木本投手(日高中津)に
プロ12球団のスカウト集結

プロ12球団が注目する日高中津・木本投手

 春季近畿地区高校野球県大会でもベスト4に進出した日高中津のエース・木本幸広投手(17)=180センチ、65キロ・右投左打=に、プロ野球スカウトが注目し、同大会に全12球団のスカウトが集結。ある球団のスカウトは「関西では3本の指に入る逸材で将来性が楽しみ」と話し、今秋のドラフト会議では、分校4人目のプロ選手誕生に注目が集まりそうだ。

 日高中津の春季県大会初戦となった県和商戦のバックネット裏には、スピードガンを手にしたプロ野球12球団のスカウトが集結した。そのスカウトが送る熱い視線の先には日高中津の背番号1を背負いマウンドに立つ木本がいた。
 スカウトと多くのスポーツ紙記者が見守る中での投球にも臆せず、木本は3安打、7奪三振で完封をやってのけた。日高中津・細峪規良監督が「夏の県大会以外ではこんな経験はしたことがない」と話したように、試合後のベンチ裏にはスポーツ紙の記者が殺到し、細峪監督と木本を取り囲んだ。
 プロのスカウトが木本に注目したのは昨年の春。打撃を買われて左翼手のポジションをつかんだ2年生に、中日、横浜、千葉ロッテ、楽天が調査に訪れた。昨夏の選手権大会和歌山大会で公式戦初のマウンドに上がると、23回連続無失点の投球で今度は投手としてスカウトが大注目し、12球団の大半が木本のもとに足を運んだ。
 スカウトらはMAX141キロの直球とスライダー、カーブ、チェンジアップの変化球だけでなく、非凡な野球選手を高く評価。7月の選手権和歌山大会を勝ち抜き、分校悲願の夏の甲子園出場ともなればさらに注目は高まり、今秋のドラフト会議では高校生の上位で指名されることもありそうだ。
 和歌山市の河北中学出身で、中学時代は硬式野球・和歌山黒潮で活躍。本人もプロ志願で強い意欲をみせている。細峪監督は「今まで見た投手の中では群を抜いている。走者を置いた時の投球術など野球センスが高く評価されており、野手としても注目されているほど」と話している。
 木本がプロ入りとなれば、同校卒では元西武ライオンズの垣内哲也選手(日高川町出身)、芝崎和広投手(御坊市出身)、千原淳弘投手(由良町出身)に次いで4人目。日高地方出身以外では初めてとなる。