Subversionのクライアントプログラムには、代表的なものとして以下のようなものがあります。
- TortoiseSVN
- RapidSVN
- Subclipse
以下では、それぞれのクライアントについて説明します。ここではそれぞれのクライアントで、代表的な操作として以下の操作について説明します。
操作 |
説明 |
プロジェクトを開始するとき |
Import |
プロジェクトのリソースをレポジトリーにインポートする |
ローカルで作業を始めるとき |
Checkout |
レポジトリにあるリソースをローカルに持ってくる |
日々の作業 |
Update |
レポジトリの更新内容をローカルに反映させる |
Commit |
ローカルの更新内容をレポジトリに反映させる |
Add |
ローカルのファイルをレポジトリに追加する。この処理の後にCommitすることによって実際にレポジトリに反映される |
Delete |
ファイルをレポジトリから消去する。この処理の後にCommitすることによって実際にレポジトリに反映される |
Move |
ファイルの名前を変更する。この処理の後にCommitすることによって実際にレポジトリに反映される |
Log |
ファイルの更新履歴を表示する |
Diff |
レポジトリのファイルとローカルのファイルを比較する |
TortoiseSVNは、WindowsのExplorerに統合されたSubversionのクライアントです。これをインストールすると、Explorer上の右ボタンをクリックすると表示されるメニューの中にSubversionのメニューが追加され、このメニューを通してSubversionのレポジトリを操作することができるようになります。また、Subversionのレポジトリに管理されているリソースのアイコンに現在のリソースの状況がマークされるようになります。
TortoiseSVNのサイトのDownloadリンクをクリックし、リストされているファイルの中から自分の環境にあった最新のビルドを入手します。これはMSI形式のファイルですので、実行するとインストーラが立ち上がります。このインストーラに従ってインストールをしてください。インストールが完了すると、コンピュータの再起動が要求されますので、再起動してください。
ページの少し下にLanguage Packがリストされています。ここでJapeneseを取得し、インストールすることによってUIを日本語化することができます。これはexeファイルで提供されていますので、実行するとインストーラが立ち上がります。こちらもこのインストーラに従ってインストールしてください。インストール終了後、Explorer上で右ボタンクリックをし、メニューからTurtoiseSVN->Settingsを選択します。表示されたダイアログ上のLanguageフィールドを日本語に変更することにより、UIを日本語化することができます。
TortoiseSVNでは、多くの操作をExplorer上で実行します。以下、メニューと表記した場合は、Explorer上で右ボタンクリックをして表示されるメニューを指します。
- Import
-
ディレクトリを選択し、メニューからTortoiseSVN->インポートを選択します。ダイアログ上でリソースを格納するレポジトリのURLとコメントを入力し、OKボタンを押します。すると、選択したディレクトリ以下のファイル・ディレクトリが指定したレポジトリのURLに対応するパス以下に格納されます。インポートしたディレクトリはSubversionの管理下にはなりませんので、レポジトリと同期させるためには別の場所にCheckoutする必要があります。
- Checkout
-
ディレクトリを選択し、メニューからチェックアウトを選択します。ダイアログ上でレポジトリのURLを入力し、OKボタンを押します。すると選択したディレクトリに指定したレポジトリのURL以下のリソースがコピーされます。
- Update
-
ファイルもしくはディレクトリを選択し、メニューから更新を選択します。すると、ファイルを選択した場合は最新の該当するファイルが、ディレクトリを選択した場合はそのディレクトリ以下の対応する最新のリソースがレポジトリからコピーされます。
- Commit
-
ディレクトリもしくはファイルを選択し、メニューからコミットを選択します。更新するリソースが存在する場合はダイアログが表示され、その中に更新するファイルのリストが表示されますので、コメントを入力しOKボタンを押すとローカルの更新がレポジトリに反映されます。
- Add
-
ディレクトリもしくはファイルを選択し、メニューからTortoiseSVN->追加を選択します。追加するリソースが存在する場合はダイアログが表示され、その中に追加するファイルのリストが表示されますのでOKボタンを押すとレポジトリにファイルが追加されます。実際のリポジトリへの反映はコミットした後になります。
- Delete
-
ファイルを選択し、メニューからTortoiseSVN->削除を選択します。すると、そのファイルが消去されます。実際のリポジトリへの反映はコミットした後になります。
- Move
-
ファイルを選択し、メニューからTortoiseSVN->名前を変更を選択します。ダイアログが表示されますので新しい名前を入力しOKボタンを押すとファイルの名前が変更されます。実際のリポジトリへの反映はコミットした後になります。
- Log
-
ファイルを選択し、メニューからプロパティを選択します。ダイアログ上のSubversionタブを選びログを表示ボタンを押します。するとログの一覧が表示されます。
- Diff
-
ファイルを選択し、メニューからTortoiseSVN->差分を選択します。ダイアログが表示され、レポジトリのファイルが左側、ローカルのファイルが右側に表示されます。変更がある箇所は色をつけて表示されます。
RapidSVNは、GUIを用いたSubversionのクライアントです。これが提供するGUIクライアント上で、Subversionのレポジトリを操作することができます。
RapidSVNのサイトのDownloadのWin32 binary installerリンクをクリックし、リストされているファイルの中から安定版の最新のビルドを入手します。これはexe形式のファイルですので、実行するとインストーラが立ち上がります。このインストーラに従ってインストールをしてください。
Subclipseは、Eclipseに統合されたSubversionのクライアントです。これはEclipseのプラグインとして提供されていて、これをインストールしたEclipseからは、CVSのレポジトリにアクセスするときと同様に、EclipseのメニューからSubversionのレポジトリを操作することができます。これは、subclipse.tigris.org/から提供されています。
Subclipseは、Eclipseのプラグインです。Eclipseでは、プラグインをインストールする便利な方法としてSite Updateという機能が提供されていますので、ここではその機能を使用します。この手順は以下のようになります。
- Eclipseを立ち上げる。
- メニューからHelp->Software Updates->Find and Installを選ぶ。
- ダイアログ上で、Search for new feature to installを選択し、Nextボタンを押す。
- Update sites to visitリストでNew Remote Siteボタンを押す。
- 表示されたダイアログ上のNameフィールドにSubclipse Update Siteと、URLフィールドにhttp://subclipse.tigris.org/updateと入力し、OKボタンを押す。
- Update sites to visitリスト上に今追加したSubclipse Update Siteが追加されていることを確認し、その前にあるチェックボックスにチェックを入れ、Nextボタンを押す。
- 適用できる更新がリストされるので、Subclipseの前にあるチェックボックスにチェックを入れ、次へボタンを押す。
- License Agreementを読み了解できた場合は、I accept the terms in the license agreementsを選択し、Nextボタンを押す。
- Install Locationページでインストールされる先を確認し、Finishボタンを押す。するとインストールを開始し、jarに署名が無いという警告が表示されるがここではInstallを選択する。
- インストールが終了すると、ワークベンチを再起動するように催促されるので、再起動する。
この作業をするためには、HTTPでサイトにアクセスできる必要があります。ファイアウォールなどがあり直接アクセスできない場合は、PreferenceダイアログのInstall/UpdateメニューのProxy settingsの設定をしてください。
Subclipseでは、使用できるレポジトリを登録する必要があります。これを行う手順は以下のようになります。
- SVN Repository Exploringパースペクティブに切り替える。
- SVN Repositoryビューでマウスの右ボタンをクリックし、メニューからNew->Repository Locationを選択する。
- 表示されたダイアログのUrlフィールドにレポジトリのtrunkのURL(Ex:http://xxx.co.jp/svn/projects/ProjectX/trunk)、UserフィールドとPasswordフィールドに認証情報を入力し、Urlフィールドの下にあるBrowseボタンを押してRoot UrlフィールドにレポジトリのRoot Url(Ex:http://xxx.co.jp/svn/projects)を入力し、Finishボタンを押す。
ここからは、Subclipseを用いて、Eclipse上からSubversionのレポジトリにアクセスする手順を説明します。以下、メニューと表記された場合は、Package Exprolerビュー上でマウスを右ボタンクリックして表示されるメニューを指します。
- Import
-
プロジェクトを選択し、メニューからTeam->Share Projectを選択します。ダイアログ上でレポジトリのタイプとしてSVNを選択し、レポジトリの場所として、先ほど登録したレポジトリを選択します。レポジトリでのモジュール名をどうするかなどを聞かれるので、自分の環境にあわせ、Finishボタンを押します。すると、レポジトリ上にプロジェクト名(もしくは指定したモジュール名)のディレクトリが作成されます。このとき、プロジェクト以下のファイルはまだレポジトリに追加されていません。この後の作業として、リソースを追加しコミットする必要がありますが、その操作はAddおよびCommitの項目を参照してください。
- Checkout
SVN Repository Exploringパースペクティブに切り替え、SVN Repositoryビュー上でレポジトリのTree Viewを展開し、チェックアウトしたいリソースを選択し、メニューからCheck Out as Projectを選択すると、レポジトリからそのリソース以下をCheckoutしてくることができます。
-
- Update
-
プロジェクト、フォルダもしくは各ファイルを選択し、メニューからTeam->Updateを選択します。するとそこ以下のリソースに変更があった場合は、ローカルのファイルが更新されます。
- Commit
-
プロジェクト、フォルダもしくは各ファイルを選択し、メニューからTeam->Commitを選択します。するとダイアログが表示され、レポジトリに登録されるリソースの一覧が表示されるので内容をチェックして、コメントを入力しOKボタンを押します。
- Add
-
新たに作成したフォルダもしくはファイルを選択し、メニューからTeam->Add to Version Controlを選択します。しかし、この段階ではレポジトリに反映はされていませんので、Commitする必要があります。
- Delete
-
フォルダもしくはファイルを選択しメニューからDelete(Teamメニューではなく)を選択する。削除したリソースの上位のフォルダもしくはプロジェクトをコミットしたときにこのリソースの削除もレポジトリに反映される。
- Move
-
現状ではSubclipseではこの操作はサポートされていません。RefactorメニューでRenameを選択すると、元のファイルが削除され、新しいファイルが追加されたものとして、処理されます。
- Log
-
フォルダもしくはファイルを選択し、メニューからTeam->Show in Resouce Historyを選択する。すると、SVN Resource Historyビュー上に履歴が表示される。
- Diff
-
ファイルを選択し、メニューからCompare With->Latest From Repositoryを選択すると現在レポジトリに格納されているファイルとの差分を表示することができます。ここでは変更があった部分がTree Viewで表示され、その下に左にレポジトリのファイル、右にローカルのファイルが表示され、変更があった部分がハイライトされます。
これ以外にもCompare With->Base Revisionを選択すると、自分が最後にUpdateしたときのリビジョンとの差分を表示することができます。