プロジェクト始動へ  

3月4日、非婚シンマ仲間のEさんと、弁護士さんのところに相談に行ってきました。

相談の前に、少しは情報を集めておかねば、と前日から大学図書館とネットで、寡婦控除に関連した判例が出てないか、探してみたのですが・・・少ないですねー。

事実婚離婚に寡婦控除は適用されるか、というのが争点になった事例がひとつだけ。(2007年2月26日裁決)、同じ裁決の詳しい記事はこちら

寡婦控除そのものではないですが、事実婚で配偶者控除が認められるか、またその子に対する扶養控除が認められるか、が争点になった事例もありました(別冊ジュリスト178、2005年10月)。こちらはネットでは探せなかったのですが、最高裁まで争って、2007年に判決が出ています。最高裁までやるくらいだから、運動系の人かもしれないですね。

結果だけからいうと、所得税法では「配偶者」についての定義規定をおいていないので、配偶者といえば民法の規定によることになる、つまり婚姻の届けをしたものを配偶者としている。なので事実婚の配偶者は配偶者控除の対象とはならない、というわけです。

またその子どもに対しては、認知をすれば父子関係が生じるので、民法上の親族として扶養控除の対象として認められる。この人は、事実婚の妻が産んだ子が2歳のときに認知した。民法上は、認知によって、出生時にさかのぼって法的な父子関係があったと認められる。しかし所得税法においては、基準日(毎年12月31日)をもうけて、その日の「現況」を規準に扶養親族に該当するかどうかを決めることになっているので、認知以前にさかのぼってをて扶養控除の対象とすることはできない・・・。

事実婚離婚も非婚も寡婦控除の対象に、というのは、税法の範囲だけで争ったのでは、結局「民法上の規定による」、というところに逃げられてしまうので、難しそうです。

そんなことを弁護士さんと話し合い、いろいろ教えていただきました。壁は厚そうだけど、同じシングルマザーなのに寡婦控除がついたりつかなかったり、というのはやっぱりおかしい、というのは事実。
児童扶養手当が認知後も支給されるよう改正されたのと同じように、あちこちから申し立てやら提訴をして、世論を作っていくことかな、と思います。

今後の考えられる方針としては、

① 寡婦控除がつけられないのは不当、と訴訟を起こす。結果はわかっているけど、裁決のプロセスで問題を訴えていけるかも。
→訴訟起こすには、税務署から「処分」というのを受けないとダメなのよね~。今年初めて「離婚」にしるし付けて過少申告したんですけど、税務署さーん、私に「処分」くださーい(笑)。

② 日弁連に、人権救済申し立てを行う。
→どういう手続きなのか、このケースで受け付けてもらえるのか、研究しまーす。

③ フェミニスト議員さんに、所得控除の問題のひとつとして、国会で質問してもらう。

皆さま、どうぞご意見くださいませ!

# by aquiyo_yama | 2008-03-05 13:02 | Trackback | Comments(9)

お悩み一般に関しては  

「非婚シングルマザーにも寡婦控除を」プロジェクト(仮称)は、これから始動の予定です。
非婚シンマも、堂々と寡婦控除がつけられる日はきっと来るはず。だって、ないという今の現実のほうがおかしいのだから。でも、それまでの手続きには、何年もかかるかも・・・。どうかご支援をよろしく!

非婚シンマのお仲間、これからなる予定の方、or なろうかな~と思案中の方など、非婚マザーのお悩み一般に関しては、「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ」のホームページへどうぞ。

# by aquiyo_yama | 2008-02-22 00:11 | Trackback | Comments(0)

非婚シングルマザーに寡婦控除を! ブログ開設!  

ようこそ、「非婚シングルマザーに寡婦控除を!」ブログへ。

私は、結婚せずに子どもをひとりで育てているたくさんのシングルマザーの中のひとりです。
私の場合、複数の事業所から給与所得を得ているので、確定申告をするわけですが、申告書を書きながら、「控除」の欄に来ると、いつも割り切れない思いになるんです。

「寡婦(寡夫)控除」の欄には、選択肢が「死別・離婚・生死不明・未帰還」しかない。
離婚して子どもをひとりで育てているシングルマザーなら、控除は27万円、所得が500万円以下なら35万円の控除がつけられる。これは大きいです。
私も離婚女性も、ひとりで子育てしている、という条件はまったく同じ。なんで「非婚」の選択肢がないの? >税務署さん!

選択肢の「未帰還」(「生死不明」とは違うの?)とか、時代がかった言葉が残った寡婦(寡夫)控除の欄は、昭和時代で時間が止まったままみたいです。いまの時代、結婚によらずに母親になって、自分で子どもを養っている女性は、わずかずつとはいえ、確実に増えているのに。

ちなみに、離婚・死別を条件とした控除ですが、一度でも離婚や死別をしていれば、そのあとで結婚せずにシングルマザーになった場合には、なんの問題なく「寡婦控除」がつけられるんですね。知り合いのなかには、そういう人がけっこう多いです。

寡婦控除の差別を、「正しい家族を守るため」「結婚せずに子どもを産むような女へのペナルティー」のように言う人もいますが、意味のないことです。実際には結婚せずに子どもを産んでいても、寡婦控除をつけられるケースもあるわけですから。単に、「結婚せずに子どもを産んで自分で養う女性」、なんて存在すら想定できなかった時代に制度がつくられ、それが時代の変化に合わせて修正されずに今まで来てしまっただけ、と私は考えます。

制度が改正されてこなかったのは、それを「修正しろ!」と訴える人がいなかったから、なのでしょう。得をしている人・関係のない人たちがわざわざそんなことを言い出すわけはないので、損をしている当事者の非婚シングルマザーが言い出さなくちゃいけない。しんどいですが。

そんなわけで、「非婚シングルマザーに寡婦控除を!」
このブログで仲間や賛同者と情報交換しつつ、控除差別の修正を求めていこうと思います。

ブログに来てくださった方々、どうぞコメント残していってくださいませ。
ただし、内容によっては管理人の判断で断りなく削除させていただくこともあります。

# by aquiyo_yama | 2008-02-21 16:27 | Trackback | Comments(4)

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