2008年05月25日(日)
泌尿器の女性外来好評 山梨大付属病院 開設1年、手術3倍増
山梨大医学部付属病院泌尿器科の女性専門外来の手術件数が、昨年5月の開設から1年間で約60件となり、前年度の約3倍に増えた。「女性患者だけで受診に抵抗がない」などと好評で、女性特有の泌尿器系の病気に対する効果的な治療方法が周知されてきたことが一因とみられる。週1回の診察は満員状態が続いていて、手術は3カ月待ちという。
同病院によると、女性専門外来は毎週火曜午後3−5時(第1火曜は除く)で1日8人を診察し、1年間で約300人となった。手術は週1回のペースで行い、泌尿器科で男女区別なく診察していた2006年度(約20件)と比べ大幅に増えた。
診療に当たる荒木勇雄同大准教授は、手術件数が増えた理由として、(1)受診を我慢していた人が来院するようになった(2)他の泌尿器科病院の医師に(付属病院の)治療方法が浸透し、紹介されて来院するケースが増えた−と分析する。
泌尿器系の女性特有の病気には、子宮やぼうこうが体外に出てしまう「骨盤臓器脱」や、力んだときに尿が漏れる「腹圧性尿失禁」がある。同病院は、骨盤底の緩んだ筋力に代えて人工メッシュで子宮などの骨盤臓器や尿道を支える手術を県内で唯一行うことができる。従来の治療より安全で再発の可能性が低いため、県外からの患者もいるという。
荒木准教授は「泌尿器科には男性のイメージが強く抵抗があり、病気を相談できずに悩んでいる人など潜在患者はまだ多いはず。需要は今後も増えるのではないか」とみている。
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