落語家の目から見て、一門会での皆さんの落語はすごく新鮮でしたね。例えば新しい噺(はなし)をやる時、私はどうしても米朝師匠や枝雀師匠の落語の枠を出られないけれど、共演者のみなさんはどの噺をやる時ものびのびとされていて…。特にムネ(青木崇高さん)が演じる草々の落語を見ていると、「そんなに心許してお客さんに笑ってええんや」と思うくらい、もう「えへへへ」みたいな感じで笑ってたんですよ!それを見てドキッとしました。落語家の目線で考えると「お客はお客、こっちはこっちで冷静な自分を置いておかなあかん」という意識が働いてしまうんですけど、「私もお客さんにこれくらい心を許して笑いたいなぁ」って思ったんですね。ほかにも、「あぁ、こんなところで間をとっても成立するんや」と気づいたり、「ココはこんな表情で言っても非常におもしろいんやなぁ」と分かったりと、落語会に限らず毎日発見があります。ですから「もっと落語を自由に考えて自分なりにやってもいいのじゃないか」と自分自身の落語観も新しくなるような気がしています。
また、ムネとも話していたんですが、第7週を通して見たとき「ぼくらの見ていないところで茂山(宗彦)さん、ほんとうに頑張っているなぁ〜」と感心しました。ご覧になって小草若の高座にジーンとさせられた方も多いんと違いますか?