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調査・レポート  
ファイル交換ソフト利用調査 2007年度
ファイル交換ソフトの「現在利用」は9.6%、被害は一層深刻に
〜利用実態のアンケート調査、クローリング調査の結果まとまる〜
   (社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、(社)日本レコード協会(RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)は、このたび、2007年9月に実施した「ファイル交換ソフト利用実態調査」の結果を取りまとめました。
 今回の調査では、「現在利用者」がインターネット利用者の9.6%との結果となり(2006年6月の調査では3.5%)、ファイル交換ソフト利用者の急増が明らかになりました。また、利用者がダウンロードしたファイル数のほか、アップロードの経験者数とファイル数なども軒並み増加しており、これに伴い、著作権侵害行為(著作物の無許諾での送信行為)も激増していることが推定されます。
 また、本年は上記のアンケート調査とあわせて、3種類のファイル交換ソフトについて、各ネットワーク上に実際に流通している情報を自動的に取得し分析する「クローリング調査」を、24時間実施しました。この結果からも、利用者数やネットワーク上に流通しているコンテンツが大量であることが明らかになっています。
 この結果を受け、各団体では、これまで以上の広報啓発活動に尽力するとともに、悪質なファイル交換ソフト利用者に対しては、権利執行をも辞さない厳しい姿勢を取らざるを得ないと判断し、今後の各対策を強化していきます。
 
アンケート調査結果(ポイント)
1. ファイル交換ソフトの利用状況
  ファイル交換ソフトの「現在利用者」※1の割合は、9.6%。
  ファイル交換ソフトの「過去利用者」※2の割合は、10.9%。
    ※1「現在利用者」は、平成18年9月以降にファイル交換ソフトを利用したことのある者を指す。
    ※2「過去利用者」は、平成18年8月以前にファイル交換ソフトを利用していた者を指す。
    スクリーニング調査(20,301サンプル)及び本調査(「現在利用者を対象とした調査」1,943サンプル、「過去利用者を対象とした調査」2,205サンプル)に回答した人を、「有効回答数」として計算した。
    平成18年6月に行った同様の調査では、「現在利用者」の割合は3.5%、「過去利用者」は8.6%。
 
2. 主に利用しているファイル交換ソフト
  「現在利用者」が主に利用しているファイル交換ソフトは、上位から「Winny」27.0%、「Limewire」18.8%、「WinMX」15.0%、「Cabos」13.1%、「Share」11.0%の順。
    平成18年6月に行った同様の調査では、「Winny」33.3%、「WinMX」24.5%、「Limewire」19.8%、「Share」11.8%、「Cabos」10.5%の順(現在利用者)。
 
3. 過去1年のダウンロード数
  総数では、平均値は481ファイル。(現在利用者)
  内訳は、「音楽関連」平均値211.3、「映像関連」平均値183.0、「写真・画像関連」平均値34.7、「書籍関連」平均値33.2、「ソフトウェア」平均値14.2。
    参考として、各項目の中央値(データを大きさの順に並べた時に中央に来る値)は、総数:65ファイル、音楽関連:45.0、映像関連:46.5、写真・画像関連:19.0、書籍関連:10.0、ソフトウェア:10.0。
    平成18年6月に行った同様の調査では、総数平均値194、内訳は「音楽関連」平均値87.1、「映像関連」平均値79.4、「ソフトウェア」平均値8.7、「写真・画像関連」平均値11.2、「文書関連」平均値7.8。
 
4. 共有経験など
  ファイルの共有※3は、「現在利用者」の35.8%が経験。
  本調査実施時に、ファイルを共有できる状態にしていた人は、共有経験者のうちの94.7%。共有できるようにしていたファイル総数は、平均値で229ファイル。
  内訳は、「音楽関連」平均値112.4、「映像関連」平均値86.3、「書籍関連」平均値16.7、「ソフトウェア」平均値6.6、「写真・画像関連」平均値3.3。
    ※3「ファイルの共有」とは、ファイルを他人に送信できる状態にすることを指す。なお、Winnyなどの一部ファイル交換ソフトについては、「自動的」にアップロードされる機能上の問題があるが、本設問では「意識的」に共有した経験のみを抽出している。
    参考として、各項目の中央値は、総数:20ファイル、音楽関連:10.5、映像関連:21.0、書籍関連:10.0、ソフトウェア:10.0、写真・画像関連:10.0。
    平成18年6月に行った同様の調査では、現在利用者の32.6%に共有経験があり、調査実施時にファイルを共有できる状態にしていた人は、共有経験者のうちの76.7%。共有できる状態にしていたファイル総数は平均値160、内訳は「音楽関連」平均値92.6、「映像関連」平均値55.9、「文書関連」平均値4.4、「ソフトウェア」平均値3.7、「写真・画像関連」平均値3.3。
 
5. ファイル交換ソフト利用をやめた理由
  「ウィルスや自分のPCの情報が流出するのが不安になった」(32.6%)、「著作権侵害などの問題がある」(31.3%)が2大理由。
    平成18年6月に行った同様の調査では、「セキュリティ・ウィルスなどが心配」(46.2%)、「著作権侵害などの問題がある」(26.4%)。
 
クローリング調査結果(ポイント)
「Winny2」
  「ノード」※4は、約26万4千件。
  「ファイル」は、約484万6千件。
  流通するファイル全体の51.4%が著作物と推定。※5 うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが92.5%を占める。
「Share EX2」
  「ノード」は、約20万件。
  「ファイル」は、約54万9千件。
  流通するファイル全体の59.9%が著作物と推定。※5 うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが97.7%を占める。
「WinMX3」
  流通するファイル全体の21.4%が著作物と推定。※6 うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが96.5%を占める。
    ※4「ノード」とは、ネットワークに接続しているPC等の端末を指す。
    ※5調査実施者が権利帰属を把握できないファイル(アダルト、同人のコンテンツなど)を除外した。
    ※6調査実施者が権利帰属を把握できないファイル(特に外国の著作物など)を除外した。
 
調査概要:
アンケート調査:
モニターを活用して行うWEBアンケート方式で実施。
  日時:2007/9/14〜2007/9/24
  回収数:
  スクリーニング調査 ・・・ 20,301サンプル
  現在利用者を対象とした調査 ・・・ 1,943サンプル
  過去利用者を対象とした調査 ・・・ 2,205サンプル
クローリング調査:
各ファイル交換ソフトネットワークに対応した手法を用いてネットワークを巡回し、実際に流通している情報を取得・分析して実施。
  日時:2007/9/28・17:00〜2007/9/29・17:00(24時間)
  利用したソフトウェア:
  (1) Winny2 P2P FINDER(Winny) 2007年9月Version
  (2) Share EX2 P2P FINDER(Share) 2007年9月Version
  (3) WinMX3 WinMX3.31 + MXPie hosts/FILE FINDER(WinMX) 2007年9月Version
     
   なお本件の関連調査として、「ファイル交換ソフトによる情報漏えいに関する調査」も行われています。調査結果については、株式会社日立製作所のインシデントレスポンスチーム「HIRT(Hitachi Incident Response Team)」にて公開(http://www.hitachi.co.jp/hirt/publications/hirt-pub07012/)されています。
 

以上

本報告書をPDFファイルにてダウンロードいただけます。
PDF アンケート調査概要(PDF,123KB)
PDF クローリング調査概要(PDF,33KB)
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