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康生「平常心」で逆転五輪切符つかむ

 金のラインの入ったネクタイを締めて会見に登場した井上康生=東京・講道館

 北京五輪柔道男子100キロ超級の代表最終選考会を兼ねた全日本選手権(29日、日本武道館)を翌日に控えた28日、有力選手が東京・講道館で会見した。最長でも、現役は北京までと決めているアテネ五輪100キロ級金メダリストの井上康生(29)=綜合警備保障=は、逆転切符に向けて全力で臨むと力強く宣言。6日の全日本選抜体重別選手権を制した勢いをぶつけ、柔道人生のすべてを出し切る。

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 いよいよ決戦の日を迎えた。五輪切符がかかる最後の全日本。北京の夢が一時遠のいた時から、開き直った井上に怖いものはない。「やるべきことはやった。腹のくくりが高まってきた」。気負いのない、穏やかな口調で決意を明かした。

 会見には“金”のラインが入ったネクタイで臨んだ。棟田康幸(警視庁)を追う石井慧(国士大)も“勝利の色”を選んでいた。心境を見透かされ?「特に…」と照れた康生だが「鋭いな〜」とニヤリ。「“暗い色より、明るい色の方をして行け”と妻(=亜希さん)に言われるんで」と、にこやかにうなずいた。

 周囲も空前の盛り上がりを見せている。所属の綜合警備保障からは過去最大級となる130人の応援団が陣取る予定。会社で110枚のチケットを確保していたが、希望者が多く、追加で手配したという。

 高校3年生で初めて出場し、01年から3連覇した全日本も、11回目の今回がラスト。「記録は13回(=増地克之氏)?ケガがなければタイ記録で、抜かそうかなとも思った。一回でも多く立てるのは幸せなこと」。過去の大会で勝った映像も目に焼き付けた。

 順当なら、準決勝で連覇を狙う鈴木桂治(平成管財)と対戦。そして代表争いで一歩リードする棟田を、決勝での直接対決で倒したいところだ。「全日本も勝つと信じてやりたい」。“有終の美”で北京切符-。もう一度、うれし涙を流したい。






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