【北京=尾崎実】中国・四川大地震の被災者の間で、当局による救援物資の不透明な取り扱いを巡って不満が高まっている。被災各地で当局と住民のトラブルが相次ぎ、警官隊との衝突に発展するケースも出た。中国共産党は事態を重視、物資の盗難などの取り締まり強化に乗り出した。
香港メディアによると、四川省徳陽市で21日、救援物資の横領を疑った数千人の被災者が、抗議デモを行い警官隊と衝突。地元公安局幹部が負傷したほか、警察車両1台が壊された。被災者らはナンバープレートのない軍用車両が、トラックで運ばれてきた食料や飲料水を積んで走り去ろうとしたのをみて、反発したという。
被災地で不足しているテントや食料の配給などに絡むトラブルは、中国メディアでもしばしば報じられている。インターネット上では「物資は(政府の)腐敗幹部や不法な商人が私腹を肥やす材料になっている」「公安当局は厳しく摘発すべきだ」といった批判の声が相次いでいる。
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