福井・若狭クランクインロケ リポート2

のど自慢と走る列車

クランクインロケの10日目に撮影されたのは、喜代美が大阪へ旅立つシーン。のど自慢会場で十八番(おはこ)の『ふるさと』を歌いながら喜代美の乗った列車を見送る糸子と、列車からお母ちゃんの姿を見て号泣する喜代美。第2週のクライマックスシーンでした。
 撮影はのど自慢会場となった長井浜と喜代美が乗る列車、2つの現場で同時進行。長井浜には、200人以上の地元の方がエキストラとして集まり、朝から夕方まで行われた撮影に参加してくださいました。糸子を演じる和久井(映見)さんは撮影がスタートする前に「今日はよろしくお願いします」と観客に扮した地元の方々にごあいさつ。その後、何度も何度も『ふるさと』を歌い続けました。
 一方、貫地谷さんは小浜駅から20分ほどの距離を列車で何度も往復することに。撮影に使われた列車は、ドラマの設定と同じ1992年当時、実際に走っていたものだということ。撮影のため、JR小浜線に特別ダイヤを編成していただき、何年ぶりかの復活を果たしました。ロケ現場には、ひと目列車を見ようと駆けつけた鉄道ファンの姿も。また、地元の方の中には「子ども時代にこの列車に乗っていたのよ」と懐かしがる方もいらっしゃいました。
 のど自慢会場となった長井浜では、列車が通り過ぎるタイミングに合わせて、和久井さんが歌のサビの部分を熱唱。ステージと列車の距離は一番近づく瞬間で約100メートルということで、和久井さんは列車に乗る貫地谷さんの表情をはっきり見ることができます。また、列車内の貫地谷さんにも和久井さんの表情や声が届いていました。遠ざかっていくお互いの姿に感極まったお芝居を見せる2人。のど自慢会場でこの様子を見守っていたエキストラの方が思わずもらい泣きする姿も見られました。
 貫地谷さんは、クランクイン以来、初めてのシリアスなシーンに前日から少し緊張気味だったとのこと。重要なシーンを前に監督と何度も話し合い、撮影に臨んだということでした。そんなシーンは、今週土曜日の放送。みなさんも喜代美の旅立ちに、つい涙を誘われるかもしれません。