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韓国大統領が胡錦濤国家主席と会談 「戦略的パートナーシップ」に格上げで一致 (1/2ページ)
【北京=矢板明夫】韓国の李明博(イミヨンバク)大統領は27日、中国を訪問するため北京に到着、人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談した。両首脳は中韓関係を現在の「全面的パートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致。李大統領は8月の北京五輪開会式に出席することを承諾し、胡主席は今年後半に韓国を訪問することを約束した。
両首脳は経済交流の拡大や北朝鮮の核問題などについても意見を交換した。
会談で合意された「戦略的パートナーシップ」は両国にとって、一つの外交成果といえる。中韓関係はこれまで経済分野を中心としていたが、「戦略的」との言葉を入れたことで、外交や安全保障も含めた未来志向の包括的なものに拡大するとの意味が込められ、盧武鉉(ノムヒヨン)前政権と比べて両国関係が一歩前進したといえる。
李大統領は今回の訪問で、「中国軽視」との中国側の懸念を払拭(ふっしょく)するほか、中国との関係を強化したとの外交実績を作ることで、低迷している支持率を浮揚させたい思惑がある。
また、李大統領が就任以来、北朝鮮に対して示してきた強硬姿勢が反発を招き、現在は北朝鮮との対話チャンネルがほとんど閉ざされてしまっている。李大統領には、中国政府に北朝鮮への影響力を行使してもらい、対北関係の突破口を見つけたいとの狙いもあると指摘される。
一方、中国は3月のチベット騒乱以後、人権問題で欧米諸国から批判を受け、外交面で孤立している。4月末にソウルで行われた聖火リレーで、中国人留学生らが暴力行為を働いたことから、韓国世論も中国批判を強めた。これを受けて中国世論も韓国に反発、若者を中心に国民感情の対立が深まっている。チベット騒乱の負のイメージを早く払拭し、安定した周辺環境の中で五輪を開催したい中国は、この訪問を機に対韓関係を改善したい思惑がある。