中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 石川 > 5月24日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【石川】

分譲業者に『町会作って』 芳斉地区連合会 マンション完成前に要請

2008年5月24日

マンション販売会社の社員たちに町会について説明する町会連合会や公民館の役員(右端)=金沢市芳斉の芳斉公民館で

写真

公民館で意義説明 住民の早期加入 目指し

 金沢市芳斉地区町会連合会が、地区内に新築される分譲マンションの事業主に町会設立を働き掛けている。入居した住民に町会に参加してもらい、地域のつながりを保つ狙い。事業主会社の社員に市の住民組織を知ってもらおうと二十二日夜、町会連合会の役員らによる“講義”が、芳斉公民館で開かれた。

 芳斉地区は金沢駅に近く、ホテルや店舗が立ち並ぶ。一戸建てで長年暮らす住民がいる一方、集合住宅も多い。地区内の同市本町に現在、不動産デベロッパーの日本レイト(大阪市)が高層マンション建設を予定している。

 建設の段階から事業主にこのように協力を呼び掛けたのは、同地区では初めてという。これまでは入居後に話をしていたため、町会の結成に時間や手間がかかっていた。

 二十二日の会合には、日本レイトの社員五人と、地元から町会連合会の大西隆会長ら三人が集まった。

 大西会長は「町会連合会は市に直接物が言え、市は地域の問題を町会連合会を通じて言ってくる。これが他都市と違う」と町会の意義を強調し、新町会設立に理解を求めた。地域の歴史や、災害時に機能する地域づくりにも触れた。

 公民館は小学校単位にあり町会連合会と一緒に動いていることや、他のマンション住民も地域の行事に積極的にかかわっていることも説明した。

 これに対し、日本レイト側は「分譲後は管理会社が入るが、やりやすい形に話を持っていきたい」と前向きに応じた。

 大西会長は「町会が金沢市を支えているということを知ってもらいたかった」と話した。芳斉地区では今後も、住民を交え、地域について考える勉強会を開いていくという。

   ◇  ◇

 市はことし四月、集合住宅コミュニティ条例を施行。背景には地域のつながりが薄れてきたり、集合住宅が地域から孤立したりする現状がある。 (渡辺聖子)

 

この記事を印刷する

広告