【ソウル25日小出浩樹】李明博(イミョンバク)韓国大統領は27日、中国を訪問し、胡錦濤国家主席との初めての首脳会談に臨む。韓国メディアによると、李大統領は1992年の中韓国交正常化から続く友好関係を、安全保障面を含めた「戦略的パートナーシップ」に格上げするよう提唱する方針。李政権に反発する北朝鮮との、中国経由の外交チャンネルを確保する場ともなる。
李大統領にとっては2月の就任後、米国、日本に続く外国訪問。6月にも予定するロシア訪問と合わせた「四大国外交」の一環と位置付けている。
韓国の最大貿易相手国は中国(2007年調べ)。しかし、盧武鉉前政権時代に悪化した対米関係の修復を重視するあまり、李政権は「中国を軽視しているとみられる懸念もあった」(大統領府)とされている。今回は、金大中政権の「協力パートナー」、盧武鉉政権の「全面的協力パートナー」という関係に、「戦略的」という表現を加え、経済だけでなく安保外交面を含んだ関係に昇格させることを目指している。
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は早ければ6月にも再開される見通しだが、初めて李政権として臨む韓国に対し、北朝鮮がどのような対応をするかは未知数。李大統領は「核放棄なくして経済支援なし」の対北政策を掲げており、同協議議長国である中国と、共通認識を持てるかどうかが焦点となる。
李大統領は30日まで中国に滞在。27日の首脳会談に続き29日には北京大学で講演するほか、温家宝首相らと相次いで会談する予定。
=2008/05/26付 西日本新聞朝刊=