中国・四川大地震

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四川大地震:携帯に遺書「愛していた」…母、我が子抱え

 【(北川ほくせん)(中国四川省)稲垣淳】「お母さんはあなたを愛していたよ」。中国・四川大地震に襲われた北川県で、赤ちゃんをかばう形で死亡、発見された母親が携帯電話にメッセージを書き残した。母から幼い我が子への「遺書」になった。

 新華社通信によると地震発生翌日の13日昼、建物の崩壊現場で女性は両手を地に突き、ひざまずいた状態で発見された。捜索にあたった隊員が死亡を確認し別の場所へ移ろうとした時、声が聞こえた気がした。一人の隊員が女性の体の下を探った。「赤ちゃんもいるぞ。まだ生きてる!」

 助け出された男の赤ちゃんは生後3、4カ月ほど。母親が覆いかぶさっていたおかげで無傷で、すやすやと眠っていた。

 赤ちゃんをくるんでいた毛布から携帯電話がこぼれ出た。画面には「いとしい赤ちゃん。もし生き延びられたら、お母さんがあなたを愛していたことを覚えていてね」の文字。救援活動で多くの死を見てきたはずの隊員たちも、メッセージを回覧して涙を流さない人はなかったという。

毎日新聞 2008年5月19日 22時13分

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