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「秋山氏に1億円送金」宮崎元専務、参院委喚問で証言

2008年05月23日03時03分

 前防衛事務次官の守屋武昌被告(63)に対する贈賄罪などに問われて公判中の軍需専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸被告(69)は22日の参院外交防衛委員会の証人喚問で、旧陸軍の毒ガス弾処理事業に絡み、日米の軍需産業と政界を結ぶパイプ役とされる秋山直紀氏側に1億円を送金するよう当時の部下に指示したと証言した。コンサルタント料としても、03〜06の各年度に約10万ドルを送金したと明かした。

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証言する宮崎元伸被告=22日午後、松本敏之撮影

 一方、秋山氏は今年1月の同委員会の参考人質疑で1億円の受け取りを否定。コンサル料についても「守秘義務がある」として明確な答弁をしておらず、両者の言い分が食い違いを見せた。秋山氏をめぐっては、複数の口座を通じて、山田洋行を含む日米の軍需メーカーや商社から多額のコンサル料を受け取っていた疑惑が浮上。東京地検が捜査している。

 宮崎元専務によると、秋山氏側への送金先は、同氏が日本法人の顧問を務める米国法人「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」。1億円は、福岡県苅田町で見つかった毒ガス弾の国発注の処理事業を山田洋行が下請けで受注した際、秋山氏から「地元漁協や暴力団への現地対策費」として請求され、この事業をきっかけにコンサルタント契約を結んだという。

 コンサル契約について元専務は「当初、秋山さんと取り決めたから、当然、秋山さんのサインでやっていたのかと思っていた」と証言。秋山氏個人との契約だったとの認識を示した。

 また、元専務はこの日、久間章生氏が防衛相だった当時、同省幹部が次期輸送機(CX)エンジンの調達をめぐって山田洋行側に有利な動きをしたことも示唆。これを受けて、防衛利権をめぐる疑惑が深まったとする民主党は同日、秋山氏と久間元防衛相の証人喚問を求める方針を決めた。(上沢博之)

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