【ロンドン=田村篤士】先物を使って世界中の株式や通貨、商品など多様な市場に分散投資する「先物分散投資ファンド」が急拡大している。3月末時点の世界の運用残高は約2100億ドル(21兆8000億円)と、最近5年間で4倍に膨らんだ。値上がりが見込める市場に機動的に資金を配分するのが特徴。大手ファンドは原油や穀物に資金を重点配分し、これが一段の商品相場の高騰を呼ぶ要因になっている。
こうしたファンドは「マネージド・フューチャーズ」と呼ばれ、投資先は上場商品全般に及ぶ。米調査会社バークレイヘッジによると、3月末時点の世界全体の運用残高は2172億ドル。昨年末に比べ119億ドル(約5.7%)増えた。原油や穀物の急騰を受け、残高は2007年に2割増となり、今年も高い伸びが見込まれている。(16:03)