苫小牧市勇払で新しい天然ガス探査

 石油資源開発(本社東京)は、2008年度から5カ年で、苫小牧市の勇払油ガス田など国内3地区約20カ所で天然ガスの試掘・探掘を行う。天然ガスの需要増に伴う新たなガス田開発と供給体制の強化が狙い。掘削やプラント建設など1300億円の投資になる。
 原油高騰や環境対策などの影響で天然ガスの需要が増大している背景がある、と説明し、既存のガス田埋蔵量は年々減少しているため、新たなガス田開発を目的に500億円を投じて探鉱調査する。さらに、採掘した油やガスを分離処理するためのプラントなどに800億円とした。また、5年プロジェクトを通じ、現在の国内天然ガス販売量を17億立方メートルから20億立方メートルまで拡大する計画だ。
 ガス田開発の対象は北海道、秋田、新潟の3道県。苫小牧市の勇払油ガス田の周辺でも試・探掘(3カ所程度)する。地上から人工的な震動波で地中構造を確認する地震探鉱も苫小牧市内の勇払および静川周辺などで行う。
 

【白老】「陣屋の赤松」増殖作戦

陣屋敷地内でアカマツの苗木を移植
 樹齢150年のアカマツの遺伝子を後世に残そう。仙台藩白老元陣屋資料館は23日、林木育種センター北海道育種場(江別)で育てた「陣屋の赤松」の苗木を移植する作業を行った。
 昨年4月に、陣屋跡に唯一残ったアカマツ(高さ20メートル、幹周2.8メートル)の枝を切り取り、接ぎ木を経て高さ50センチほどの苗木に成長させた。
 この苗木が里帰りし、陣屋資料館敷地の約30平方メートルの畑に、陣屋史跡保存会(伊東稔会長)と陣屋資料館友の会(黒木重雄会長)、資料館職員ら13人が移植した。
 仙台藩士が1856年(安政3年)に故郷から苗木を持ち込んだ陣屋の赤松。道内では最古級で当時は海岸線まで並木道があった。その並木も年々減少し、最近まで残っていた4本も、2本が枯死し、1本は2003年の台風で倒れてし、1本だけになった。
 アカマツは、温暖な本州などで育ち、寒冷地で150年もの長生きは珍しい。苗木は、3年後に1.5メートルほどに成長するとい、陣屋跡地に再度移植することにしている。資料館学芸員の武永真さんは「町内の陣屋通りに松の並木道があったといい、将来的に並木道を復元したい」と話している。仙台藩士が眺めた風景を取り戻す取り組みになる。
 

糸井にスーパーデポ出店
 ホームセンター大手のホーマック(本社札幌市)は、苫小牧市糸井の国道36号線にスーパーを併設したホーマックスーパーデポ糸井店を開設する。2009年4月オープンする。
 スーパーデポは、既存のホーマックよりも専門性の高い品物をそろえた大型店。道内で10店舗展開している。
 現在、市内にホーマックは新生台店と糸井店、桜木店。同社は「苫小牧市内にホーマックの大きな店舗はなく、範囲内2店(桜木店、糸井店)をスーパーデポ糸井店に統一する方向で検討している」としている。
 道内10店舗のうち半数はコープさっぽろやマックスバリュなどのショッピングセンターを併設しているという。
 道に提出した出店計画書によると、出店予定地は温浴施設「いといの湯」の東隣。店舗面積は6700平方メートル、併設するスーパーは2300平方メートルを予定、延べ床面積は1万1132平方メートルとなる。駐車場は屋外駐車場431台、屋上85台の計516台。
 8月までに詳細を決定し、大規模小売店舗立地法の関連書類を提出後、11月にも着工する方針。
 

グークラブ錦岡開所式

 苫小牧錦岡小児童の放課後の預かり所「グークラブ錦岡」の開所した。錦岡総合福祉会館を会場に、NPO「放課後の居場所をつくる会」(藤沢紀世安代表)と地域のボランティアが遊び相手や学習の指導も引き受ける地域参加型事業がスタートした。
 開所式に、クラブに入会した児童28人と地元の中高生や高専、大学生、教員経験者、主婦ら60人が参加。藤沢代表は子供たちに、「第1期生の皆さんはきょうからが新しいスタート。真っ白な画用紙に色を塗るように、みんなでgood(良い)な場所を作っていってほしい」と笑顔で語り掛けた。
 児童とボランティアスタッフが一人ずつ自己紹介し、参加者全員で「カントリーロード」を合唱。元気な歌声で開所を祝った。
 グークラブ錦岡は毎週火、金曜日、同会館に開設。朗読と計算が必須の「学習」と、集団でのゲームなどを想定した「遊び」の時間を、午後3―5時30分の預かり時間の中で交互に組み入れる。
 

野生鳥獣保護センターでも環境保全アピール

 北海道洞爺湖サミット(7月7―9日)を前に環境省は、苫小牧市のウトナイ湖野生鳥獣保護センターで、サミットや環境保全をアピールする事業を進めている。二酸化炭素を吸収する樹木への関心を高めてもらうため、記念植樹や樹木を知るイベントを企画。環境に優しい木質バイオ燃料ストーブの紹介にも取り組んでいる。地球温暖化対策を主要議題にしたサミットに合わせ、環境を守る大切さを発信していく考えだ。
 1階展示ホールに、木質ペレットを使ったストーブ3台を設置。化石燃料の石油に比べ環境負荷が少なく、温暖化防止にもつながるバイオ燃料のPRを始めている。また、二酸化炭素を吸収し固定する樹木への関心を高めてもらうため、25日と31日に同センター前で、来館者や関係者の手による記念植樹を計画。6月には、センター周辺に自生する41種の樹木にそれぞれ、木の名札を付けるイベントも予定している。
 洞爺湖サミットをアピールしたり、サミット関連で国内外から訪れる人たちを受け入れる準備も進めている。センターの正面入り口の壁面にはサミットをPRする縦80センチ、横4メートルの看板を設置。職員手作りの看板製作にも取り組んでいる。また、展示物の案内板に英語、中国語など外国語表記を加えたり、ドイツ、フランス、イタリアなど8カ国向けの同センター案内パンフレットも作製中だ。
 環境省苫小牧自然保護官事務所の石田守雄自然保護官は「サミットに向けた取り組みを進め、地域から環境を守る重要性を訴えたい」と話している。
 

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