トヨタ自動車と松下電器産業が共同出資する電池生産会社「パナソニックEVエナジー」(静岡県湖西市)は、静岡県と宮城県にハイブリッド車(HV)向け二次電池を生産する新工場を建設する方針を固めた。2011年をめどに稼働する方針で、同社の生産能力は湖西市の本社敷地内に建設中の別の工場分を含め、現在の年間50万台分から年間100万台分に倍増する。
工場建設資金としてトヨタと松下は計200億円の増資に応じる。宮城県大和町に建設を計画する新工場では現行のHVに搭載されているニッケル水素電池を年間30万台規模で生産。本社敷地に新たに建設が決まった新工場では、ニッケル水素電池より出力の高いリチウムイオン電池を年間数万台規模で初めて生産する。
トヨタは主力HV「プリウス」が好調で、07年のHV世界販売は43万台に達した。10年代初めにHV年間販売100万台の目標を設定。10年にはリチウムイオン電池を搭載し、家庭用電源で充電できるプラグインHVの投入を表明しており、両新工場はトヨタのHV戦略を支える重要拠点となる。【中井正裕】
毎日新聞 2008年5月24日 1時37分