毎年恒例というか、何度も見ているのだがついつい見てしまう「火垂るの墓」。
この作品ホントに泣けます。
「ジブリらしくない」、だとか「暗すぎて見る価値が無い」だとかジブリファン的には賛否両論の作品ではあるが、僕は名作だと思います。
確かにエンディングは悲しすぎますけど、戦争ですべてがハッピーになる事はまず無い。
映画の良さを明るい、暗いで決められては、作る側はどうしようもできないですよね。
映像作品は色々な事を伝える事のできるものです。
暗い内容だからこそ、人々に伝られる事もあるのではないでしょうか。
実際、誰もがハッピーになる作品には夢はあってもリアルが無いですから。
「二度と繰り返してはいけない戦争」を描く事は誰かがやらなければなりませんからね。
そして肝心の内容ですが、なんと言っても、絵がいいです。
そんなに泣かせたいのか?というほど、表情がよく描かれており、キャラの感情がはっきりと伝わってきます。
この絵を書いている人、つまり作画監督は近藤喜文という方です。
はて?どなた?
と、思う方はかなりの数いると思うのですが、この人物凄い人なんです。
「もののけ姫」「魔女の宅急便」等、宮崎駿作品の多くで作画をしているといえばそのすごさがわかると思います。
ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫氏も
「日本というより世界で指折りのアニメーター」
というほどの実力の持ち主なのです。
うまい絵をかける人はいるが、人に絵で感じさせられる人はそうはいない。
近藤さんの描く絵は人の心を揺さぶる絵を描くと僕は思ってるのですが、火垂るの墓の作画もとても感情が溢れ出るようですばらしかとです。
ちなみに、多くの人が宮崎駿監督作品だと思っている「耳をすませば」は、実は近藤喜文さんが監督をしておるのです。
そんな彼は、1998年に47歳という若さで亡くなっています。
彼の絵がもう二度と見れないと思うと少し寂しいですね。
最近のジブリ作品の絵のタッチが変わったのもそれが原因の一つかもしれませんね。
火垂るの墓を見たことがないという人はまずいないと思いますが、もし見てなかったら是非見てください。