【e-sword】日本刀・刀・刀剣コレクション【イー・ソード】


短刀 来国光 
tantou [rai kunimitsu](juyou touken)

日刀保 第五十一回重要刀剣
NBTHK Jyuyo No.51
日本美術刀剣保存協会 本部定例鑑賞会鑑定刀


刃長:27.2cm(八寸九分半) 反り:内反り  元幅:2.5cm  元重:0.53cm  茎長さ:10.9cm 茎反り極く僅か
彫物:表に護摩箸、裏に腰樋に添樋
茎:生ぶ、先栗尻、鑢目切り、目釘孔一 、目釘孔の下茎中央に大振りの三字銘がある。

国・時代: 山城国 鎌倉時代後期 元弘頃 1331年頃 (14century)

体配:  平造、三ツ棟、身幅広め、重ねほぼ尋常、寸延びごころに、内反りつく。
地鉄:  小板目肌つみ、処々に流れ肌や大肌交じり、地沸厚くつき、地景入り、沸映り立つ。
刃紋:  直刃、匂深く、小沸厚くつき、砂流しかかり、金筋入り、裏中程に二重刃ごころの湯走り交じり、匂口明るい。
帽子:  小丸に返り、少し掃きかけ、地の方に向けて沸の喰下がりを見せる。

品番:0870−3015

 

登録:
東京 平成16年12月16日

鑑定書:
財団法人
日本美術刀剣保存協会
第五十一回重要刀剣
平成十七年十月十三日指定

 

【コメント】
以下、重要刀剣の図譜を引用

「 平成十七年十月十三日指定 第五十一回重要刀剣
短刀 来国光 一口 
法量 長さニ七・ニ糎 内反り 元幅ニ・五糎 茎長さ一〇・九糎 茎反り極く僅か
形状 平造、三ツ棟、身幅広め、重ねほぼ尋常、寸延びごころに、内反りつく。鍛 小板目肌つみ、処々に流れ肌や大肌交じり、地沸厚くつき、地景入り、沸映り立つ。刃文 直刃、匂深く、小沸厚くつき、砂流しかかり、金筋入り、裏中程に二重刃ごころの湯走り交じり、匂口明るい。帽子 小丸に返り、少し掃きかけ、地の方に向けて沸の喰下がりを見せる。彫物 表に護摩箸、裏に腰樋に添樋。茎 生ぶ、先栗尻、鑢目切り、目釘孔一、目釘孔の下茎中央に大振りの三字銘がある。
説明 来国光は来国俊の子或は弟子とも伝える刀工である。来派の中で最も作域が広く、器用な刀工とみなされており、現存する作品も一派の中で最も多い。経眼する年紀作の上限は嘉暦元年で、下限は観応二年に及んでおり、作刀期間の長さと、作風・銘字の変遷の点から、初・二代の存在を唱えるむきもあるが、一代説も根強く、今後の検討に俟つべきである。
  この短刀は、身幅広めで寸延びごころに内反りのつく姿態に、地は小板目つみ、地沸厚くつき、刃文は匂深の直刃に小沸が厚くつき、砂流し・金筋かかり、二重刃・湯走りを交え、帽子は小丸で少し掃きかけ、地の方に向けて沸の喰下がりを見せるなど、刃取りそのものはおだやかながらも覇気に富む作域を示した佳品で、茎の銘字も典型的である。」
以上。

 また、本作品は平成十七年十一月の日本美術刀剣保存協会に於ける本部定例鑑賞会の鑑定刀として使われました。

以下、日本美術刀剣保存協会の刀剣美術十二月号第五八七号14ページを引用

「 鑑定刀二号 短刀 来国光
  長さ八寸九分半 僅かに内反り 平造 三ツ棟(地)小板目肌つみ、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入り、沸映り鮮やかに立ち、かね冴える。(刃)直刃調ごく浅くのたれ、小互の目ごころ交じり、匂深く、小沸よくつき、細かに砂流しかかり、金筋入り、二重刃風交じり、匂口明るく冴える。
(帽子)直ぐに小丸、湯走りかかる。
(彫物)表に護摩箸、裏に腰樋と添樋。
(講評)身幅が広めで、重ねが厚く、寸が延び、僅かに内反りのついた短刀姿から、時代は鎌倉末期及至南北朝初期の範疇と鑑ることができる。また小板目がよくつんで、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、鮮やかに沸映りが立っている鍛えから、山城国来派、中でも直刃がごく浅くのたれて小互の目ごころが交じる刃を焼き、とりわけ匂口が明るく冴える点を捉えれば、時代と併せて来国光・国次の見方は難くないであろう。
  来国光・国次どちらにご覧になられても結構であるが、低めの焼幅で統一されていることからすれば、国光の方が妥当性の高いものとなる。
  入札は当たりの他、相州の新藤五国光、あるいは国吉や吉光等粟田口物へいかれた方が多かった。新藤五はおよそ内反り尋常の姿で、より地景や金筋の目立つ作風が常である。粟田口の両者には実際近い造り込みのものがあり、国吉の入札は焼刃に二重刃風が窺えるところからと思われるが、来国光にも本作のように湯走りが点続したような二重刃をまま見るところである。そして国吉の二重刃は来国光の如く一部分ではなく、元から先まで継続して入るものが多い。また吉光の見方は、フクラ辺の焼きが低く、帽子に沸の喰い下がりが見られるところからと思われ、熟覧ゆえの入札である。
  強いて来物との違いを挙げるならば、表裏腰元に彫られた樋の様相であり、国吉・吉光を含め粟田口物の樋は棟により近く刻されることが多く、かつ表裏同じ彫物を刻す場合を多く経眼する。」
以上。

※日本美術刀剣保存協会の刀剣美術十二月号第五八七号付き。

価格  5,600,000円
(消費税、国内送料込み)
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