残り1枠の五輪出場国が決まる最終日、思わぬ騒動が起こった。これまで大会組織委や参加国、報道陣が理解していた五輪出場権獲得条件が突然「変更」されたのだ。
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組織委や参加国の理解は(1)全体1位(2)アジア1位(3)それらを除く上位2カ国−の条件で、アジアの国が全体1位の場合、アジア2位が繰り上がって「1位」枠を得る。
25日はまず韓国に勝ったドミニカ共和国の全体4位が確定し、タイを下したカザフスタンがアジア2位に浮上。同夜のセルビア戦を終えて日本が全体1位ならカザフ、2位以下ならドミニカの出場が決まるはずだった。
ところがカザフの試合後の会見中、日本協会が国際バレーボール連盟(FIVB)の通達を配布。それによると(1)上位3カ国(2)それを除くアジア1位−となり、日本の結果を待たずにカザフの五輪出場が決まった。
思わぬ吉報に号泣したエースのパブロワが「みんなに知らせてくる!!」と会見場を飛び出し、ジュラフレフ監督も「こんな会見は初めてだ」と絶叫。異例な展開だった。
放映するフジテレビ、TBSには24日夜に「変更」が伝えられていたという。ただFIVBの広報担当者は「大会前から決まっていたこと」と強調。大会のプログラムには、それを裏付ける記載もあり、日本協会を中心とした大会組織委と認識を異にするまま最終日を迎えていたようだ。
だがFIVBの主張の通り、開幕前のいずれかの時点で条件が変更されていたとしても、組織委はもちろん、参加各国にも伝わっていなかった状況では、FIVBの主催者としての運営能力を疑わざるを得ない。
この日、日本はセルビアに敗れ、得点率で3位に終わった。当初の条件ならカザフではなくドミニカが五輪出場権を獲得していたはず。出場権の可否をめぐっては、今後の曲折も危惧(きぐ)される、後味悪い幕切れとなった。
(西尾美穂子)
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