東京電力の勝俣恒久社長は電気事業連合会会長としての23日の会見で、原油急騰によるコスト増を吸収するため、電気料金の大幅値上げを検討する考えを表明した。燃料価格の変動を反映させる「燃料費調整制度」見直しのほか、発電コスト全体を洗い直して料金を変える「本格改定」を検討する可能性もあり、他の電力会社にも影響を与えそうだ。
電力各社は燃調制度の導入により、燃料価格の高騰分を、半年後の料金に自動的に転嫁している。ただ、急激な値上がりを避けるため、転嫁できるのは基準燃料価格の50%までに抑えられている。
勝俣社長は10~12月の電気料金を決める4~6月の燃料価格の上昇率について「(基準価格の)50%を超えると思う」と述べたうえで「50%という枠をつくる是非の問題がある」と上限枠撤廃の必要性を示唆。本格改定についても「今後の課題」との見方を示した。【谷川貴史】
毎日新聞 2008年5月24日 東京朝刊