市民マラソンの自転車版といったところだろう。「首都圏初の長距離サイクリング大会」と銘打った二千人規模のイベントに、知人に誘われ参加した。
東京を流れる荒川の河川敷の自転車道が舞台だ。河口から往復八十キロのコースで、十キロごとに折り返しポイントが設けられ、自分の体力に合わせて走る距離を決めることができる。途中の休憩も自由だ。
借り物のスポーツタイプの自転車で出発し、初夏の風を感じながら時速二十キロ前後で走った。草野球やサッカーに興じる人々がいて、季節の花が咲く。テレビドラマ「3年B組金八先生」のロケ地となった土手もある。
自転車は街中で乗るだけの素人だ。日ごろの運動不足や不摂生もあって不安は大きかったが、少し余力も持って往復四十キロを楽しんだ。
地球温暖化対策などから自転車の役割が見直されて愛好家が増える中、自転車の市民参加型イベントが盛んになるのは自然な成り行きだろう。サイクリング道の整備も社会的要請になるのではないか。
その際、川や湖、海に沿った「水辺」は好都合だ。今回のコースも川沿いのため、都市部の長距離区間でも交差点や信号がなくて済むし、景色がいい。実際、岡山市の旭川などにサイクリング道が一部できている。自転車は水辺と相性がよいことに気づく。