2008年5月21日、朝鮮日報によれば、四川省のある男性が丸3日間、崩れ落ちた瓦礫の下敷きになっていた。長時間の救出活動の末、男性は救い出されたが、亡くなってしまった。その様子は全国に生中継された。
男性は瓦礫の下敷きになりながら、「家に帰って、妻と生きるんだ。妻のお腹には子供がいる。父親のいない子にしたくない」と下敷きになりながら話し、生きる望みを失わなかった。「みんな、自分と同じように決して諦めないで」と、他の被災者を励まし、救助に当たった人も、男性を励ました。【
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男性が救助される様子は、中国中央電視台によって中国全土に生中継された。取材に当たっていた記者が男性の妻と電話をつなぎ、夫妻が話すところも中継された。男性は「僕は何もいらない。ただ君と子供と一生を送りたい。それだけで満足だ」と妻に語りかけた。しかし、これが男性の最後の言葉になってしまった。6時間に及ぶ救出活動により、瓦礫の中から救い出されると、男性は息を引き取った。「起きろ!嫁さんの所に帰るんだろ!寝ちゃだめだ!…」救助隊員の呼びかける声が虚しく響いた。
生き埋めになった被災者の中には、救出後のクラッシュ症候群(挫滅症候群)により、命を落とす人が多いという。(翻訳・編集/岡田)
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