佐賀県伊万里市の同市社会福祉協議会が21日、所有する送迎バスを高齢者の引きこもり防止に役立てようと、市内の名所旧跡や企業を見学する日帰りバスツアーを始めた。本年度から3年間実施する。いわば高齢者版の「修学旅行」で、同協議会によるとこうした取り組みは全国的にも珍しいという。
送迎バスは普段、地域と福祉関連の公共施設を結ぶ交通手段として使われている。ただ、月末の稼働率が低いため、同協議会が有効な活用策を検討していた。
バスツアーは、協議会職員が「添乗員」を務め毎月下旬に2回開催。各地の公民館を発着する3コースの中から1つを選べ、半導体関連施設やカブトガニの繁殖地、伊万里鍋島焼の里で知られる大川内山、神社、古墳などを周遊する。昼食時には健康相談も受ける。
1回の定員は25人程度。参加費は昼食の弁当付きで1人200円。国と県の支援事業を活用し低費用を実現した。
21日は、東山代町老人クラブの24人が参加、企業見学や大川内山の散策を楽しんだ。同市東山代町の林重年さん(78)は「よか企画を考えてくれた。修学旅行みたいだ」とご満悦だった。
同協議会=0955(22)3931。
=2008/05/22 西日本新聞=