21日、四川大地震で最も大きな被災地の1つ、北川チャン族自治県では救助活動を停止。疫病の発生と地震湖決壊の危険が高まる町を完全封鎖して、救助隊は撤収を開始した。写真は封鎖される同県。

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<四川大地震>町を封鎖し救援隊撤収、水没の危険高まる―北川チャン族自治県
2008年5月21日、四川大地震で最も大きな被災地の1つ、北川チャン族自治県では20日朝より町全体を完全封鎖。同自治県に入る道路はすべて警察によって封鎖され、ごく少数の綿陽市委発行の通行許可証所持車両および救援に携わる警察や軍関係の車両のみが通行を許可されている。また多くの建物が倒壊した県の中心部への立ち入りは、通行許可証があっても許されない。北京の「新京報」が伝えた。

この封鎖は突然の措置だったようで、前日の19日までに倒壊現場で疫病予防作業に従事していた浙江省から派遣されたという救助隊員は、「どういうことだかわからないが、朝から町に入れない」と戸惑いの表情。重慶市の消防隊員らも20日早朝に撤収命令が下されたと話している。

同県地震対策指揮部の広報担当官は20日、同日早朝から同自治県中心部を封鎖したと発表した。その理由について、今後強い地震が発生する恐れがあることと、上流にできた地震湖が決壊する危険性が高まったことをあげている。このため被災地で救助活動に当たっている救助隊員らも一時撤退することが決まった。現地では疫病が発生しているとのうわさがあるが、当局はこれを否定。ただし、予防の観点から救助隊員らが活動中に使用した作業着は、すべて焼却処分されることが決定している。

現地では20日午後ころから雨となり、その後一晩中降り続いたため、かなりまとまった量の雨が省内各所に多数できた地震湖に降り注いだ。これらすべてが決壊する恐れがあるため国土部は調査班を派遣。水利部と合同で決壊に臨む態勢をとっている。

同じく20日、環境保護部は被災地で生き埋めになった多くの犠牲者の遺体やペット、家畜の死骸が腐乱し、その体液が地下の水資源を汚染する恐れがあるとして、被災地での地下水の飲用を避けるよう呼びかけるとともに、水道水についても衛生検査と消毒の徹底を求めている。(翻訳・編集/本郷)
2008-05-21 22:59:29 配信

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