震災悪用、乳児売買犯6人を逮捕―四川省江油市
被災病院から奪い山東省への移動中
【香港25日深川耕治】25日付の中国紙「江南都市報」によると、16日、四川省江油市で乳児5人を被災地から勝手に連れ出して人身売買しようとしていた少数民族の女性5人と手引きした中年男性1人が地元警察当局に逮捕された。解放された乳児はいずれも生後2カ月未満で、生後10日に満たない乳児もいた。
四川大地震で江油市も被災し、都市部は建物が倒壊。被災者は救援物資やテントを申請して急場をしのごうと必死なのに乳児を抱いた少数民族の若い女性5人は小さな旅館に滞在できるよう旅館店主に要求。奇異に感じた店主らが地元警察に通報し、人身売買の容疑で6人が逮捕された。
逮捕された6人は人身売買組織の命令で被災した病院から奪った乳児5人を山東省内まで運ぶように指示され、16日午後、江油市に到着したところだった。乳幼児1人当たりの運び賃は1500元(2万2500円)で、乳幼児が泣きわめいた際に静かにさせるための睡眠剤まで携帯していた。
解放された乳児らは江油市救護センターで治療を受けた後、綿陽市内の児童福祉施設に移され、地元警察当局は親の所在捜しに全力を注いでいる。江油市公安局によると、四川大地震の発生以来、37件にわたる同様の児童売買事件を解決したという。
2008/5/25 19:07