康生逆転代表へ「明日が楽しみ」
- 会見する手前から井上康生、石井慧、棟田康幸、鈴木桂治
柔道男子100キロ超級の井上康生(29=綜合警備保障)が、29日の全日本選手権(日本武道館)で逆転五輪切符を目指す。同大会の選手説明会が行われた28日、井上は引退をかけて最後の大舞台に上がると明言。柔道人生のすべてを出し切って、4度目の優勝を狙う。同級の五輪代表は大会終了後の強化委員会で決定。棟田康幸(27)石井慧(21)に後れを取る井上だが、全日本選抜体重別に続く優勝で奇跡を起こす。
「やれるべきことは、すべてやった。明日(29日)は全力を出して戦うだけです」。井上は険しい表情を変えずに言った。「前日になって緊張感も出てきた。気持ちも高まってきた。本当に厳しい戦いになる」。自分自身に言い聞かせるように、一気に口にした。
涙の体重別Vで、棟田、石井との五輪代表争いに残った。「体重別に勝って、自信がついた」。確かに同じように棟田と並んだ体重別前の会見より、顔つきは穏やかだった。3連覇(01~03年)したころの全日本のビデオを見て、勝つイメージもできている。「明日が楽しみ」とも言った。
11回目の出場だが、今回が最後の全日本になる。既に北京五輪後の引退を決意。代表を逃せばこれが最後の大舞台だ。「決めた以上は、もう戻って来られない。(五輪を逃せば)これが最後になるという現実もあるが、やるしかない」と、悲壮な決意も見せた。
優勝すれば五輪切符獲得の可能性も出てくる。「考えていない」と目の前の試合に集中したが、優勝が五輪につながることは分かっている。だからこそ「(五輪は)試合後に、ついてくるもの」と表現した。過去五輪年の全日本覇者は、全員が五輪出場。厳しい状況に変わりはないが、データには後押しされている。
この日は、金色の入った明るい配色のネクタイで登場した。「明るい色で行きなさい、と妻(タレント東原亜希)が言うもので」と照れた。もちろん「勝って北京へ」という願いは感じている。体重別優勝後は周囲から五輪出場を期待する声もかかるが「一切、気にしないようにしています」。既に入場券は完売。例年を上回る約250人の報道陣が見守る中、すべての雑音を封じ、雑念を捨てて試合に集中する。それが3度目の五輪、北京に通じる唯一の道であることを信じて。【荻島弘一】
[2008年4月29日8時57分 紙面から]
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