レジームチェンジ反対

2008年05月17日

人間

http://teagon.seesaa.net/article/39546347.html

わたしはたとえば
わたし自身の口で「アパ壺」などと評し、散々こき下ろした人物が
いったん身を引いて

そこで立ち止まり、沈黙し、思いをめぐらせ、考えている

そういうふうな姿が見えたら
(あるいはその人の姿が見えなくても)
そのこころの動きを邪魔することはしない
それが

人間存在への敬意だと思っている

そうしてまた
この人が
再び戻ってきたときには

考えたあと、と、それ以前のこころ、に作用した力学

その真価を見せてもらおうと
ぜひとも見せていただきたいと
願うのだ

わたしは総理大臣ではないし、そんな器でもない
だから、その責任を預けられたものの真の述懐は
そこからしか出てこない、そう考えている

たしかに彼のお方(を取り巻く社会情勢)の責任で
今も多くの方々が嘆き悲しみ
苦悶の叫びをあげていらっしゃる

その「声」は聞こえてくる、わたしにも

でも、ここでいったん考える

わたしたちは彼(ら)の思索、内なる言語活動の、あとを評価すべきではありませんか

わたしはたとえば
わたしら一般が「熱狂に浮かされた」バカげた過ちを反省し
じっくり考えて「総理大臣にふさわしい人間」を、われわれが選び直せばいい

もっとしっかり勉強して、もっとちゃんとした「資格」をもった人間にすげかえればいい

そうすることで
現状が変えられるとは
思わない

そんなことで何かが生まれるとは思わない

たまたまわたしは今「思索」することの恩恵をいただいている、わたしのことについて

それだけのこと
仕事が忙しくなれば
こんなことはすぐに忘れてしまう
わたしはそういう人間なのだ

第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


わたしは戦前の、……昭和天皇の戦前を知らない

いや、正確には昭和天皇の戦後も知らない、戦前を知らないのだから

だが

わたしは今の天皇陛下のお姿に、昭和天皇の「人間」としての思いの発露、を見る

そして、そのおこころざしは、皇太子さまにも継承されていらっしゃる

わたしは、そういうふうに感じるのです

沖縄県民の実状に関しては、県知事より報告せらるべきも、県にはすでに通信力なく、第三十二軍指令部又通信の余力なしと認めらるるに付、本職、県知事の依頼を受けたるにあらざれども、現状を看過するに忍びず、之に代って緊急御通知申し上ぐ。

沖縄島に敵攻略を開始以来、陸海軍方面とも防衛戦闘に専念し、県民に関しては殆んど顧みるに暇なかりき。然れども、本職の知れる範囲においては、県民は、青壮年の全部を防衛召集に捧げ、残る老幼婦女子のみが、相次ぐ砲爆撃に家屋と財産の全部を焼却せられ、わずかに身をもって、軍の作戦に差し支えなき場所の小防空壕に避難、尚、爆撃下(不明)、風雨にさらされつつ乏しき生活に甘んじありたり。

しかも若き婦人は率先軍に身をささげ、看護婦、炊事婦はもとより、砲弾運び、挺身斬込隊すら申出る者あり。所詮、敵来りなば老人子供は殺さるべく婦女子は後方に運び去られて毒牙に供せらるべしとて、親子生き別れ、娘を軍営門に捨つる親あり。

看護婦に至りては、軍移動に際し、衛生兵すでに出発し、身よりなき重傷者を助けて(不明)、真面目にして一時の感情にはせられたるものとは思はれず。更に軍において作戦の大転換あるや、自給自足、夜の中にはるかに遠隔地方の住民地区を指定せられ、輸送力皆無の者、黙々として雨中を移動するあり。

之を要するに、陸海軍沖縄に進駐以来、終始一貫、物質節約を強要せられて、ご奉公の(不明)を胸に抱きつつ遂に(不明)ことなくして、本戦闘の末期と沖縄島は実状形(不明) 一木一草焦土と化せん。糧食六月一杯を支ふるのみなりと謂ふ。沖縄県民かく戦えり。

県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを。

海軍司令官 大田実少将の最後の電文


「県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを。」

一個の人間として
この言葉を飲み込んだ、その方の
思索の、あとを

わたしは大切に見守っていきたいと思う

人間存在に対する敬意とは
そういうものでしかないと
わたしは考えている
posted by gon at 09:42| Comment(5) | TrackBack(5) | 壊憲手続き簡略化法案
この記事へのコメント
あんた「本土に虐げられた沖縄人」ってウソ以外にウリはないの?
Posted by ほんでぃ at 2008年05月17日 20:30
ごんさん

総理大臣ではないですが、まず6月の県議選にて、より私たちに近い(助けになってくれる)人を選びたいと思って以下の試みを始めました。

今回は質問を環境問題に絞ってありますが、それでも返事が来る来ないを含め、ある程度のことはわかるのではないかと予想しています。いや、わかったらいいな、と(←弱気。とても疲れています・泣)。

「沖縄環境マニフェスト市民の会」が設立 6月県議選立候補予定者に「環境政策アンケート」実施へ
http://www.news.janjan.jp/government/0805/0805040351/1.php

「沖縄環境マニフェスト市民の会」公式ブログ
http://ameblo.jp/manifestgo/

Posted by さめ at 2008年05月18日 14:43
このエントリについての「はてなブックマークコメント(であってるかな)」で、こういうのをいただきました。

>コメント欄のような反応を引き出す振る舞いは罪悪

ここでいう「反応」とは、上の「ほんでぃ」様のコメントをさしてのことだと考えます。以下に抜き出しておきます。

>あんた「本土に虐げられた沖縄人」ってウソ以外にウリはないの?

さて、私gonは、こちらにいらした方にお尋ねしたいのですが、

わたしのこのエントリには、何らかの「罪悪」が含まれているのでしょうか。

(いや、もちろん含まれているのでしょう。上のブックマークコメントのような卑劣な中傷を受けない程度には)

つまるところ私がお聞きしたいのは、私のこのエントリでの「振る舞い」に「罪悪」と断じられるような文言があったかということです。

ここでの私の考えとしては、

(この方の言う「罪悪」が通るなら、上の「ほんでぃ」様のようなコメントをいただいた「論」はすべて「罪悪」ということになる。それはそれでいい、と仰るのならそれでもいい。私はそうは思わないけど。それならばなぜ、この方は私に対して、ことさらにその「罪悪」を強調したがるのか、そのことを明らかにしたい)

ということです。
Posted by gon at 2008年05月23日 22:39
ごめんなさい。

>コメント欄のような反応を引き出す振る舞いは罪悪

誰がそんなムチャな論理を振りかざしているか言ってなかったですね。

http://d.hatena.ne.jp/nagonagu/20080523#1211515304

この方(↑)です。

新しくエントリ立てましょうかね。疲れるけど。
Posted by gon at 2008年05月24日 00:35
 自分のブログでコメントをとっていない弱みがあるのでスルーしようかとも思いましたが、TBをいただいた以上無視するわけにもいかず、悩んだ末コメントすることにしました。

 昭和天皇は沖縄に対して少なくとも2度の罪を犯しています。

 1度は1945年、戦争末期。この年の2月、元首相の近衛文麿は天皇へ終戦工作に着手するよう上奏し、宮中や海軍の一部にもそうした動きがありましたが、天皇は「もう1度戦果を挙げてからでないと中々話は難しいと思う」(『木戸幸一関係文書』より)と早期和平を否定し、戦局挽回に期待した結果、4月の沖縄戦を招きました。昭和天皇が戦局転換を断念し、和平工作の意思を示すのは6月に入ってからで、彼の判断の遅れが沖縄を戦場にした一因でした。

 もう1度は1947年、敗戦後。この年の9月、昭和天皇は御用係の寺崎英成を通してGHQに対し、「アメリカが沖縄を始め琉球の他の諸島を軍事占領し続けることを希望」すると伝言しました(GHQ政治顧問シーボルトの国務長官マーシャル宛書簡より)。沖縄の軍事基地化自体はマッカーサーが強く推進したのですが、いまだ講和後の米軍駐留の可否が不透明な時期に、昭和天皇が米軍の沖縄占領を求めたという事実は重いと言わざるをえません。彼は戦争中に続いて2度までも、自己保身のために沖縄を「捨て石」にしたと言っても過言ではないでしょう。

 大田実の電文は日本軍を美化したがる人々がよく取り上げるのですが、そもそも沖縄には戦争末期まで大規模な軍隊が常駐しておらず、本土決戦準備の時間稼ぎのために日本軍がやってこなければ沖縄戦自体がありえなかった以上、大田もまた沖縄県民に戦争を強要した加害者です。「敵来りなば老人子供は殺さるべく婦女子は後方に運び去られて毒牙に供せらるべしとて、親子生き別れ、娘を軍営門に捨つる親あり」という状態を作り出したのはほかでもない日本軍であり、「格別の御高配」を願ったくらいではその罪は消えません。

 以上のことを考慮すれば、天皇と大田電文をつなげて「人間存在に対する敬意」などと言うことは、私にはできません。
Posted by mahounofuefuki at 2008年05月26日 23:45
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