2008年05月26日 更新

ヤンキースタジアムの松井は怖い!本拠地打率単独トップ

二回に左中間二塁打を放った松井秀。ヤンキースタジアムではノリノリだ(共同)

二回に左中間二塁打を放った松井秀。ヤンキースタジアムではノリノリだ(共同)

 【ニューヨーク24日(日本時間25日)】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が、マリナーズ戦に「5番・DH」で出場し、3戦連続マルチ安打となる3打数2安打1打点。試合は12−6の大勝で、今季初の4連勝に貢献した。松井秀は本拠地打率.376となり、チーム単独トップに浮上。今季限りとなるヤンキースタジアムで強さをみせつけた。

 ヤンキースタジアムでのゴジラは怖い。松井秀が、今季限りで“お別れ”となる現存の同スタジアムで躍動した。

 「ここ2、3試合の(打撃)内容自体はいいと思います。甘い球を逃していないと思う」

 マ軍先発は、通算対戦打率.182と苦手にしていたカルロス・シルバ投手(29)だったが、二回に外角のシンカーを逆らわずに左中間二塁打。この回の4得点を演出した。三回にも中前打を放ち、3戦連続マルチ安打。チームも今季初の4連勝をマークした。

 この日の2安打で本拠地打率は.376まで上昇。チーム単独トップに躍り出た。この高打率を支えているのは、今季限りで取り壊される現ヤンキースタジアムの存在だ。85年の歴史を誇る球場で、プレーできる喜びが原動力になっている。

 球場内にはジョー・ディマジオやベーブ・ルースら歴代の名選手の名言や写真が飾られており、「肌で歴史を感じて、身がひきしまる」。車で球場入りする際、遠目に球場が見え始めると、自然と気持ちが高ぶるという。その球場の姿が見られるのも今季が最後ということで、自然と気合も高まっていた。

 「ヤンキースにとってはいい流れだと思う」。4連勝の内容に、確かな手応えを感じた。借金も「1」まで減って“完済”も目前。ホームに強いゴジラが、ヤ軍逆襲の主役を張る。

★松井TALK

 −−打撃の内容は

 「ここ2、3試合はいいと思う。甘い球を逃していないと思う」

 −−左中間二塁打は

 「感触としてはよかった。低めのストライクかボールか微妙なところ。非常にいい打ち方だったと思う」

 −−逆らわずに打ち返した

 「ある程度シンカーだと予測していた。引っ張ったらゴロになる確率は高い」

 −−マ軍は“お得意さま”になりつつあるが

 「対戦が多いチームではないけど、たまに対戦したときに勝てればいいと思う」

 −−チームはリズムに乗ってきそうか

 「今のところ、そういう感じはあるかもしれない。ひとつ勝って、サヨナラ勝ちして、そのあとの2試合はこういう試合(打線爆発)。ヤンキースにとっては、いい流れだと思います」

 −−他の打者にも当たりが出てきた

 「いいことでしょう。みんなが打てば、それだけ点は入る」

■GODZILLA in USA

 ゴジラもビックリの珍プレーが飛び出した。九回二死無走者。打席にはマ軍のエイドリアン・ベルトレ内野手(29)。ヤ軍のホセ・ベラス投手(27)がカウント1−1から外角へ直球を投げ込むと、ラリー・バノーバー球審は「ストライク!」とコール後、「バッターアウト!」と続けて宣告した。
 2ストライク目なのに…。ヤ軍ナインは遠慮気味?に勝利のハイタッチでマウンドに集まりかけたが、当然ベルトレの抗議でカウント2−1から試合は再開。松井秀もこれには苦笑いだった。