好感度タレントや人気の温泉などいろいろなランキングが話題になるが、「えん罪責任ランキング」なるものがあることを知った。
えん罪事件に詳しいジャーナリスト江川紹子さんの作である。本人が先日、岡山市で開かれた司法関係の集会で紹介していた。
えん罪事件が問題化する度に警察の捜査手法がやり玉に挙げられるが、江川さんの見立てでは意外にも責任の度合いは三位だった。二位は検察官。警察の捜査内容を厳しくチェックせず、有罪にするために都合の悪い材料は無視する傾向が強いとする。
最も重い責任があると指摘したのは裁判官だ。最終的な関門でありながら、その役割を十分に果たさず、反省もしていないと痛烈に批判した。裁判官がしっかりしないのに、警察を責めるだけでは事態は改善に向かわないという。
一般の国民が裁判官とともに刑事事件を審理し、判決を下す裁判員制度がスタートまで一年を切った。市民感覚を裁判に反映させるのが最大の狙いで、七月から各地域で裁判員候補者の選任作業が始まる。
国民の参加意欲は低いようだが、誰が選ばれるか分からない。制度への関心を高める必要がある。同時に最終関門の重責の一翼を担う自覚と、えん罪を防ごうという強い意識を養って制度を有効に機能させたい。