2008年04月07日
神戸のタンク山
前回の続き。
大阪へ来たついでに、神戸にも行ってきました。
人生初の神戸は、チョコレート階段!タンク山!友が丘中学校!
そう。酒鬼薔薇聖斗事件のあった、アノ場所へと足を踏み入れてきました。
私は、この日を!この日を!あの事件の日以来、どれほど待ちわびていたことか。
最寄り駅へ降りると、地方へ来たという感じがまったくしないほど都会的でビックリ。バスへ乗って、まずは友が丘中学校へレッツゴー!

何度もテレビに映っていた校門は、壁が塗り替えられ、事件で見た印象とはだいぶ違うものになっていた。
もちろん撮影。住民や学校関係者に見つかったら怒られるかな?と心配していたが、以外にも地域住民は事件のことに敏感ではないらしく、気付いていないようだった。何度も前を横切る人がいたが、気を遣って、シャッターを押すまで立ち止まってくれる人がいるほどだった。
そして例のタンク山へと向かう。

この辺は本当にのどかだった。幸福感がとにかく漂っている。
閑静な住宅街そのもので、大型犬が庭で遊んでいたり、老人が木々を見ながら散歩していたり、中学生が自転車でビュンとかけぬけたりして、とにかく目に映るもの全てが健康的で健全。
ここでアノ事件が起きたことが怖いのだ、ということを始めて実感した。
いかにも危ない街で殺人事件が起こるのではなく、まったく事件とは無縁の雰囲気の中で起きたわけだ、そのことを知ってゾっとした。
タンク山を撮影していると、さすがにここは警戒してか、見回りにくる人がいた。カメラを堂々と構え、町並みのほうへ。
遠くの山と、連なる屋根。綺麗な風景写真。
撮影を終え、駅へと戻る。
その道すがら、ふと気がついた。
街全体が新しい。道路も公園も学校も全部新しい。古い建物が一つもない。汚いものが何一つない。文化や歴史を感じない。
街自体が新しい、という場所を私は初めて見た。
事件が起きたとき、何度もそのことを指摘されていたけれど、これは実際にこの場所へいかないと実感できないことであった。
どんなに、のどかな場所に見えても、それは作られた「のどかさ」。
そんな場所で起きた事件。酒鬼薔薇聖斗事件を、また新しい視点で感じることができた。
「学童に注意」酒鬼薔薇事件のあった場所だと思うと別の意味で考えなくもない。

団地のどこに誰が住んでいるか、全部記されていた。

大阪へ来たついでに、神戸にも行ってきました。
人生初の神戸は、チョコレート階段!タンク山!友が丘中学校!
そう。酒鬼薔薇聖斗事件のあった、アノ場所へと足を踏み入れてきました。
私は、この日を!この日を!あの事件の日以来、どれほど待ちわびていたことか。
最寄り駅へ降りると、地方へ来たという感じがまったくしないほど都会的でビックリ。バスへ乗って、まずは友が丘中学校へレッツゴー!
何度もテレビに映っていた校門は、壁が塗り替えられ、事件で見た印象とはだいぶ違うものになっていた。
もちろん撮影。住民や学校関係者に見つかったら怒られるかな?と心配していたが、以外にも地域住民は事件のことに敏感ではないらしく、気付いていないようだった。何度も前を横切る人がいたが、気を遣って、シャッターを押すまで立ち止まってくれる人がいるほどだった。
そして例のタンク山へと向かう。
この辺は本当にのどかだった。幸福感がとにかく漂っている。
閑静な住宅街そのもので、大型犬が庭で遊んでいたり、老人が木々を見ながら散歩していたり、中学生が自転車でビュンとかけぬけたりして、とにかく目に映るもの全てが健康的で健全。
ここでアノ事件が起きたことが怖いのだ、ということを始めて実感した。
いかにも危ない街で殺人事件が起こるのではなく、まったく事件とは無縁の雰囲気の中で起きたわけだ、そのことを知ってゾっとした。
タンク山を撮影していると、さすがにここは警戒してか、見回りにくる人がいた。カメラを堂々と構え、町並みのほうへ。
遠くの山と、連なる屋根。綺麗な風景写真。
撮影を終え、駅へと戻る。
その道すがら、ふと気がついた。
街全体が新しい。道路も公園も学校も全部新しい。古い建物が一つもない。汚いものが何一つない。文化や歴史を感じない。
街自体が新しい、という場所を私は初めて見た。
事件が起きたとき、何度もそのことを指摘されていたけれど、これは実際にこの場所へいかないと実感できないことであった。
どんなに、のどかな場所に見えても、それは作られた「のどかさ」。
そんな場所で起きた事件。酒鬼薔薇聖斗事件を、また新しい視点で感じることができた。
「学童に注意」酒鬼薔薇事件のあった場所だと思うと別の意味で考えなくもない。
団地のどこに誰が住んでいるか、全部記されていた。
飛田新地
前回の続き。
あいりん地区の次は、飛田新地へ向かうこととなった。
飛田新地は、いわゆるチョンの間で、江戸時代の建築物そのままで今も遊郭のような営業をしているらしい。ただしカメラを持ってウロウロしていると、何をされるかわからない。らしい。

というわけで、またも車で徘徊。
ここはすごかった!とにかくすごかった!
噂には聞いていたけど、噂どおりすごかった!
車の中でもう絶叫!すごい!すごい!すごい!この光景を見ただけで、自分の脳がワンランクアップした気持ちになった。昨日までの自分よ、さようなら。君は世の中のことを何も知らなかったね。そんな感じ。
まさに時代劇でみる遊郭のように、立ち並ぶ一軒家の玄関で女の子がドレスアップし、ピンクの照明を浴びて手招きしているのだ。隣にはオバチャンがいて、大げさに手招きをしている。
うーーーーん!まさに売春!

吉原がものすごく小っぽけでつまらないものに見えた。
これこそが売春だよ!
しかも女の子が能動的に手招きするというところに、ワケあり感があってよい。
事情があって売られてきました、みたいな切なさと一生懸命さがあって胸がキュンとするのだ。
古い木造建築と、あからさまにライトアップされた玄関。招き猫や造花。その安っぽいインテリアがなんとも切なく物悲しい。
しかもどの家も、本当に時代を感じる良い建物なんだ。それが何十件も立ち並んでるんだから、すごいったらない。
しかも女の子たちがみんな可愛い。着ているドレスも、ピンクとか黄色とか黄緑とか、「春を売る」そのもの。中にはもちろん熟女系もいるけれど、それはそれで一興。いい味出しているのだ。
今日ほど女に生まれてきたことを後悔する日はない。
この家の中を覗きたかった。女の子たちの身の上話を聞きたかった・・・!!
ちなみに飛田新地の入り口付近にある焼肉屋「一斗」は美味しかったです。飛田新地に行った際は、ぜひ寄ってみてください。
その後、松島新地という同じようなチョンの間へも行きましたが、ここもまるっきり同じようなノリの場所でした。どっちもお勧めです。
大阪はすごいなあ。東京なんかより全然、文化がキョーレツ!!
あいりん地区の次は、飛田新地へ向かうこととなった。
飛田新地は、いわゆるチョンの間で、江戸時代の建築物そのままで今も遊郭のような営業をしているらしい。ただしカメラを持ってウロウロしていると、何をされるかわからない。らしい。
というわけで、またも車で徘徊。
ここはすごかった!とにかくすごかった!
噂には聞いていたけど、噂どおりすごかった!
車の中でもう絶叫!すごい!すごい!すごい!この光景を見ただけで、自分の脳がワンランクアップした気持ちになった。昨日までの自分よ、さようなら。君は世の中のことを何も知らなかったね。そんな感じ。
まさに時代劇でみる遊郭のように、立ち並ぶ一軒家の玄関で女の子がドレスアップし、ピンクの照明を浴びて手招きしているのだ。隣にはオバチャンがいて、大げさに手招きをしている。
うーーーーん!まさに売春!
吉原がものすごく小っぽけでつまらないものに見えた。
これこそが売春だよ!
しかも女の子が能動的に手招きするというところに、ワケあり感があってよい。
事情があって売られてきました、みたいな切なさと一生懸命さがあって胸がキュンとするのだ。
古い木造建築と、あからさまにライトアップされた玄関。招き猫や造花。その安っぽいインテリアがなんとも切なく物悲しい。
しかもどの家も、本当に時代を感じる良い建物なんだ。それが何十件も立ち並んでるんだから、すごいったらない。
しかも女の子たちがみんな可愛い。着ているドレスも、ピンクとか黄色とか黄緑とか、「春を売る」そのもの。中にはもちろん熟女系もいるけれど、それはそれで一興。いい味出しているのだ。
今日ほど女に生まれてきたことを後悔する日はない。
この家の中を覗きたかった。女の子たちの身の上話を聞きたかった・・・!!
ちなみに飛田新地の入り口付近にある焼肉屋「一斗」は美味しかったです。飛田新地に行った際は、ぜひ寄ってみてください。
その後、松島新地という同じようなチョンの間へも行きましたが、ここもまるっきり同じようなノリの場所でした。どっちもお勧めです。
大阪はすごいなあ。東京なんかより全然、文化がキョーレツ!!
あいりん地区
行ってきました、大阪ニコンサロン。
新鋭たちの写真空間ユーナ21「倫理社会」大阪バージョンです!
新鋭!新鋭!新鋭!
グループ展となる大阪では、4人の新鋭が一緒に展示をすることになります。
うち、大阪まで搬入のためにやってきたのは3人。
新鋭その1、
AV女優の元彼女の写真を展示した25歳・男。
曰く、「俺のことは、YASUって呼んで」
新鋭その2、
モノクロで動物や子供の写真を展示した31歳・男。
それから私。
大阪までのこのこやってきたメンバー3人です。
連泊予定の私は、大阪に行ったら行きたい場所をプリントアウトしていました。
その一つが「あいりん地区」。日本最大のドヤ街で、日雇い労働者たちが大勢徘徊している場所です。もちろん女一人でなど絶対に歩けない危険な場所。
そこへ行くのだ、と新鋭二人に豪語すると
「あ、そこ俺も行こうと思ってた」
「俺も」
とのこと。
新鋭の考えてることはみんな同じだった。
というわけで、展示作業が終わると新鋭3人は、大阪名物の串かつを食べ、
あいりん地区へと出かけた。
夜7時ごろのあいりん地区。
駅前はいたって普通。
「普通じゃ〜ん」なんて言っていいながら奥へズンズン進んで行くと、どんどんと雲行きが怪しくなってきた。怖いおじさんがいっぱいいる。
怖いもの知らずを装ってたYASUが、ボソリとつぶやいた。
「ここはカメラ出したら危ないね」
ビビるYASUを見てさらにビビった私は、小さいコンパクトデジカメをしまった。
できれば無難に生きていきたい。
道を歩いていると、遠くのほうで、日雇い労働者然としたおじさんたちが協会の前にたむろしていた。
「なんだろう?」
「神父の声でも聞いてるのかな?」
「ラジオでも流れてるんじゃない?」
手前を横切ると、おじさんたちが観ていたのは協会の前のテレビだった。流れていたのは「みなしごハッチ」。
ほほう。
さらに奥へと進むと、犬が現れた。

いかにも大きくて、犬らしい犬が街を徘徊している。
愛玩犬以外の犬を私は久々に見た。
野性的な匂いをプンプンさせた犬たちは(写真の犬はまだ可愛いほう)茶色いというか、赤いというか、いつでも食用犬になりそうな実用性を感じさせる。
しかし私達の前では番犬のようだった。
「喰われる!」
そんな危機感を抱いた。
気付けば新鋭たち3人は、ひたすら無言で早歩きしている。そう、我々は怖いのだ。
さきほどから目の前を横切るおじさんたちが。
なぜかはわからない。
ただ「これはマズイところに来てしまった!」
という直感だけは敏感に働くのだ。
ないはずの霊感が湧き上がっていた。

-足を止めるな-
-声をかけられたら最後だ-
そんな心の声が聞こえてくる。
気付けば、女・子供は一人も歩いていない。
東京の山谷なんて可愛いものだ、と初めて思った。
あいりん地区にいる日雇い労働者たちは、格好は汚くても目はギラギラしている。ものすごい生命力を感じるのだ。
その中にも絵に描いたような廃人が混ざっていたりして、両者が違和感なく溶け込んでいる。
ここは日本である、ということを忘れそうになる。
あいりん地区の真ん中に警察署があった。
「よかった!警察も一応あるんだね。安全じゃん」
と思ったのも付かぬ間。よく見ると普通の警察署とはなんだか違う。
建物の周りが高い壁でがっちりガードされている。
分厚い壁の向こうには、何台ものパトカーが止まっている。
警察署はあっても、警察は一人も歩いていない。
街のど真ん中にあるにもかかわらず、警察と住民とはまったく別の世界で仕切られているのだ。
スーパーが見えた。
表には本日の特売品が書かれている。
「シュークリーム 1円」
「こんにゃく 1円」
物価も違うようだ。
好奇心で
「中に入ろうぜ!」
「惣菜コーナーをチェックしよう!」
と入り口で話していたら、おじさんに「おう、入ってけ」といわれた。
なぜかビクっとした。
店内がまたすごい。目が痛くなるほどのレインボーカラーの内装。天井にはお魚の形をしたカラフルな照明がいくつも並んでいる。
その煌びやかさと、日雇い労働者たちとのコントラストが絶妙だった。
人は暗い気持ちになると、明るいものに近づきたくなるものなのだろうか。
外にはいくつものホテルが立ち並ぶ。
宿泊費は1000円、2000円が平均で、中には100円代のものまである。
建物のしなびた感じと反比例するように、ホテル名が「フレンド」「なかよし」といった幸福感たっぷりなネーミング。
そこがまた、恐怖感を引き立てる。
新鋭たち3人は、ただひたすらに早足で街をかけ抜けた。
駅に着く。ほっとする。
「すごかった」
「何事もなくてよかった」
「とにかくここを離れよう」
新鋭たちは完全にビビっていた。
しかし、この日の3人は、本当のあいりん地区を見ていなかったのである。
それを後日、思い知らされるのであーる。

実は今回、WEBスナイパーの編集長Iさんと一緒に大阪へ来ていた私なのであった。Iさんもたまたま大阪で仕事があり、ついでだから日程を合わせて、大阪でも一緒に仕事しましょう、となっていたのだ。
というわけでお互いの時間が空いたところで、レンタカーに乗り、再びあいりん地区へ。車での移動なら怖いものはない!
辿り着いたのは、とある細い路地。
そこは前回、新鋭YASUが
「ここの路地は入る勇気ない、やめておこう」
と言った場所だ。
車でゆっくりと入る。
見えたのは、公園だった。
公園といいつつ遊具は一つもない。おまけに入り口がどこかもわからない。大量のテントが密集し、青いビニールシートが敷き詰められ住宅街のようになっている。
なんともいえない、重々しさ。
1年や2年で出来たとは思えない地に根付いた空気。
たとえどんなに強い人と一緒にいようとも、歩いて中に入ることは無理だろう。
絶対に無理だろう。
そう思った。
観光客がやすやすと入れるような場所ではない。
じとっとした緊張感がよぎる。
簡単には感想など出てこない。
とにかくすごかったのです。
東京でホームレスは見慣れているけれど、ここはそんなものとはまったく違う。
ちゃんと街になっていて、人が暮らしている。
誰が何かしたところで変わることはない。そんな物々しさがある。
この公園を見なければ、そのことに気付かなかっただろうと思った。
さて、ちょこっと、あいりん地区を見てきただけで、こんなに簡単に感想を書いていいものだろうかと思ってしまう。それぐらいすごかった。
表面的に見ただけで、きっと私は本当に表面しか知らないんだろう。
新鋭たちの写真空間ユーナ21「倫理社会」大阪バージョンです!
新鋭!新鋭!新鋭!
グループ展となる大阪では、4人の新鋭が一緒に展示をすることになります。
うち、大阪まで搬入のためにやってきたのは3人。
新鋭その1、
AV女優の元彼女の写真を展示した25歳・男。
曰く、「俺のことは、YASUって呼んで」
新鋭その2、
モノクロで動物や子供の写真を展示した31歳・男。
それから私。
大阪までのこのこやってきたメンバー3人です。
連泊予定の私は、大阪に行ったら行きたい場所をプリントアウトしていました。
その一つが「あいりん地区」。日本最大のドヤ街で、日雇い労働者たちが大勢徘徊している場所です。もちろん女一人でなど絶対に歩けない危険な場所。
そこへ行くのだ、と新鋭二人に豪語すると
「あ、そこ俺も行こうと思ってた」
「俺も」
とのこと。
新鋭の考えてることはみんな同じだった。
というわけで、展示作業が終わると新鋭3人は、大阪名物の串かつを食べ、
あいりん地区へと出かけた。
夜7時ごろのあいりん地区。
駅前はいたって普通。
「普通じゃ〜ん」なんて言っていいながら奥へズンズン進んで行くと、どんどんと雲行きが怪しくなってきた。怖いおじさんがいっぱいいる。
怖いもの知らずを装ってたYASUが、ボソリとつぶやいた。
「ここはカメラ出したら危ないね」
ビビるYASUを見てさらにビビった私は、小さいコンパクトデジカメをしまった。
できれば無難に生きていきたい。
道を歩いていると、遠くのほうで、日雇い労働者然としたおじさんたちが協会の前にたむろしていた。
「なんだろう?」
「神父の声でも聞いてるのかな?」
「ラジオでも流れてるんじゃない?」
手前を横切ると、おじさんたちが観ていたのは協会の前のテレビだった。流れていたのは「みなしごハッチ」。
ほほう。
さらに奥へと進むと、犬が現れた。
いかにも大きくて、犬らしい犬が街を徘徊している。
愛玩犬以外の犬を私は久々に見た。
野性的な匂いをプンプンさせた犬たちは(写真の犬はまだ可愛いほう)茶色いというか、赤いというか、いつでも食用犬になりそうな実用性を感じさせる。
しかし私達の前では番犬のようだった。
「喰われる!」
そんな危機感を抱いた。
気付けば新鋭たち3人は、ひたすら無言で早歩きしている。そう、我々は怖いのだ。
さきほどから目の前を横切るおじさんたちが。
なぜかはわからない。
ただ「これはマズイところに来てしまった!」
という直感だけは敏感に働くのだ。
ないはずの霊感が湧き上がっていた。
-足を止めるな-
-声をかけられたら最後だ-
そんな心の声が聞こえてくる。
気付けば、女・子供は一人も歩いていない。
東京の山谷なんて可愛いものだ、と初めて思った。
あいりん地区にいる日雇い労働者たちは、格好は汚くても目はギラギラしている。ものすごい生命力を感じるのだ。
その中にも絵に描いたような廃人が混ざっていたりして、両者が違和感なく溶け込んでいる。
ここは日本である、ということを忘れそうになる。
あいりん地区の真ん中に警察署があった。
「よかった!警察も一応あるんだね。安全じゃん」
と思ったのも付かぬ間。よく見ると普通の警察署とはなんだか違う。
建物の周りが高い壁でがっちりガードされている。
分厚い壁の向こうには、何台ものパトカーが止まっている。
警察署はあっても、警察は一人も歩いていない。
街のど真ん中にあるにもかかわらず、警察と住民とはまったく別の世界で仕切られているのだ。
スーパーが見えた。
表には本日の特売品が書かれている。
「シュークリーム 1円」
「こんにゃく 1円」
物価も違うようだ。
好奇心で
「中に入ろうぜ!」
「惣菜コーナーをチェックしよう!」
と入り口で話していたら、おじさんに「おう、入ってけ」といわれた。
なぜかビクっとした。
店内がまたすごい。目が痛くなるほどのレインボーカラーの内装。天井にはお魚の形をしたカラフルな照明がいくつも並んでいる。
その煌びやかさと、日雇い労働者たちとのコントラストが絶妙だった。
人は暗い気持ちになると、明るいものに近づきたくなるものなのだろうか。
外にはいくつものホテルが立ち並ぶ。
宿泊費は1000円、2000円が平均で、中には100円代のものまである。
建物のしなびた感じと反比例するように、ホテル名が「フレンド」「なかよし」といった幸福感たっぷりなネーミング。
そこがまた、恐怖感を引き立てる。
新鋭たち3人は、ただひたすらに早足で街をかけ抜けた。
駅に着く。ほっとする。
「すごかった」
「何事もなくてよかった」
「とにかくここを離れよう」
新鋭たちは完全にビビっていた。
しかし、この日の3人は、本当のあいりん地区を見ていなかったのである。
それを後日、思い知らされるのであーる。
実は今回、WEBスナイパーの編集長Iさんと一緒に大阪へ来ていた私なのであった。Iさんもたまたま大阪で仕事があり、ついでだから日程を合わせて、大阪でも一緒に仕事しましょう、となっていたのだ。
というわけでお互いの時間が空いたところで、レンタカーに乗り、再びあいりん地区へ。車での移動なら怖いものはない!
辿り着いたのは、とある細い路地。
そこは前回、新鋭YASUが
「ここの路地は入る勇気ない、やめておこう」
と言った場所だ。
車でゆっくりと入る。
見えたのは、公園だった。
公園といいつつ遊具は一つもない。おまけに入り口がどこかもわからない。大量のテントが密集し、青いビニールシートが敷き詰められ住宅街のようになっている。
なんともいえない、重々しさ。
1年や2年で出来たとは思えない地に根付いた空気。
たとえどんなに強い人と一緒にいようとも、歩いて中に入ることは無理だろう。
絶対に無理だろう。
そう思った。
観光客がやすやすと入れるような場所ではない。
じとっとした緊張感がよぎる。
簡単には感想など出てこない。
とにかくすごかったのです。
東京でホームレスは見慣れているけれど、ここはそんなものとはまったく違う。
ちゃんと街になっていて、人が暮らしている。
誰が何かしたところで変わることはない。そんな物々しさがある。
この公園を見なければ、そのことに気付かなかっただろうと思った。
さて、ちょこっと、あいりん地区を見てきただけで、こんなに簡単に感想を書いていいものだろうかと思ってしまう。それぐらいすごかった。
表面的に見ただけで、きっと私は本当に表面しか知らないんだろう。
2008年03月31日
大阪ニコンサロン始まりますよ!!
大阪ニコンサロンでの写真展が始まります!!
私は2日に大阪へ行き、初日の3日はなるべく会場にいようと思います。そのまま4日、5日まで大阪にはいますが、会場に顔を出せるかどうかはわかりません。
大阪にはいると思うので、携帯番号など知っている方は、ご一報いただければ会いにいけると思います。ご連絡よろしく!
■大阪 2008年4月3日〜4月8日 10:00-18:00(毎週水曜日休館)
場所:大阪ニコンサロン(大阪市北区梅田2-5-2新サンケイビル1階 ニコンプラザ大阪内)
※グループ展のため、東京での展示から少し枚数を減らします。
私は2日に大阪へ行き、初日の3日はなるべく会場にいようと思います。そのまま4日、5日まで大阪にはいますが、会場に顔を出せるかどうかはわかりません。
大阪にはいると思うので、携帯番号など知っている方は、ご一報いただければ会いにいけると思います。ご連絡よろしく!
■大阪 2008年4月3日〜4月8日 10:00-18:00(毎週水曜日休館)
場所:大阪ニコンサロン(大阪市北区梅田2-5-2新サンケイビル1階 ニコンプラザ大阪内)
※グループ展のため、東京での展示から少し枚数を減らします。
2008年03月04日
近況報告
さて、今日もセルフポートレートから。

ステレオタイプな中野区民の姿です。
それはさておき先日、電車に乗ったところ、またも素敵な広告を見つけました。
「東京から自殺を減らそう!」

ストレートだなあ…。
「みんなで いのち を大切に」って書いてるのに、「東京都から」とハッキリ付け加える大胆さ。他県はどーでもいいのである。
これを電車で走らせるって行為が、社会風刺っぽくてとてもいい。このポスター欲しいなあ。
そして、上野で見かけた自転車撤去のお知らせの札。

一見普通なのだけど、よ〜く見ると・・・

「移送」の左下に、「する。」と書いてあるじゃないか!!!!
なにこの控えめな断言。自信がないなら言わないほうがいいよ。
外も暖かくなり、コンパクトカメラを瞬時に取り出しやすい季節になりました。
ステレオタイプな中野区民の姿です。
それはさておき先日、電車に乗ったところ、またも素敵な広告を見つけました。
「東京から自殺を減らそう!」
ストレートだなあ…。
「みんなで いのち を大切に」って書いてるのに、「東京都から」とハッキリ付け加える大胆さ。他県はどーでもいいのである。
これを電車で走らせるって行為が、社会風刺っぽくてとてもいい。このポスター欲しいなあ。
そして、上野で見かけた自転車撤去のお知らせの札。
一見普通なのだけど、よ〜く見ると・・・
「移送」の左下に、「する。」と書いてあるじゃないか!!!!
なにこの控えめな断言。自信がないなら言わないほうがいいよ。
外も暖かくなり、コンパクトカメラを瞬時に取り出しやすい季節になりました。
2008年02月28日
周辺の話し。
久々のセルフポートレート。おっ可愛いじゃん
左横に写ってるのは、今月号の月刊宝島。
「性の漂流者たち」というページで、ニューハーフの写真を撮ったのが私です。文章は本橋信宏さん。買ってください。
さて先日、中野ブロードウェイに行ったところ、階段の踊り場で面白いポスターを見つけました。小学生の書いた「落書き禁止」がテーマのポスターなんだけど、
その中に会田誠の現代美術みたいな作品が混ざっていたので紹介します。
例えばこれ。
なんか、ものすごい絶望感を感じるよね。八百屋のおじちゃんの背中に。
両隣の店には一切落書きがないんだから、こりゃショックだわ。
恨まれてるんだろうなあ。
それはいいとして、
……これ。
「『落書き』それは、やっていいことなのか?
悪いと思ったら自分からすぐやめよう!」
この子は、「落書き禁止」と聞いて、机の落書きをイメージしたのでしょう。これを中野ブロードウェイの階段の踊り場に掲示するというのがなんとも。
しかも机の絵は妙にリアルなのに、文字だけ鉛筆で薄く書くというアンバランスさに、思考回路の特異性を感じます。この子は思春期に入る頃に、「自分は人と違うのではないか」と悩んだりするんだろうなあ。
中野にはよくこういった小学生の書いたポスターが貼ってあって、ときたま面白いものを見かけるのです。
ガード下に「麻薬撲滅」のポスターが貼ってあったときは、意味深な男女の絵とともに「私の人生を返して!」というコピーがあり、なんだか不倫を連想させました。
ついでに、新宿西口によく貼ってある黄色い紙の「カラテ教室」のチラシも、なかなか魅力的です。
随分前は、これが確か「イジメ・リストラ・痴漢に負けるな」みたいなコピーだったのですが、ついこの前見たらコピーが現代風なものに変わっていました。
「メタボ・ストレス・格差社会に負けるな」カラテ教室
写真では見えませんが、上の方にはさらに「弱者、女性」歓迎とまで書いてあります。
どんだけ斜め目線なんだよ!
ここまで言われると、どんどんカラテがダサイものに見えてくるから不思議です。(逆効果じゃん!)
さて、広告ついでに、ショッキングな電車の中吊り広告も。
生命保険の広告かな?
どうよ、この赤ちゃん。
しかも、ここに書いてある言葉がショック!!
眉間に皺を寄せた赤ん坊にこんなこと言われたら、立ち直れないよね。
こんなのが、車両全部をジャックしてたんだから、そりゃもう怖かったです。
2008年01月05日
こもちゃんと一般参賀
正月の二日は、「一般参賀に行ってみたい」という、こもちゃんと一緒に皇居へ。
彼女は現在、左寄りの会社に勤めているらしい。
会社といいながら社長というポジションはなく、みんな平等らしい。
どんな些細なことでも皆の意見を聞いて決めるそうな。
休日は、黙っているといつの間にかデモの参加メンバーにされてるとか。(ちなみに、こもちゃんは左ではない)
さてそんな、こもちゃんを皇居へ放り込む。
こもちゃんは地声がでかい。
並んでいる中で「こういうとこには左翼来ないのかなー」と話し出すと、4〜5人が振り向いてビビる。
ボディチェックと荷物検査を受けると、なんと警察官から衝撃の言葉が!!
「ペットボトルは中に持ち込めません。今、ここで飲み干してください」
ガーーーン。致し方ない。皇居で午後の紅茶を一気飲み。あちこちでそのような姿が見受けられる。良い絵だ。
今年の一般参賀は快晴だったせいか人数が多く、旗を振るタイミングもつかめず、いつの間にか始まり、突然終わった感じた。
出口までの坂道を下るのにも、人が多すぎて時間がかかるかかる。
「なんでこんな急な坂なんだろうねー」と、地声のでかいこもちゃんが呟くと、
斜め向かいにいたおじさんが、「城はね、どこも急な坂になってるの。敵に進入されたら困るでしょ、だから上がってきづらいように坂になってるの」と、まくしたてられる。勉強になります。
その後、靖国神社へ。
屋台でご飯を食べていると、斜め後ろに知り合いの某右翼団体の方が!あまり話をしたことがない方だったので緊張し、黙って立ち去る。(申し訳ないです)
神社の奥のほうへ進むと、その途中で何人かこれまた知り合いの方を見かける。
そのうち、某議長から電話が。
「今日、来てるんだってー?皆いるから飲もうよー」
すっかりばれていた。こもちゃんと一緒に参加。
全員スーツなのに、私達二人だけどーしよーもない私服。すみません。
「この子は今、左寄りの会社にいるんですよー」と、こもちゃんを紹介。
「えー?どこどこ?なんの会社?」と突っ込まれると、
「キャ〜やめてよもお〜」
何を照れているんだ。
「会社じゃなくて団体ですぅ〜」
ますますそれっぽい。
最近、裁判を終えて出てきたばかりの青年を指して、某氏が
「こいつはテロリストだから気をつけろ」というと、
「え〜、なんでそんなことしたんですかあ?」と、ストレートな質問を投げかけるこもちゃん。
「やりたかったからですよ」
「うそー!またまたそんなこと言っちゃって〜」
…おいおい、こもちゃん。
合流した中の、某団体の方たちは美人が多くて驚く。
「どうして右翼になったんですか?」と興味津々のこもちゃん。
見た目は美人ギャルなのに、とても丁寧に答えてくれて、二人で感銘を受ける。
それに引き換え、私達の礼儀のなさときたら…。すみません。
実は、皇居ではしゃぎすぎて、皇宮警察に注意を受けてきました。
そんなことは露にも見せず、真人間のふりをしようとするも、ダメ人間っぷりが表に出てしまう。
こもちゃんは、「右翼の人たちは礼儀正しい!」と感動していた。
その後二人で新宿のレストランへ。
ダラダラと今年の抱負を語るでもなく喋る。
それから私は帰宅し、こもちゃんは左寄りの職場へと出勤した。
彼女は現在、左寄りの会社に勤めているらしい。
会社といいながら社長というポジションはなく、みんな平等らしい。
どんな些細なことでも皆の意見を聞いて決めるそうな。
休日は、黙っているといつの間にかデモの参加メンバーにされてるとか。(ちなみに、こもちゃんは左ではない)
さてそんな、こもちゃんを皇居へ放り込む。
こもちゃんは地声がでかい。
並んでいる中で「こういうとこには左翼来ないのかなー」と話し出すと、4〜5人が振り向いてビビる。
ボディチェックと荷物検査を受けると、なんと警察官から衝撃の言葉が!!
「ペットボトルは中に持ち込めません。今、ここで飲み干してください」
ガーーーン。致し方ない。皇居で午後の紅茶を一気飲み。あちこちでそのような姿が見受けられる。良い絵だ。
今年の一般参賀は快晴だったせいか人数が多く、旗を振るタイミングもつかめず、いつの間にか始まり、突然終わった感じた。
出口までの坂道を下るのにも、人が多すぎて時間がかかるかかる。
「なんでこんな急な坂なんだろうねー」と、地声のでかいこもちゃんが呟くと、
斜め向かいにいたおじさんが、「城はね、どこも急な坂になってるの。敵に進入されたら困るでしょ、だから上がってきづらいように坂になってるの」と、まくしたてられる。勉強になります。
その後、靖国神社へ。
屋台でご飯を食べていると、斜め後ろに知り合いの某右翼団体の方が!あまり話をしたことがない方だったので緊張し、黙って立ち去る。(申し訳ないです)
神社の奥のほうへ進むと、その途中で何人かこれまた知り合いの方を見かける。
そのうち、某議長から電話が。
「今日、来てるんだってー?皆いるから飲もうよー」
すっかりばれていた。こもちゃんと一緒に参加。
全員スーツなのに、私達二人だけどーしよーもない私服。すみません。
「この子は今、左寄りの会社にいるんですよー」と、こもちゃんを紹介。
「えー?どこどこ?なんの会社?」と突っ込まれると、
「キャ〜やめてよもお〜」
何を照れているんだ。
「会社じゃなくて団体ですぅ〜」
ますますそれっぽい。
最近、裁判を終えて出てきたばかりの青年を指して、某氏が
「こいつはテロリストだから気をつけろ」というと、
「え〜、なんでそんなことしたんですかあ?」と、ストレートな質問を投げかけるこもちゃん。
「やりたかったからですよ」
「うそー!またまたそんなこと言っちゃって〜」
…おいおい、こもちゃん。
合流した中の、某団体の方たちは美人が多くて驚く。
「どうして右翼になったんですか?」と興味津々のこもちゃん。
見た目は美人ギャルなのに、とても丁寧に答えてくれて、二人で感銘を受ける。
それに引き換え、私達の礼儀のなさときたら…。すみません。
実は、皇居ではしゃぎすぎて、皇宮警察に注意を受けてきました。
そんなことは露にも見せず、真人間のふりをしようとするも、ダメ人間っぷりが表に出てしまう。
こもちゃんは、「右翼の人たちは礼儀正しい!」と感動していた。
その後二人で新宿のレストランへ。
ダラダラと今年の抱負を語るでもなく喋る。
それから私は帰宅し、こもちゃんは左寄りの職場へと出勤した。
恥さらし動画
明けましておめでとうございます。
皆様、今年も宜しくお願いします。
早速、宣伝を。
というか、WEBスナイパーでアップされてる私と長野の帝王のビデオレター全3回です。あは。きゃは。
http://sniper.jp/008sniper/0089movie/post_654.php
http://sniper.jp/008sniper/0089movie/post_656.php
http://sniper.jp/008sniper/0089movie/post_657.php
ポイントは二人のテンションの違いでしょうか。
あと私の目線の泳いでる感じとか、目が死んでる感じとか、自分の行いを恥じてる感じとか、でしょうか。
売ってるものはプライバシーです。たぶん。
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ポイントは二人のテンションの違いでしょうか。
あと私の目線の泳いでる感じとか、目が死んでる感じとか、自分の行いを恥じてる感じとか、でしょうか。
売ってるものはプライバシーです。たぶん。
2007年12月31日
長野の帝王とコラボ
11月19日の日記で、長野の帝王を紹介しましたが、
なんとコラボレーションしますよ。
私と長野の帝王でお互いビデオを交換し、質疑応答するというものと、
実写「桃太郎」を合作しました。動画計3ファイルです。
WEBスナイパー、正月スペシャルにて
1月2、3、4と一日一つアップされます。(22:00に更新)
自信作は「桃太郎」かなあ。
かなりシュールな作品になってます。
正月、ネット見てるという方、是非ご覧下さい。
ちなみに、スナイパーのサイトなのに、まったくSMでも、エロでもありません。
どーだまいったか!!
http://sniper.jp/index.php
なんとコラボレーションしますよ。
私と長野の帝王でお互いビデオを交換し、質疑応答するというものと、
実写「桃太郎」を合作しました。動画計3ファイルです。
WEBスナイパー、正月スペシャルにて
1月2、3、4と一日一つアップされます。(22:00に更新)
自信作は「桃太郎」かなあ。
かなりシュールな作品になってます。
正月、ネット見てるという方、是非ご覧下さい。
ちなみに、スナイパーのサイトなのに、まったくSMでも、エロでもありません。
どーだまいったか!!
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