたいです」と答えました。貫地谷さんも「ぜひやりたいです」と言って下さいました。
さらに「それは本気ですか」と聞かれましたので「そりゃ、私は本気ですよ」と答えたんですね。「どのくらい本気ですか」と突っ込まれたので、困った末「うーん、8割7分くらい?」「……なんですかその中途半端な数字は(笑)」と一部から突っ込まれましたが。だって面白い答えが思いつかなかったんですもん(笑)。もちろんその後で「まだ何も決まってませんから」ともお伝えしました。

そうしたら翌日、いくつかのメディアに「ちりとてちん続編決定」というニュアンスの情報が出てしまいました。「続編の企画が上がっていることが明らかに」とも。
もちろん、どのメディアも実際には「決定」とは明言してません。よく読んでいただければわかります。でもそれを見たり読んだりした方の多くが「決定」と思ってしまわれたようでして……。
もうあちこちから「聞いてないぞ!」「これはどういうことなんだ」とお怒りの電話が(汗)。そりゃ聞いてないですよ、何も企画してないし何も決まってないんですから(笑)。一方で「おめでとうございます!」とお祝いを言われて慌てて否定したりも。

いったいどこで発言を間違えたのだろう、と考えたのですが思い当たりません。何をどう聞いたら「企画が上がった」ことが「決定」あるいは「決定間近」のニュアンスになっちゃうんだろう。

しばらく考えて、ようやく思い至りました。
記者の皆さんはたぶん、担当プロデューサーが「やる」と思い切れば続編を作ることになる、と思ってたんですね。だから私の本気度を聞いておられたのですね。

すいません、そうではないのです。
大ざっぱに言えば、朝ドラ続編の企画は毎年のように上がります。
でも、他にも年間何百本もの新しいドラマの企画が上がっているのです。もちろん全て「本気」で書かれています。
そして、皆で慎重に話し合った末その中から年に数本の企画がドラマとして実現されるわけです。ファン感謝祭の入場券よりも高い倍率です(笑)。ですから、私としては「企画を書いてNHK内のプレゼンも頑張るけど、そんなことは日常茶飯事で、大半はボツ」という感覚で喋っていたわけでして。企画を書いただけでニュースになる(?)なんて思いもしませんでした。
でも、確かに外から見れば「ちりとてちん」の番組責任者が「続編やりたいです」と言えばそりゃそのまんま「続編やるのか!」と思われても無理ないのかも。
もしかすると記者の方々も「ちりとてちん」の続編を望んでくださっていたのかと思います。それで私の「続編やりたいです」という発言からあんな記事が書かれたのだとすれば、それはそれでとてもありがたいことです。

ここで改めて申し上げておきますが、今のところ「ちりとてちん」に続編及びスペシャルの予定はありません。「続編決定」(のような)報を聞いて喜んでくださったファンの皆様には大変申し訳ありませんでしたが、「今のところ予定は全くありません」というのが正直な現状です。ごめんなさい。

ただ、一つだけ言わせてください。

私たちは今この「ちりとてちん」を、持てる力の全てを尽くして制作しています。「パート2があるかもしれないからネタを残しておこう」なんてことはこれっぽっちも考えておりません。ですから最終回までに考えうる全てのネタと力を投入し、きっと皆さんに満足していただけるものにしたいと思っています。
続編希望の声をいただくのはもちろん本当に嬉しいことです。ですが、できれば最終回までご覧いただき、その上でなおご希望があったら改めてお寄せいただければ幸いです。 私たちは「ああ、こうやって終わるのかー。(続編見なくても)満足だー」と言っていただけるものをお見せしたいと思っていますし、そうなると信じています。

最後まで、「ちりとてちん」をどうぞよろしくお願いします。

18回目 2/25 クランクアップしました!

制作統括 遠藤理史

2/22(金)、おかげさまで「ちりとてちん」は全ての撮影を終了いたしました。
昨年の6月に撮影が始まって、かれこれ9ヶ月近く。いろんなことがありましたが、とにかく大きな事故もなく無事に撮影を終えることができました。まだこれから編集、音入れなどの作業が続きますので番組が全て完成するのはもう少し先のことですが、これまでご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

実は2年前の今頃、私は「風のハルカ」という朝ドラの最終回を撮影していました。最後のシーンを撮り終えヒロインが記者に囲まれてくす玉を割っているその横で、時のドラマ部長に「来年秋の朝ドラは君にやってもらう。で、何やる?誰に書いてもらう?」と言われたことを思い出します。正直、「ええっ。今私、8ヶ月の撮影を終えたとこですよ。ちょっとは余韻にひたらせて下さいよ〜」と思いました(笑)。

それから2年の間に、塗箸や落語やいろんなものと出会い、たくさんの人と出会い、たくさんの偶然と幸運に支えられて、ここまで来ました。

出会った皆さんが、それぞれ精一杯の熱意をこの番組に注いでくださいました。
藤本有紀さんが緻密で温かく笑って泣ける素晴らしい脚本を書いてくださり、貫地谷さん、和久井さん、渡瀬さんをはじめ望外のキャストが見事な演技でそのセリフに命を吹き込み、大勢のスタッフが一丸となって全身全霊でそれを番組という形にし、多くの関係者がそれを世に広めるために力を貸してくださいました。

番組作りに関わってくださった全ての人々に。
そしてドラマを見て、応援してくださっている全てのみなさんに、心から感謝を捧げます。
本当にありがとうございました。

……なんて書いていると、もう終わりみたいですけど。

違います!
番組の放送は3月末まで続きます!
まだ5週、29本もありますから!(笑)。

どうか、最後までよろしくお願いいたします。

17回目 2/18 サブタイトルに毎週悩んでます

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさま、こんにちは。
制作統括の遠藤です。

熱心に見てくださってる方はお気づきかと思いますが、「ちりとてちん」には週ごとにことわざや慣用句をもじったサブタイトルがついています。第一週が「笑う門には福井来る」第二週は「身から出た鯖」といった具合です。あのさむ〜いおやじギャグみたいなタイトルは誰が考えてるんだ?とお考えの方、おられますか。実は毎週、私ども制作スタッフ皆で考えております。すみません。

藤本さんから台本が送られてくると、方言の直しを入れたりキャスト表を作ったりする作業の傍ら、さあサブタイトル決めの始まりです。ことわざ辞典をぱらぱらめくったり、意味もなく雑誌を見たりしながら、思いついたことをお互いに言い合います。プロデューサーも演出も助監督もありません。面白いこと言った者勝ち。そこそこ面白そうなものがあればどんどんメモし、あーでもないこーでもないと言い合い、ひと通り出揃ったと思ったら翌朝まで待ちます……。

朝になると、デスク補助の女の子K嬢が出勤して来ます。彼女こそが我々制作班の秘密兵器。
何を隠そう、私たちがサブタイトルを採択する基準は彼女の笑顔にかかっているのです!

出勤してきたK嬢に私たちが考えたサブタイトルを一つずつ見せます。
K嬢が「くすっ」と笑ったら、採用です。ちょっと考えて「ああ〜」と納得したら惜しくもボツ。愛想よく「ははは」と笑ってくれたらもう一息、といった具合。万が一「?」となったら即ゴミ箱行きです。
K嬢はもちろん生粋(きっすい)の関西人でして、かなりハードル高いのです(笑)。

K嬢の前に敢え無く砕け散ったサブタイトルは数知れず。ちなみにこの日記のタイトル「大阪の耳はロバの耳」もボツになったサブタイトルの一つでした。(何週目につけようとしたのかはご想像にお任せします。)

私たちとしては「できればサブタイトルでも笑って欲しい」という一心でして、あれでも毎週精一杯頭をひねり、真剣に考えているのです……「それであの出来か」と言われますと返す言葉もございません(汗)。ですから、皆さまからの反響にごくたまに「サブタイトルも面白い」などと書かれていると、かなり嬉しいです。
一方で「なんだあのタイトルは」というお叱りも毎週のように受けます。曰く「間違えてるぞ」「子供の教育によくない」「日本語への冒とくだ」「盗作だ」などなど。

こういったお叱りを下さる方には、その都度懸命に「これはシャレですから」とご説明するのですが、なかなかわかっていただけません。考えてみれば、どんなギャグでも「それのどこが面白いんだ」と聞いてくる方に「面白い理由」を説明するのはなかなか難しいものですよね(汗)。

そもそもシャレとか笑いというのはある共通理解の上に成り立っているわけで、例えば「笑う門には福来る」という言葉を知らない方には、「笑う門には福井来る」という言葉がそのもじりであることはわからないわけです。そしてシャレとは正しい言葉からのズレを笑うものですから、間違ったものを許容できない方には面白くないのも当然です。

ですが私は、もしお子さんが「ちりとてちん」をご覧になって「笑う門には福井来る」というのが本来のことわざだと勘違いしてしまったとしたら、ぜひその時には親御さんが教えてあげて欲しいと思うのです。「本当は『笑う門には福来る』という言葉があって、あれはそれをもじったものなんだよ」と。そうやって「訂正されて覚えた」ことって印象に残りませんか。しかもそうすれば親子の会話が生まれ、お子さんは知らなかったことわざを一つ覚えて一石二鳥ではありませんか(笑)。
私はむしろ、その方が「日本語を大事にしている」とすら思うのですが・・・。

まあしかし、小難しいことを並べてもしょせんは駄洒落ですからね(笑)。
最終週まで笑っていただけるサブタイトル目指して、さあ本日もK嬢の出勤を待ちましょうか!あ!最終週用に一つ思いついた!
「当たらずといえども唐辛子」どうっすか!

K嬢「ふっ(冷笑)」

すいません。今日も敗退しました。

16回目 2/9 感謝祭無事終了いたしました!

制作統括 遠藤理史

おかげさまで2月3日、「ファン感謝祭〜笑う門には福来(きた)る」無事終了いたしました!
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。北は北海道から南は鹿児島まで、日本全国からたくさんの方においでいただきました。ふだんから多くの反響をいただいてはおりますが、実際にあれだけの皆さんに直接声援をいただき、私たちもたくさんのパワーをいただきました。

終わった後で吉弥さんが「ここに来られた方の向こうには、来られなかったもっとたくさんの人がいる。その方たちへの感謝も忘れないように、と思いながらやりました」とおっしゃったのが印象的でした。本当にその通りです。応募したのに選にもれてしまった皆さん。そして「ちりとてちん」を愛してくださっているたくさんの皆様に、心から感謝した一日でした。

感謝祭の内容については、「NHKウィークリーステラ」の2/29号(注意:NHKサイトを離れます)で概要を、また2月24日(日)に特番でダイジェストを、さらにその後こちらのホームページに写真と文で完全採録記事をお届けする予定です。当日おいでになった方も来られなかった方も、ぜひご覧いただきあの日の熱気を少しでも共有していただければと思います。

おそらく皆さんにとっては「あー、NHKが自分の所のホールでイベントしたんだね」くらいの感覚かと思うのですが、私にとってはこのイベントが実現するまでのさまざまな出来事は、まさに奇跡の連続でした。
まずは何と言っても、徒然亭の5人が顔をそろえたこと。特に桂吉弥さんと茂山宗彦さんは週末が落語会や狂言でお忙しいことが多くめったにスケジュールが合いません。それがなんと、2月3日のしかも午後だけなら集まれることがわかり、この企画は急に現実味を帯びました。
それから、ふだんあまり一緒に仕事をすることのない広報や事業のセクションが、忙しい仕事の合間に協力してくれたこと。短期間で、しかもホームページと携帯サイト限定での告知だったにもかかわらず、すごい枚数の葉書を寄せていただいたこと。それで会場が手狭になった時、運よく(!)NHK大阪ホールの2月3日にキャンセルが出たこと。イベントをホールに移行するにあたっての予算申請がすんなり通ったこと。そして感謝祭の模様を、日曜の昼という見やすい時間に全国に放送できるようになったこと。その一つ一つがいかに稀(まれ)なことか、なかなか皆さんにはわかっていただけないかとは思います。でも、どれもこれもドラマで言えば「今週のクライマックス」になるような、いえ、もしドラマにしたら「そんな都合よく偶然が起きるわけないやろ」と皆さんに笑われてしまうような、そんなすごい偶然がたくさん起きたのです。

私たちも、精一杯皆さんに感謝を示そうと知恵を絞りました。あんまりお金はないのでとにかく知恵と誠意でカバーするしかありません(笑)。貫地谷さんは、「途中で衣装替えをして、ドラマの中の雰囲気と私服を見てもらいましょう」と言ってくれました。「二階席のお客さんにも喜んでもらいたい」と吉弥さんが提言し、客席で豆まきをしようというアイデアが生まれました。成田山の方にその話をしたら「うちの豆を持って行ってください」と豆を提供してくださいました。せっかく葉書をくださったのに選にもれた方のために、スタジオを無料で見学できるようにしたらというのは事業部のアイデアです。彼らはデザイン部にいろいろ聞いてスタジオセットの案内図を作り、当日はご案内のためにスタジオに立ってくれました。しゃべっている人の顔をスクリーンに出したら、後ろのほうに座った方も楽しめるのではというのは、私の上司のアイデアでした。ただでさえドラマの収録で大変な毎日を送っているのに、その合間を縫ってみんなが準備のために駆け回ったのです。

それでも、遠くから来てくださる方、今日のためにさまざまな予定を調整して来てくださっている方、さまざまな事情を抱えて集まってくださるのであろう皆さんに、果たして楽しんでいただけるのか。不安なまま当日を迎えました。

でも、客席の皆さんの笑顔を見ていたらそんな不安は吹き飛びました。皆さんが「ちりとてちん」を、そこに生きる登場人物たちを愛してくださっている様子、そしてこのイベントを楽しみにして来てくださったことがひしひしと伝わってきて、出演者の皆さんもものすごくテンションが上がっていたようです。座っているだけでよかったはずの私も無意味にテンションが上がってしまい、ふと気づくとしゃべりまくっていて大反省です(汗)。
全員で撮った記念写真、客席の皆さんの笑顔のすばらしいこと!二階席の隅まで本当に楽しそうです!ああ、やってよかったなあと心から思えました。

手前味噌で申し訳ないのですが、皆さんのリクエストに全身で応えてくれた出演者の皆さんと、前代未聞のイベントのために寝る間を削って働いたスタッフの皆の頑張りをたたえさせてください。
そしてもちろん、当日来場してくださった皆様。応募したのに来られなかった皆様。本当にありがとうございました。何より、いつも「ちりとてちん」を見てくださり、愛してくださっている皆様に心から感謝します。今回の感謝祭にまつわるさまざまな出来事を通して、見てくださる皆様に支えられて私たちはドラマを作っているのだということを改めて感じ、最後まで全力で頑張ろうという決意を新たにすることができました。

「ちりとてちん」の放送も残り2ヶ月。最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。

15回目 1/26 感謝祭にたくさんのご応募ありがとうございました。

制作統括 遠藤理史

2月3日のファン感謝祭「笑う門には福来(きた)る」に、たくさんのご応募ありがとうございました!
わずか10日間の応募期間、往復葉書限定、テレビでの告知はほとんどせずHP中心の告知という条件だったにもかかわらず、締め切りまでになんと1万通を超える応募をいただきました。本当にありがたいことです。しかも北は北海道から南は沖縄まで「ほ、本当に大阪まで来るんですか?(自腹で?)」と確認したくなるような(失礼)遠方からの葉書もありました。
私たちドラマのスタッフには、こういう「公募」についてまったくノウハウがありません。そこでふだんから公開番組などを担当している部署に力を貸してもらうことになったのですが、担当したスタッフの弁によれば、今回寄せられた葉書は「熱さが違う」そうです。住所、お名前、電話番号といった必要事項にとどまらず、びっしりと「私がいかに『ちりとてちん』を熱心に見ているか」を切々と書きつづったものがどっさり届いたとか。
(なんだかスタジオパークで糸子さんの名シーンを募集した時のことを思い出しました。)

当初は大阪放送局内のテレビスタジオでやろうと思っていたのですが、寄せられる葉書の数を聞いて「これはしまった」と思いまして(笑)、あわてて会場をNHK大阪ホールに変更しました。それでも、とても皆さんに入っていただくことはできません。

「応募多数の場合は抽選」と書いておりましたが、こうなりますと当然抽選です。

何をかくそう、私こういうイベントで「抽選」をやるのは初めてでして(すんません)、抽選というのはどうやってやるのか知りませんでした(またしても失礼)。よく「厳正なる抽選」と書かれてるけど、いったい何が行なわれているのか……でっか〜い箱に葉書をどさっと入れて、かき回して引くのかな?などと悠長なことを考えておりましたが、そんなこと言ったら担当者に笑われてしまいました。考えてみたら1万通の葉書を入れられる箱もないし、かき回すのも無理です(笑)。
実際にはまず応募葉書を整理して、通し番号を打ちます。スタンパーでがちゃんがちゃんと「けんしょう炎になりそう(<担当者談)」になりつつ、1万通だろうと手作業で打つわけです(汗)。
全部出揃ったところで当選倍率を計算。その倍率に従って、当選番号を決めます。倍率が10倍だったら、例えば下一けたを「4」に決めて4、14、24、34、44……と抜いていくわけですね。今回の倍率は約15倍でしたので、だいたい15枚に一枚を抜くことになりました。
「年齢とか住んでる地域とかが偏らないように調整とかするのかなあ」なんて思っていた私はびっくりしてしまいました。こんなにシステマティックに行われるものだったとは。
まあ、こういうことを日常的に担当している彼らからすれば当たり前なのかもしれませんが、私は同じNHKにいるのにちっとも知らなかったのです……すんません。

紅白歌合戦の観覧券抽選の時などはものすごい倍率になりますので、なんと代々木警察署の立会いの元でこういった抽選を行うのだそうです。今回はさすがにそれほどではありませんでしたが……当たらなかった方には本当に申し訳ありません。

しかし、それほど熱心に応募してくださる皆さんに喜んでいただけるようなイベントになるのか……ますます不安です(汗)。内容に知恵を絞る前に、会場手配に知恵を絞りきってしまいましたんで(笑)。みなさん、どうかあまり期待せずにおいでください……(<ちょっとビーコ入ってます)。

代わりと言っては何ですが、2月3日当日はこの「感謝祭」とは別にスタジオセットを一般公開することにいたしました。ふだん撮影に使っているセットとスタジオを、無料でご覧いただけます。11月に会館公開でお見せしたものとほぼ同じセットになりそうですが、事前申込不要で抽選もありません。ただし一度に入れる人数に限りがありますので、一気にたくさんの方がおいでになった際にはお待ちいただく場合があります。
お近くにお住まいの方はぜひお出かけください。当選した方は、会場で。残念ながら選にもれた方々は、スタジオで。ぜひお待ちしております!

14回目 1/19 年齢不詳にもほどがある

制作統括 遠藤理史

「ちりとてちん」クランクイン直前の、スタッフキャスト顔合わせの席でのことです。
大勢のキャスト・スタッフが集まる中で、あるベテラン出演者の方…仮にKさんとしておきましょう。Kさんが席について待っていると、ギリギリになって20代とおぼしき若者が駆け込んできてKさんの前列に座りました。そして、周囲になれなれしげに話しかけています。Kさんその若者の後ろ姿を見ながら「誰だこの若造……遅れてきて、年上の皆さんに向かってタメ口きいて。礼儀を知らんやつだ」とちょっとイラっときていました。
プロデューサー(すんません私ですが)があいさつを始めると、先ほどの若者が「そうだよね〜」「またまたぁ」などと合いの手を入れたり茶々を入れたりし始めました。Kさん「おいおい、プロデューサーが話してるんだから静かに聴けよ!」とさらにイライラ。

「こんな若造、キャストにいたかなあ……きっとどこかの大手芸能プロが売り出し中のタレントを強引にねじこんだに違いない……20代ってことは、もしかして正平役か……撮影が始まったら一度、礼儀について教えてやらねば……」などと思いをめぐらしていたそうで。

そうこうしているうち、キャストの紹介が始まりました。
Kさん、先ほどの若者の名前を確認しようとじっと見つめていると
「小次郎役、京本政樹さんです!」
と呼ばれて、その若者が立ち上がるではありませんか!

サングラスをとると……確かに京本さんです。
Kさん思わず「きょ、京本さん?」すると京本さん振り返って「おう、K!」

「髪型が変わってて、全然わかんなかった」とKさんから聞いた私、ひとしきり爆笑しまして。
翌日京本さんにお会いした時、その話をしたんですね。「京本さん、Kさんに20代の若造と間違われたんですってね。いくらなんでもねえ……」と言いかけたら京本さん少しも驚かず
「ああ。よく間違えられるんだよ」

……そうなんですか。

だいたいが、役者さんは皆さん年齢不詳なところがありますよね。
撮影現場でもよく「役者さんは見た目と年齢が一致しない」という話になります。なにしろ正典役の松重豊さん、秀臣役の川平慈英さん、幸助役の久ヶ沢徹さん、熊五郎役の木村祐一さんは、四人とも実年齢は同い年なのだそうで。見えないですよね?(どの方が上に見えてどの方が下に見えるかはおいといて)
京本さんに至っては実年齢で言えば松重さんより上。クランクイン前は「ボクが松重くんの弟かあ……ちゃんと弟に見えるかなあ」と心配しておられたのですが、いざ撮影に入ってみるとどう見ても京本さんの方が弟にしか見えません(笑)。

さてさて。なんでこんな話を長々と書いているかと申しますと。
なんと第17週「子はタフガイ」の後半に、糸子・正典、そして小次郎の若き日の姿が登場するのです。糸子20歳!小次郎はなんと高校生ですよ!年齢不詳もここまできたらあっぱれ(?)です。

撮影中、和久井さんはしきりに「20代に見えるかしら」と心配されていましたが、現場にいた者たちは満場一致で「ノープロブレム!」。正典役の松重さんなどは、「この可憐な和久井さんとラブストーリーを演じるなんて、俳優人生のピークかも」と言っておられたほど(笑)。
日ごろの年齢不詳ぶり全開で挑んだ、和久井さんのポニーテール、松重さんのリーゼント、そして京本さんの学ラン姿(!)をどうぞお見逃しなく!

13回目 1/10 ファンイベントを開くことになりました

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさま、こんにちは。制作統括の遠藤です。
トップページにも告知しておりますが、今回「ちりとてちんファン感謝祭」を大阪で催すことにいたしました。

ただ実を言いますと、こういった形でのイベントは私たちにとっても初めての試みです。どんな内容になるのかもまだ決まってませんし、とりあえずスタジオは押さえましたがどれくらいの方が応募してくださるのか正直見当もつきません。告知には「応募多数の場合抽選」と書いてますが、抽選の必要があるのかどうかもわかりません……。

そんな何もわからない状態でも「とにかく何かやってみよう」と考えたのは、以前にも書きましたが日ごろから「ちりとてちん」にいただいているたくさんのメールやお手紙を拝見していたからです。こんなに熱いメールやお手紙をくださるみなさんに集まっていただいたらどんなことになるのか、それを想像し始めたら止まらなくなってしまいました(笑)。見切り発車もいいところです。

当日は、草原・草々・小草若・四草、そして若狭の徒然亭一門弟子五人が勢ぞろい。NHK大阪放送局のスタジオで、五人のトークショーなどをお楽しみいただくつもりです。
もしかしたらすごく寂しい会になっちゃうかもしれません。でも、もしかしたら一生の思い出になるようなことが起きるかも!
できるだけ皆さんにお楽しみいただけるよう、今スタッフで知恵を絞っているところです。

そんな「イチかバチか」な会ですが(笑)、お近くにお住まいで日曜の夕方、NHK大阪まで来てもいいなと思われる方はぜひ、往復はがきに必要事項をご記入の上お申し込みください。近畿以外にお住まいの方は遠くてごめんなさい。会場で皆さまとお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしております。

【追記1/22】
おかげさまで、ファン感謝祭の参加募集は1/21(月)をもって締め切りました。多数の応募ありがとうございました。

12回目 1/5 年明けのご挨拶

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさま。
あけましておめでとうございます!
「ちりとてちん」制作統括の遠藤です。

昨年は、「ちりとてちん」をご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。スタッフ、キャストを代表して御礼申し上げます。本来なら皆さまお一人お一人にお礼を言って回りたいところですが、それをしていたら次の「瞳」が始まってしまいそう<すんませんこればっかりで(笑)なのでこっそりこの場で失礼いたします。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

……なんか年賀状ふうになってきました(笑)。

「ちりとてちん」放送開始から3か月。番組も折り返し点を迎えました。
昨年末の放送で草々が部屋の壁を蹴(け)破り、新年明けていきなり喜代美と結婚!とものすごい急展開に驚かれた方も多いかと思います。でも実は、「年末に壁を蹴破って、年明けの放送で結婚」となるのは撮影が始まる随分前から決まっておりました。ですから、実はかなり前々からこの結婚式のために忙しい出演者の皆さんのスケジュールを調整していたのです。

結婚式の撮影はほぼ2日間にわたって行われたのですが、おかげで全員の出席(?)のもと、結婚式シーンの撮影が実現しました。中にはあの結婚式で初めて顔を合わせるキャストの方々もいて、セットではそこここで「はじめまして〜」「あ〜いつも見てますよ」などと不思議な挨拶が(笑)交わされておりましたが、いざ本番が始まってみるとさすがは「ちりとて」メンバー。あっという間にわいわいと楽しい雰囲気に。
松尾貴史さんのよどみない薀蓄(うんちく)に小浜組が感心し、本物の浜焼き鯖の大きさに大阪組が感嘆の声を上げ、あっちでは奈津子役の原さんと緑役の押元さんがけんかシーンの相談。収録の合間合間にはキャスト同士で交流を深めるシーンが見られ、何だか本物の披露宴会場のような雰囲気です。
そして何と言ってもこの日の主役は喜代美役の貫地谷さん。セットに白無垢(しろむく)で現れた時にはその美しさにキャスト・スタッフから感嘆の声が上がりましたが、草々役の青木くんなどは「キレイやなって言わなくては」と思いつつ何だかいつもと違う雰囲気の貫地谷さんに、照れくさくてついに言いそびれてしまったそうです(笑)。
貫地谷さんは重いカツラと衣装をつけての撮影でさぞ大変だったと思うのですが、つらい顔一つ見せることもなく終始笑顔で周囲を盛り上げながら2日間の撮影を乗り切りました。

しかし撮影しながらも皆で話していたのが「朝ドラって、こういう(キャスト勢ぞろいの)シーンが終盤に来ること多いよなあ」ということ。「ちりとてちん」はまだ中盤なのに、もうこんなシーン撮ってしまってこの先大丈夫なの?という声もありました。

でも大丈夫(笑)。「ちりとてちん」はここからがいわば「第二部」。
まだまだいろいろ、あんなことやこんなこと(笑)が起こります。前半にワンシーンだけ出演したあの方が再び登場。しばらく姿を消していたあの人が戻ってきたり、もちろん徒然亭一門にも新たな試練が!
前半三か月をお楽しみいただけた方は、後半三か月さらにお楽しみいただけると思いますし、これからご覧になる方も十分追いつけると思います。
ぜひ今年も「ちりとてちん」をよろしくお願いいたします。

11回目 12/26 たくさんのお便り

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさまこんにちは、「ちりとてちん」制作統括の遠藤でございます。

放送開始から早三か月。番組をご覧いただいている皆さんから、毎日たくさんのメールやお手紙、お電話をいただきます。たくさんの激励(ありがとうございます)、お叱り(申し訳ありません)、そしてご質問。もちろんすべて読ませていただいております。時にはいただいたメールや手紙を、スタッフ皆で読めるようにスタジオに貼り出したりもします。
可能なかぎりお返事を書いたり質問にお答えしておりますが、なにしろ量が(汗)……行き届かないところも多いかと思いますがどうかお許しいただければ幸いです。

お寄せいただくご意見には「ちりとてちん」を「おもしろい!」と言っていただけるのも「つまらん!」というのもあるのですが、不思議なのがどちらも大抵「周りも皆そう言っている」と書かれていること……不思議です(笑)。

「つまらん」と言われる方にはただただ「ごめんなさい。これで精一杯です」とおわびするしかない(汗)のですが、「おもしろい」と言ってくださる方々には実にいろんなバリエーションがあります。
代表的なものは「毎日2回、3回と見ています」「こんなにハマったのは初めて」などの番組全体への賛辞。伏線の多い緻密な構成や心に染みるセリフなど脚本のよさをほめてくださる方。喜代美役の貫地谷さんはじめ出演者の皆さんの演技を称えてくださる方。「転勤で知り合いのいない土地に来て不安だったが番組を見て勇気が出た」「入院中の母が楽しみにしている」などなどご自分の体験を書いてくださる方も少なくありません。「大変だとは思いますが最後まで頑張ってください」などとスタッフの身体にまでお気遣いくださるメールもあったりして、時折目頭が熱くなります。

で実はその中に……気になるものがあるんですね。

まず目につくのが「視聴率を気にしないで」「うわべの数字に踊らされず今のノリで突っ走ってください」「テコ入れしないで」といった内容のもの。
どうも皆さん「ちりとてちん」を楽しみつつも、視聴率を心配してくださっているようで……。御心配かけてすみません(汗)。何か「視聴率が悪くてテコ入れされ、より悪い結果になったドラマ」に思い当たる節でもあるのでしょうか。
……何とかご心配をかけないように頑張ります。

それと意外に多いのが「完全版DVDを希望します」というもの。
あのー。まだ放送が三ヶ月ほどありますので、ぜひその前に放送を最後までご覧ください(笑)。
なおDVD化されるかどうか、そしてそれが「完全版」なのか「総集編」なのかはNHKだけの判断では決められないのです。NHKがDVDを出版するわけではないので、そのあたりは「販売会社さんがどのくらい売れると思うか」にかかっているわけです。すんません。
あと「パート2をぜひ」という方。ありがとうございます。でもその前に今放送中の番組をぜひ最後までご覧ください(笑)。

過去の朝ドラの作品名を上げてほめてくださる方も多いです。「こんなに面白いのは『芋たこ』以来です」とか「『風のハルカ』以来」「『ちゅらさん』以来」などという辺りはまあわかるのですが、「『おしん』以来です」と書かれた方がいたのにはかなりびっくり。
一番驚いたのは「こんなに面白いのは『おはなはん』以来です」……本当にうれしいのですが、あの〜、それから数十年の朝ドラはどれもお気に召さなかったのか、そっちのほうが気になってしまいました(汗)。

たくさんのお便りの中には、お返事に困るものも時々混じっています。
「このドラマは"ながら見"ができないので見ていると遅刻しそうになります。どうにかしてください」えーと……謝るべきなんでしょうか(汗)。「主人公の大阪ことばがおかしい」すんません、主人公は福井ことばです。「日曜日も放送してください」ごめんなさい、週に6日でも本当にいっぱいいっぱいです(涙)。「私の唄を主題歌に使ってください」あの〜、主題歌はありませんから……。

でも、どんな内容のお手紙でもメールでも、感想をいただけるだけでも大変ありがたいことだと思っています。普通はテレビを見ていて「今見た番組についてテレビ局に感想を書いて送ろう」と思うことってなかなかないと思うんですよ。よほど腹が立ったりよほど感動しないかぎり、わざわざ葉書に文章を書いて投函したり、パソコンを開きNHKのメールフォームまでたどりついてメールを打ったりするのって、大変な労力ですよね。その労をいとわず感想を送ってくださる方がこんなにたくさんいる、そのことにとても励まされます。
ですから感想・文句・指摘・質問、どれでも本当にうれしいです。
……もちろん、ほめてくださるとなおうれしいです(笑)。

本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!

なお、年末年始「ちりとてちん」は放送をお休みさせていただきます。年末の放送は28日(金)まで。そして年始は1月4日(金)からの放送です。特に1月4日(金)はいきなり急展開!ですので、どうぞお見逃しなく。

10回目 12/22 決定的瞬間?

ディレクター 勝田夏子

2007年6月某日。
その夜、小浜市内の某ホテルで、それは生まれた。
立ち会った関係者は小草若役の茂山宗彦氏、ロケマネージャーの吉田氏、第5週演出の私・勝田、そして関係者ではないがホテルのフロントの方が2名。
もしかするとフロントに用事のあるお客さんも若干名いたかも知れないが、定かでない。
 
「どうですか」
私がたずねると、茂山氏は
「2パターン考えました」
と立ち上がった。
「いいんですか、ここで(あちらにお部屋が…)」
私のやんわりした制止を振り切り、茂山氏は
「いいんです」
そして、その場で実演してみてくださった。

「そーこーぬーけーにー、しびれましたがな!」
「あーっ、いいですねー、それー!」

かくして、あの「底抜け」ポーズは決定した。

それは、何の壁も仕切りもないホテルのロビーで、堂々と行われたのである。
茂山氏は翌日、魚屋食堂前での友春との乱闘シーン収録を控えて、夜、小浜入りしたばかりだった。

事前に大阪で衣装合わせをした際、「最初はギャグキャラみたいに見えてますけど、案外複雑な少年期とか、そのうち明らかになっていきますんで」みたいな話をしつつ、「『底抜け』、何か面白いの考えてきてください」と下駄を預けてしまった私。
茂山さんは人間国宝の狂言師であられるお祖父様・千作氏からも「どうせやるならちゃんと流行らせろ」とお言葉をかけられたとかで、見事なポーズを考えてきてくださった。

その後のことは、皆さんご存知の通り。
茂山さんは行く先々で「底抜け、やってください」と頼まれるとか。喜ばしいかぎりである。
脚本家の藤本さんは常々「結局、茂山さんとお話しできる機会がないままここまで来ちゃったんですよねー」と残念そうにおっしゃっているが、今度そういう機会があれば藤本さんにも生「底抜け」を堪能していただきたいと思う(余計なお世話ですか、そうですか)。


さて、あの小浜の夜。
実は私も、もしものために一応一つだけポーズをスタンバイしていたのですが。

それは部屋の鏡と私だけの秘密です。

いまや、すっかりおなじみの「底抜け」ポーズ

9回目 12/6 あなたが選ぶ!糸子さん名シーン【ランク外シーン】

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさまこんにちは。「ちりとてちん」制作統括の遠藤です。

先日「スタジオパークからこんにちは」に、我らが糸子さんこと和久井映見さんが出演されましたね。そこで発表されたのが、視聴者の皆さんからの投票で選ばれた「あなたが選ぶ!糸子さん名シーンベスト10」。ご覧いただけましたか?

スタパのスタッフから企画について提案を受けたのが放送の約2週間前のこと。
早速「ちりとてちん」の公式ホームページ、携帯サイト、データ放送のスタッフが集結。すべてのメディアでこの企画への応募を呼びかけることになりました。特に今回初の試みだったのは、携帯からの応募です。スタパには携帯サイトがないので、直接携帯からは投稿ができません。そこで「ちりとて」の携帯サイトに投稿フォームを作り、いただいたメールを全てスタパチームに転送することになりました。ふたを開けてみたら携帯からの投稿が全体の半数近くあり、私たちも今さらながら携帯の普及を実感した次第です。

そしていよいよ当日。私たちもいったいどのくらいの方が応募してくださったのか、どんな結果になるのか、不安に思いつつも楽しみにしていました。

結果は「スタジオパークからこんにちは(すんません長いので以下『スタパ』で失礼)」の番組内でも紹介されましたし、現在はスタパのホームページでもその結果を読むことができます。
総得票数なんと2496票。
スタパの制作スタッフたちは睡眠不足になりながら集計したそうですが、彼らが異口同音に言うには「得票数もすごいですが、一通一通のコメントが熱いです!」。
曰く、糸子さんがどんなに素晴らしい「お母ちゃん」であるか。そのシーンで自分がどんなに感動したか。そのシーンが放送された日付と時間まで書いてくださった方。番組内で紹介されなかったたくさんのエピソードが、その一通一通に書かれていたそうです。

和久井さんも「みなさんが、糸子さんに会いたいと思って来てくださったことを強く感じた」そうで、(ふだんは物静かな方なのですが)当日は福井ことばを連発して大サービス。とても楽しいスタパになりました。

番組では10位までしか紹介されませんでしたが、せっかくですので10位以下の項目をここで紹介させてください。(10位まではスタパのHPをご覧ください。)

11位 あでやか&お茶目な花魁姿〜辻占茶屋〜
12位 毛糸のパンツ買う&値切る
13位 そば雑学を力説「忍者知らんか?」
14位 力作!そば弁当
15位 焼鯖もらうため嘘の喧嘩&卵の安売りを家族に強要
15位 破れたパッチの例え話で正太郎を説得
17位 かぶれてもお色気ムンムン
18位 初男装!〜愛宕山〜
19位 愛情たっぷり蕎麦打ち指導「四角がそんな形だったら葉書〜」
20位 モノマネ糸子「へぇへぇ私の意見は却下でございますか〜」
21位 「箸は売れたか火の用心」
21位 「お母ちゃんを倒してから行き」
23位 こっそり「底抜けに〜」
24位 勘違い言い違い「ディスプレー」は「ボブスレー」、「ブーム」は「ビーム」
24位 正太郎の病室で落語聞いて笑う
24位 悩む正典に「……がんばって」
27位 算数の問題にマジ怒り「上の子が…」
27位 小浜に帰ってきた喜代美に「あんたは大阪行って変わった」
29位 もてなしは出がらしのお茶(竹谷さんに)
30位 初登場は「ふるさと」唄いながら「伴奏もやっとるでエ」
30位 話の最中、草若にカレイの焼加減注意「手も口も動かさな母親務まらん」
30位 帰省した喜代美に和田家の状況をぽつぽつ話す姿
33位 卒業式で「仰げば尊し」唄って号泣
33位 珍品!へしこのデザート
33位 芸達者!どじょうすくい
33位 匂いでダンボール箱の中のスカート発見
33位 文化祭で三味線弾かないという喜代美に「子供の心配するのは親の仕事」
33位 落語家になるには「雨の中座り込んで」……テレビの見すぎ?
33位 喜代美の大阪生活を許したのは「……なんとなく」
33位 毛糸のパンツでバッグ作成
33位 福井ことばが似合う!
42位 マイペースな糸子さん〜草々の落語を無視して外へ〜
42位 何でも楽しむ糸子さん〜草々の落語を聞いて「えっ」を真似る〜
42位 「正典=マタギ」説に納得
42位 破れたスカートをきんちゃく袋に
42位 小草若の寿限無に喜ぶ
42位 喜代美が行方不明、かかってきた電話を真っ先にとる
42位 哀れの田中を「山田さん」
42位 愛情弁当は茶色い弁当
50位 寝床前で喜代美と会って頭ぶつける
50位 電話でエビチリの件を説明する清海に「混線してる?」
50位 喜代美の部屋の壁に釘を打って隣に抜ける
50位 喜代美を連れ戻そうとする正典に「ここは私に任せて」
50位 冷蔵庫から芽の出た玉ねぎ

項目の見出しはほとんどスタパスタッフの書いたもの。投票した側からしたら「これとこれを分けるのはなんで?」とか「それとそれを一緒にしちゃったのか」とかいろいろ思うところもあるでしょうけど、よく読んでみるとなかなか苦労の跡がしのばれますよ(笑)。短い文章だけでちゃんと「あ、あそこか!」とわかり、なおかつそこがどうして好きなのかもパッとわかるように書かれてると思います。
実はこの他にも「……のシーンの手の仕草がいい」とか「一つには選べない」とか「糸子さんの全てが素晴らしい」とかいった集計不能な投稿(笑)もたくさんあったそうです。スタパスタッフの皆さんも、「睡眠不足になりながらも楽しい集計作業だった」と言ってくださいました。ありがたいことです。

私などは、もうこのランキング表を見ているだけで感無量です。
放送開始から二ヶ月で、皆さんが思い入れてくださるシーンがこれだけあったこともうれしいですし、名シーンベスト10を紹介していったら、感動のうちに、あっという間に1時間の番組が終わってしまったということにも驚きました。なによりこんなにたくさんの方がパソコンを立ち上げ携帯を開き、わざわざ投票をしてくださったという事実に胸が熱くなります。
楽しい企画を立ち上げ、夜なべして集計してくださったスタパの皆さんに感謝。「ちりとてちん広報隊長として頑張ってきます!」とおっしゃって、苦手なトーク番組を果敢に盛り上げてくださった和久井さんに感謝。そして何より、「名シーン」に投票してくださった皆さん、本当に本当にありがとうございました。
「ちりとてちん」を多くの方々が愛してくださっているということを実感でき、ますます頑張って面白いものを作らねばという思いを新たにした一日でした!

あ、今さらですが一つだけ告白しておきます……。
2496票のうち1票は、私です(笑)。すんません!

8回目 12/3 やれますか?落語

ディレクター 桜井壮一


HPをご覧の皆さま、はじめまして。「ちりとてちん」ディレクターの桜井と申します。「ちりとてちん」では演出や演出補の仕事をしているのですが、ドラマ制作チームのディレクター達はその他にも様々な仕事を皆で分担しなければなりません。方言指導のコーディネートをする者、音楽録音のコーディネートをする者、タイトルバックを作る者、予告編を作る者などなど。様々な仕事を、通常(?)の制作・演出業務と平行して担当するのです。

 で、かくいう私。「ちりとてちん」では落語担当をしています。
 落語担当といっても何をするの?
 実際に演じるのは俳優さんだし、と思う方もいらっしゃるでしょう。まさにその通りなのですが、台本に書かれたことを俳優さんが実際に演じて映像化するまでにはかなり周到な準備が必要です。例えば落語の資料を集めたり、落語指導の林家染丸師匠と打ち合わせをして稽古スケジュールを決めて場所を取って……と稽古の段取りをしたり。そういった仕事を「ちりとてちん」チームでしているのが私なのです。
 実はもともと私は落語好きでした。夜、眠る前にベッドで落語のCDを聴くのが数少ない楽しみだったほど。そんなこともあり遠藤Pより落語担当をせよ、という指名があったのですが、最初は正直不安でした。「好き」と「仕事」ではかなり違いますし、ドラマで落語という古典芸能を取り上げるということ自体が大きな挑戦です。そもそも落語というのは基本的には話芸なので映像とは相性が良くないという印象を持っていました。喜代美ではありませんが「どねしよ〜」という気分でした。

 しかしやってみると、これが実に面白いのです。
 5月の連休明けすぐ、林家染丸師匠による初めての「落語稽古」が行われました。稽古をつけていただくのは貫地谷しほりさん、青木崇高さんのお二人。師匠は落語についての簡単な説明をした後、「じゃあとりあえず小噺でもやってみましょか」といって立ち上がり、ボードにさらさらと小噺を書き始めました。そして、それをざっと読んで聞かせると「じゃあやってみて」。えっ、今すぐですか?という感じで、貫地谷さんと青木さんは顔を見合わせますが、師匠はおかまいなしです。
 それはこんな小噺でした。

耳の遠い老夫婦の会話
爺「おい婆さん。婆さん!……聞こえんなあ、おい、婆さん」
婆「何やいなじいさん」
爺「今、表通ったんは裏の源さんと違うか」
婆「えー?」
爺「今、表通ったんは裏の源さんと違うかっちゅうねん」
婆「何言うてんねんな、今通ったんは裏の源さんやがな」
爺「ああそうか、わいまた裏の源さんかと思た」

さあ、みなさんもやってみましょう。どうぞ!

……どうですか?

 実際、やってみようとすると難しいですよね。
 やればやるほど、こんな短い話なのにほんとによく出来ていると思います。この短さの中に、落語に必要な様々な要素が含まれています。ちょっとした仕草で聞いている人が縁側に座る夫婦の姿を思い浮かべられるように、しかもそれぞれの言っていることをきちんと聞かせ、声の調子や話のリズムに気を配り、絶妙な間で聞かせないと面白くありません。
ほんとに奥が深いです。
 そして、俳優の皆さんに稽古をつける染丸師匠の様子を間近で拝見していると、普段から本当に細かいところまで神経を行き渡らせて演じておられることがよくわかります。落語家の方々がどれほど苦労して今の芸を身につけたのかが垣間見えて、厳粛な気持ちにすらなります。

 ちなみに9月に大阪で行なわれた「彦八祭り」という上方落語家のお祭りで貫地谷しほりさんが披露されたのは、この小噺でした。貫地谷さんの小噺でお客さんが笑った時には、かなり感慨深いものがありました。

 こうして自分が趣味にしていたことが仕事になるのも、ドラマ作りの面白い部分の一つ。落語担当をしたおかげでさらに落語が好きになった……と話が続くと美しいのですが、残念ながら最近は「寝る前に落語を聞く」という楽しみが失われてしまいました。今では落語を聞くと、仕事のことばかりが思い出されて眠れなくなってしまうのです(笑)。
 また落語を聞きながら眠れるようになるのは、「ちりとてちん」の撮影が終わってからということになりそうです。

林家染丸師匠による稽古風景

7回目 11/21 小道具の作り方

制作・演出 三鬼一希

HPをご覧のみなさん、こんにちは。「ちりとてちん」制作の三鬼です。
今日は、番組内でスタッフが精魂込めて作っている、小道具の制作秘話(毎回これですが) をご紹介します、ね。

えー、11月15日の放送、皆さん見ていただけましたしょうか?
で、小草若のラジオ番組のシーンあったの、覚えてらっしゃいますぅ?

このラジオ番組のシーン、時間にして1分もないのですが、スタッフが相当意気込んで(って、他のシーンもそうなんですけど)作りこんでます。

というのも、このシーンを担当する演出の井上Dが、
「なんか、さぁ、三鬼さぁ、ここラジオっぽくしたいんだよね。」
「ラジオっぽくっす、か?」
「なんか、こぉー! 番組のポスターとか、ダァーンとあってさ!」
「ポスターですか?」
「小草若は売れっ子なわけよ!・・・例えば3時間の生放送、ドォーン!みたいな。」
「さ・ん・じ・か・ん !?  なまほうそう!?」
「そぉ、あとはなんかいい感じで。三鬼、そういうの得意でしょ。やっといて。よろしく。」
「はっ、はぁー。・・・やっといて、って・・・。よろしく、って・・・。」
と、こんな感じで。
確かに「もっと恋セヨ乙女」という番組で、映画館のポスターを6週分作ったことはあります。その時、井上Dとも一緒だったんですけど。なにぶん今回は時間もなく、「どねしよぉー!」って感じで・・・。

とにかく、まずは徒然亭小草若役の茂山宗彦さんに、ことの次第を説明。ノリノリの小草若さんでしたが、
小草若「で、なにをすれば?」
私「・・・・・いや、まだ考えてません・・・・。」
小草若「あきませんやん!」
こんな状況の非常事態だったのですが、なんとか以前に別の番組で茂山さんとお仕事させていただいたよしみで、二人でポスター案を作成させていただきました。 (宗彦くん、ありがとう!)

で、この案をもとに局の廊下で(時間なかったもので・・・)小草若さんに「底抜け」ポーズを23カットも、キメてもらい、写真を撮影。そして小草若さんと慎重にセレクト。そして美術担当のスタッフにアレンジをお願いし、その後、1週間。ついに世界に4枚しかない「徒然亭小草若の底抜け底抜け色男が通る」の番組ポスターが完成したのです!!(パチパチ。それにしても4枚とは中途半端な数やったかな)

 それ以外にもラジオ局ぽくするために何枚かポスターを作成し、同時にテレビ局シーンのポスターもエキストラさんをお呼びして、作成。
多分テレビではほとんど分からないか、と思いますが、私のイチ推しポスターは「大阪ラブストーリー」というポスターで、90年代に一世を風靡した、某トレンディードラマに深ぁ〜く、オマージュを捧げたものです(笑)。

 あと、ちなみに、ラジオ局のシーンで流れてるサウンドロゴ(ジングル)は、収録当日、いきなりスタッフに言われて、小草若さんが吹き込んだものです。あしからず・・・・。

これからも、番組のすみずみまで、「底抜けに」お楽しみください。
では、また。「シー・ユー・アッ、ゲイン!!!」
(宗彦くん、ゴメン。最後パクった。)

『徒然亭小草若の 底抜け 底抜け 色男がが通る」の番組ポスター

6回目 11/14 オオギリ

制作・演出 三鬼一希

HPをご覧のみなさん、またまた初めまして。制作をしている三鬼(みき)と申します。
遠藤プロデューサー・高橋デスクの下、主にスケジュール調整の仕事をしております。
スケジュールの仕事は、台本のシーンを細かく分割して、いつどこで何を収録していくということを決めていく仕事です。が、実際は、「このシーンに喜代美ちゃんアリ→○、糸子さんもアリ→○、順子ちゃんは声だけ→声○」とかを表にしていくという、実に地味な「○付け人生」を日々おくっております。(なんかB子っぽいですか・・・)
で、このお話を延々するのも、ネガティブ色が濃くなるので、今日は、ちょっと華々しい(?)お話をしますね。

みなさん、突然ですが、事前PR「ちりとて大喜利」全9作、見ていただきました?
放送では最後の「オチ」がないものだったんですけど、このHPでは、「オチ」つきの完全バージョンで、ご覧になれますよ。
って、なんでこの話かというと、このPRを作ったのは、何を隠そう、この私なのです。(って、何も隠してないですね。)
で、今日はこの「ちりとて大喜利」(ホントは謎かけですが・・・)の誕生秘話(苦笑)を紹介します、ね。


そもそも、この企画。遠藤Pと、飲み屋での会話から生まれたもので・・・。
遠藤P「何か、こぉー、インパクトのあるPR、できないかな?」
私「インパクトっすか、いいですね。」
遠藤P「一回見たら、次が気になるような!」
私「次が気になるの、いいですね。」
遠藤P「落語っぽいのが、いいよね。」
私「落語っぽいの、いいですね!」
遠藤P「大喜利とか、どう?」
私「どっかの小屋でも借りて、パァーっと、笑点みたいの・・・いいですね!!」
遠藤P「いやいや、たくさんの人がいなくても、喜代美と誰か、で作ればいいじゃん。」
私「喜代美と誰か、なるほど、・・・・それも、いいですね。」
とこんな調子のいい会話の次の日。さっそく遠藤P直筆の画コンテが・・・。
「え? 飲み屋の席での話じゃなかったの? 遠藤さん」

ノリで安請け合いしたものの、いざ作る段になって、重大な事実に気付いてしまったのです。
それは、「ネタ」。そうです、肝心の「ネタ」が無かったのです。
私「遠藤さん、あの、実は・・・」
遠藤P「うん、何?」
私「あの、大喜利PRの件なんですけど・・・。」
遠藤P「あのコンテの感じで、どう? 1カメで、一気にダァーっと撮れるよ!(だから
     そういう方が躍動感があっていい感じで・・・・・)」
私「いや、コンテはバッチリです(ゴマスリスリ)!・・・でも・・・ネタの方が・・・。」
遠藤P「・・・おぉ! ネタかぁ!! 忘れてた!!」

と、こんな非常事態だったのですが、「捨てる神あれば拾う神あり」とはよく言ったもので、落語指導の林家染丸師匠にこの件を相談すると、ふたつ返事で協力していただいたのでした。
染丸師匠も結構、ノリノリでネタを提供していただき、またお弟子さんからもネタを提供していただきました。私も何とかネタをひねり出し(昔ちょっと「サラリーマンNEO」やってたもので・・・)、合計9本もの「オチのない」前代未聞のPRが出来てしまったわけなのです。
また、実際の収録では、喜代美ちゃん、糸子さん、正典さん、小次郎さんのノリに助けられ、ほとんど一発OK! でした。
あと、よく見るとうしろにスタッフが映っているのですが、このためにワザワザ映りに来てます(苦笑)。

そんなこんなで、完成した「ちりとて大喜利」。私としては、これが好評なら、是非とも年末年始バージョンの大喜利PRを作らせていただきたいと思っている、今日このごろでございます。
みなさまのご声援、これからも、よろしくお願いいたします。

わざわざ映りにきたスタッフ。
「母ちゃん、オレ、テレビに出たよ!」と言ったとか言わないとか…。

5回目 11/5 円周率

制作統括 遠藤理史

気づけばもう11月。前の投稿から半月あいてしまいました。「不定期」と最初にお断りはしたものの、これでは先が思いやられます……。まあ特に「更新はまだか」という声も聞きませんけど(笑)。

というわけでしばらくのご無沙汰でした、制作統括の遠藤でございます。

第5週「兄弟もと暗し」ご覧いただけましたでしょうか。傷心の喜代美が小浜へ帰るというストーリー……だったのですが、それはおいといて(<おいとくんかい!笑)土曜日に出てきた、正典役の松重豊さんが円周率をすらすらと唱える場面、ご覧になりましたか?
私はあの場面が大好きなのですが、それにしても正典さん見事なまでにスラスラとものすごい桁数を暗唱してましたよね。「もしかして松重さんは元々円周率を暗唱できて、それを聞いた脚本家がこんなセリフを書いたのだろうか」と思われた方もおられるかも。

しかし、初めてこの台本を読んだ松重さんはかなり蒼くなったそうです。
「円周率百桁って……どうやって覚えるんだ?」
その時点では、このシーンをいつ撮るのかまだ決まっていませんでした。そこで松重さん。なんとネットで円周率を百桁調べ、それを小さなメモ用紙に書き写し、持って歩くことにしたのです。
クランクインの小浜ロケの際にはすでにそのメモ用紙を財布に入れて持ち歩き、折に触れて覚えておられました。4桁ずつに分けて、少しずつ覚えて行ったそうです。

それから約一ヵ月後。ついに円周率を唱えるシーンの収録が行なわれたのですが、松重さんはまるで本当に昔から覚えていたかのようなスムーズさで円周率を暗唱。スタッフの拍手を浴びたのです。

私はこの話を聞いていたく感激し、脚本の藤本さんに「松重さん、クランクイン前から円周率を覚えて収録に臨んだんですよ。すごいですよね」という話をしたところ「そうですか……じゃあ次は何を覚えてもらおうかなあ(笑)」と切り返されました。

すんません松重さん……もし次の台本でフランス語の詩を暗唱する場面が出てきてしまったらそれは私のせいです(大汗)。

「3.14159265358979323846・・・・・・」
松重さん、感激です(涙)。

4回目 10/16 小浜に行ってきました!

デスク 高橋 練

HPをご覧の皆様、初めまして。遠藤プロデューサーと一緒に番組の制作を担当してる、デスクの高橋です。これまで遠藤Pの独壇場と化していたこのコーナーですが、今後少しづつ他のスタッフも加わりますので、よろしくお願いします!

実は10月7日に我々は、小浜市に行ってきました。これはヒロイン・貫地谷しほりさんと少女時代を演じた桑島真里乃ちゃんのW(ダブル)喜代美・トークショーという、ある意味“とても豪華なイベント”が催されたためです。6月のロケ以来、4ヶ月ぶりの小浜。そして放送が始まって以来、初の小浜、ということでドキドキしながらたどり着いた我々ですが・・・。

うわー、なんでこんなに人がたくさんいるんだ!?
当日のトークショーの会場は、黒山の人だかり!

大勢のみなさんがトークショーに来てくださいました!

会場の外の道路も県外ナンバーの車がたくさん走り、プチ渋滞が起きていて、お昼ご飯を食べようにも、食堂がどこも満員で入れない。遠藤Pいわく「今まで何度も小浜にきているが、こんなに人がいるのは初めて見た・・・」
これが我々「ちりとてちん」の力なら、こんなに嬉しいことはないのですが、はたして真相はどうなのか?今度じっくり小浜市観光交流課に聞いてみます。

さて肝心のトークショーは、福井局の藤崎アナウンサーの司会の下、W喜代美が大いに盛り上げてくれました。数々の秘話の中から一部紹介しますと、

○1週目の桑島真里乃ちゃんが、落語のテープを聴いて思わず吹き出すシーンを撮影したときのこと。とても自然に笑う芝居をしていた真里乃ちゃんだが、実際には落語の音はまったく出ていなくて、すべて自分のタイミングで演技していたのです。

○撮影の合間も仲の良い和田家の人々。しほりちゃんを中心に休憩になったのも忘れて、そのままおしゃべりが続いてしまうことも。松重さんと真里乃ちゃんは、ボックス(というダンスわかります?)をして遊んでいたそうです。

○米倉斉加年さんは画面では気むずかしそうに見えますが、実はとてもユーモアのある人でした。撮影の合間にたまたま見つけた自分の遺影に向かって、なんと手を合わせて拝んでいたそうです(ちなみに真里乃ちゃんとも1度ボックスをしたとか)。

左から、藤崎アナウンサー、桑島真里乃ちゃん、貫地谷しほりさん。

などなど、話は尽きませんでした。会場に来られた方も、放送を1日に二度見てくれている方が多数で、三度見てくれている方も何人もいらっしゃいました・・・。
(ちなみにBS-2 7:30、HV 7:45、総合 8:15、さらに総合 12:45、BS-2 19:30と合わせて1日に最高5回まで見ることができます)

3回目 10/9 「シャミセンガールズ」

制作統括 遠藤理史

こんにちは。プロデューサーの遠藤です。
第2週「身から出た鯖(さば)」ご覧いただいてますか?

いきなりですけどこのサブタイトルも間違えやすいですよね(笑)。「鯖(さば)」と「錆(さび)」って音だけじゃなく字まで似てるということにこのタイトルを見て初めて気づいた方もおられるのでは。因みに私はこれ見て初めて気づきました(笑)。

さて第二週の中で、学園祭で喜代美の同級生たちが三味線を弾く場面があります。実はその三味線、何と出演者の方々が吹き替えなしで実際に弾いているのです。おおー、すご〜い!
……って私が先に言ったらダメですよね(笑)

ドラマの中で三味線を弾くのは、和田清海役の佐藤めぐみさん、順子役の宮嶋麻衣さん、そしてクラスメート役の和田はるかさん、村上佳子さん、中井飛香さんの5人。因みにスタッフの間ではこのユニットは「三味線ガールズ」と呼ばれていました。なにやら「スウィングガールズ」に似てますが偶然です……偶然ですってば(笑)。

彼女たちは、このドラマのために収録の一か月以上前から三味線を練習し始めました。5人ともそれまで三味線の経験はなくゼロからのスタートでしたので、当初は私たちも「収録までに音に合わせて弾くふりができるようになれば御の字か」くらいに考えていました。
しかし彼女たちはものすごく熱心に稽古を繰り返し、想定外(?)に上達。その様子を見ていたスタッフが「もしかして、本人たちの演奏をそのまま使った方が臨場感があってよいのではないか」と考えたのです。三味線を指導してくださっていたお師匠さんにお尋ねしたところ、「ぜひそうしてください。私もそうお願いしようと思っていたところです」と仰るではありませんか。

しかし、本人たちの演奏を使うとなれば特訓は一層厳しいものにせざるを得ません。でもそれを聞いた「三味線ガールズ」の面々は、むしろ大喜びでさらなる特訓に挑みました。

本番直前まで練習を重ねる三味線ガールズ。

そして迎えた福井県小浜でのロケ当日。
撮影が始まるまでの待ち時間も彼女たちはひたすら三味線の特訓!
なんというプロ根性でしょう。三味線を教えてくださったお師匠さんも「あのコたちは凄いわ」と感心することしきりです。
いよいよ本番。実際に大勢の観客の前で弾くのですから緊張するだろうと思いきや、佐藤めぐみさんが堂々と「この日のために頑張って練習してきました!」と皆さんに宣言。落ち着いて、この場面にふさわしい見事な演奏を披露し、エキストラの皆さんの大拍手を浴びました。
その頑張りの結果は、ぜひ放送でお確かめください!

ようやく本番を終え、ほっと笑顔の三味線ガールズ。

2回目 10/3 「間違えやすい名前」

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。
連続テレビ小説「ちりとてちん」プロデューサーの遠藤です。

時々、「朝の連続テレビ小説」と言われるのですが番組名は「連続テレビ小説」でして、「朝の」はつきません。よく「朝ドラ」と呼ばれるので混同されることが多いようですが、「朝ドラ」は通称であって番組名は「連続テレビ小説」なんです。たまにNHKのスタッフまで間違えてることがあるのでその度に「“朝の”はつかないです!」と訂正して回っております…。
なので、ここでもう一度念を押させてください。「朝の」はつきません!(笑)。

そして時々「ちんとんしゃん」とか「とんからりん」とか言われますけど、「ちりとてちん」です!これまた時々NHK局内ですら間違われたりします(涙)。
時には「なんでそんな覚えづらいタイトルにしたんだ」と怒られたりします……。

というわけで連続テレビ小説「ちりとてちん」。いよいよ10月1日から放送が始まりました。ご覧いただけましたでしょうか?ご覧いただけた方は気に入っていただけましたか?ここまでこの文章を読みに来てくださった方は、きっと気に入ってくださったのでしょう!(ということにしておきまして……)

……ありがとうございます!お一人お一人にお礼を言いに回りたいほどですが、本当にそれをやったら次の「瞳」が始まってしまいそう(笑)ですので、ここにこっそりと書くだけにしておきます。すみません。

第一週「笑う門(かど)には福井来(きた)る」をご覧いただいた方は、きっと主人公・喜代美を演じる桑島真里乃(くわじま・まりの)さんの演技が印象に残ったのではないでしょうか。
東京出身の真里乃さん、難しい福井ことばもなんのその。ロケ現場では彼女の迫真の演技に地元エキストラの方々がもらい泣きし、それを見た大人の俳優さんたちも「桑島には負けられない」と気合いを入れなおしたというほど。将来が楽しみな女優さんです。

そう言えば真里乃さんも、時々「真『理』乃」さんと間違えて名前を書かれます。
その度に彼女が「真里乃の『里』の字が違います」と訂正して回っています。
実は私たちも最初間違えてまして……。すんません真里乃さん。

間違えられる辛さはよくわかってるはずなのに(汗)。
どうかみなさま、このドラマのタイトルをお間違えのなきよう……「ちりとてちん」です(笑)。

福井・小浜でのロケ風景です。

1回目 9/22 「間もなく放送開始です!」

制作統括 遠藤理史

ホームページをご覧のみなさま、こんにちは。
連続テレビ小説「ちりとてちん」プロデューサーの遠藤です。

10月1日(月 )、ようやく「ちりとてちん」の放送が始まります!
テレビをご覧になる皆さんからすれば“ようやく”でも何でもないのですが、6月の小浜ロケからずっと撮影を続けている我々からすれば、「ようやく皆さんに見ていただける」という気持ちで一杯なのです。

どんなドラマでも、いやどんなテレビ番組でも、完成して放送されるまでには様々なハプニング・紆余曲折があります。何度も挫けそうになりながらも、スタッフやキャストや協力してくださった大勢の人たちの熱い思いに支えられてそれを乗り越え、番組は完成に漕ぎつけるのです。
もちろん、それは見てくださる方々には関係のないこと。「すごく苦労して作ったので見てください」というのは制作者としてかなりカッコ悪いですよね。だから本当なら「鼻唄うたってたらできちゃいました!気楽にご覧くださーい」とか書くべきなのでしょう。

でも。たった今はとてもそんな気持ちになれません。大声で「頑張りました!」と叫びたい気持ちです。手前味噌な文章で申し訳ないのですが、本当に面白いドラマができました!
脚本が実に面白い。音楽も最高に素敵。そして、出演してくださった皆さんが全員素晴らしいお芝居を見せてくださり、最高のスタッフたちが全身全霊でそれを盛り上げてくれています。

見てくだされば、絶対に損はさせません。どうかこれから半年、よろしくお付き合いいただきますよう宜しくお願いいたします。


P.S.
これからこちらに、我々制作スタッフが交代で制作時の裏話などを書かせていただこうと思っています。毎週!…と言いたいところですが早晩挫折しそう(汗)ですので、不定期に時々…ということでどうかお許しを。皆様も温かい目で見守っていただければ幸いです。

職場のデスクです。数時間不在にすると伝言メモで大変なことに