インタビュー 和田喜代美役 貫地谷しほりさん

最近は役と自分の境目が分からなくなってきたかも(笑)。

---喜代美を演じ始めて4か月が経ちましたね

クランクインした当初と気分はあまり変わっていないんですよ。でも、最近は役と自分の境目が分からなくなってきたかも(笑)。もともと似ているところが多いので、余計にそうなっている気もしますね。撮影自体は、今のところ余裕を持って進められているのですが、最近、すごいことに気づいて…。何かと言うと、喜代美のセリフがヒロインにしては少ないということなんですよ!不器用なキャラクターなので、周りがしゃべってくれるパターンが多くて(苦笑)。たまに、せきを切ったように話し出すことはありますが、普段はのんびりしているので、今の余裕はもしかしたら、そのせいかもしれないですね。

---喜代美とはもともと似ているということですが、具体的には…?

基本的にはプラス思考で突き進んでいくのに、土壇場になって突然マイナス思考になってしまうところ。それから、私の家族と和田一家はすごく似ているんですよ(笑)。あんな面白い家族ってなかなかいないと思われるかもしれないですが、私の家族は本当にあんな雰囲気なんです!うちの父は松重(豊)さんに顔が似ているし、母も糸子さんっぽい性格をしていて、おばあちゃんも結構ユニーク。これ、ホントです。

---ドラマ上で家族を演じる皆さんとはどう過ごしていますか?

毎日、家族のシーンが面白くて、面白くて。皆さん、役のキャラクターに負けないくらい楽しい方たちばかりなんです。撮影の合間には、私からいろいろなお題を出して…例えば「スーパーモデルのポーズ対決」とか…みんなでコントのようなことをして笑い転げています。変なお題を出しても、皆さんかなりノリノリで参加してくださって、松重さんも和久井さんもちゃ〜んと付き合ってくださるので、私も弾けさせてもらっています。

---登場するキャラクターは相当個性的ですよね。

そうなんです!多分、喜代美が一番普通ですよ(笑)。まともなことを言ってるのって、意外と喜代美だということが多いし。最近は周囲のキャラが濃すぎて「喜代美が埋もれてしまう」と不安になることが…(苦笑)。負けないように個性を発揮しなくてはいけませんね!
 それにしても、『ちりとてちん』は台本がすごく面白くて、読み出すとただの読者になって楽しんでしまうんですよね。あんまり面白いので、ちゃんと台本のすばらしさを表現できているか、心配になるほどです。これまでにないヒロインのキャラクターと周囲の濃〜い登場人物にぜひご注目ください!!

---落語家を目指すという役どころ。落語のお稽古は順調ですか?

落語は、お稽古を始めたばかりです。その前に三味線のお稽古をしなくてはならなくて…。これが難しかったんですよ。私と清海役の佐藤めぐみちゃん、順子役の宮嶋麻衣ちゃんの3人で一緒にお稽古していたのですが、私だけ上達が遅かったので、私も喜代美に似て不器用なのかな?と思いました。
 落語と三味線だけではなく、今回は方言も初挑戦だったんですよ。私は東京出身なので、小浜ことばも大阪ことばもイントネーションが難しくて。そのつど、指導の方に教えていただきながらお芝居をしていたのですが、話している途中でも、本当に正しい発音ができているのか不安になりっぱなしでした(苦笑)。

---ドラマの魅力、今後の抱負を教えてください。

今週から放送スタートということで、みなさんは今、第一週をご覧になっているんですよね。実は私、第1週を見て泣いちゃったんです。特に金曜日と土曜日のお話が泣けた!少女時代の喜代美を演じる(桑島)真里乃ちゃんがすごくすてきでした。かわいかったなぁ。
 ドラマの魅力は何と言っても登場人物の濃いキャラクターじゃないでしょうか。喜代美は、いわゆる“へたれ”キャラですが、徐々に夢を見つけ、そこに向かって進んでいきますので、そんな喜代美を面白く、楽しく演じていきたいと思います。みなさん、半年間、応援よろしくお願いします。