慈恩会

11月13日は、宗祖・慈恩大師の正忌日にあたり、法相宗寺院においては、慈恩大師の画像を奉懸して「慈恩会(じおんね)」が厳修されます。

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慈恩大師・窺基(632~682)は、天竺より帰朝した玄奘三蔵のもとで経典の翻訳と教学の研鑽につとめ、唐で法相宗を立てます。
奈良時代の元興寺興福寺の遣唐僧によって、その教えが日本へもたらされました。

慈恩会の濫觴は、951年に興福寺第十四代別当空晴が徒弟たちと始めた法相教学の ゼミナールで、当初は「庚申講」と称され、次第に慈恩大師の学徳を偲ぶ法会ともなり、971年に慈恩会と改号されたという記録が伝わっています。
また、981年より僧侶たちの昇格試験となった慈恩会竪義の制度が設けられています。

1077年には宮中南殿で慈恩大師供養会が修められ、1061年には薬師寺で、1216年には法隆寺で慈恩会がそれぞれ始修されています。
明治の廃仏毀釈でこの法会も途絶えますが、明治15年になって法隆寺興福寺が法相宗の再興を果し、明治29年に法隆寺・興福寺・薬師寺の僧侶たちによって慈恩会法隆寺大講堂で復興されました。
以来、三寺の輪番で会場を移し、これに興福寺末であった京都の清水寺が加わるかたちで厳修されてきましたが、昭和25年に法隆寺が聖徳宗となり、昭和40年には清水寺が北法相宗として独立し、現在は薬師寺興福寺が輪番で修めています。

本年は興福寺仮金堂で、午後7時より執り行います。古式ゆかしい伝統法会に、是非ご参拝下さいますようご案内申し上げます。

追申:
法隆寺慈恩会は1982年(慈恩大師1300年遠忌)に再興され、同日午後1時半より法隆寺大講堂で、また清水寺も同日午後4時から清水寺経堂で厳修されます。

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こんばんは。慈恩会を一週間後に控えお忙しい事と存じます。『奈良は遠くにありて思うもの?』なかなかお参り出来ませんが、今自分に出来る事と思い「友の会」へ入会させて戴きました。お寺さんも奈良県もお元気ですととても嬉しいです。 ー月見草ー

  • 月見草
  • 2007年11月06日 18:28

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