高校相撲金沢大会で金沢学院東が悲願の初優勝を果たした。これで同校は全国大会で五冠を手にしたことになり、相撲王国石川の名を全国にとどろかせた。こん身の当たり、力強い寄り、土俵際の踏ん張り。準々決勝での金市工戦をはじめ、どの試合もハラハラドキドキの熱戦だった。選手が受けた重圧も大変なものだったろう 相撲は古事記における神同士の戦いが起源という。神事との結びつきが強く、土中の邪気を払うとされる四股(しこ)を踏む儀式とともに礼儀作法が非常に重視されているようだ。「礼に始まり礼に終わる」相撲道の所以(ゆえん)である 高校相撲が根強い人気を保ち続けているのも、選手たちの礼儀正しさにあろう。勝っておごらず、負けてくさらない、その精神を何よりもたたえたい 高校生になって初めて同大会の応援に来た生徒もいただろう。会場を包む声援の渦は生徒たちの心を熱くする。母校愛を育てるとともに、相撲を見直すきっかけにもなったのではないか 卯辰の杜に青春の闘志がぶつかり合った。この大会を経験した選手の「心技体」が、さらに磨かれていくことを期待したい。
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