福岡大空襲を知ってもらおうと31日、空襲体験者で元小学校教諭の川口勝彦さん(75)と空襲の歴史を今に伝える場所を訪ねる「6・19福岡大空襲フィールドワーク」がある。市内の小中学校教員らが企画、参加者を募っている。
福岡大空襲は45年6月19日、アメリカ軍のB29爆撃機約220機が、市の中心部を無差別爆撃。一夜で市内の広範囲が焦土となり、2000人を超える死傷、6万人以上の被災者が出たとされる。市内各地では体験者による継承が行われているが年々、語り伝える体験者が少なくなってきている。
今回は、大型焼夷(しょうい)弾が投下された正定寺▽遺体安置所となった旧冷泉小▽地下倉庫の避難者63人が焼死した十五銀行跡(いずれも博多区)▽米兵の捕虜が斬殺された赤坂小裏(中央区)--など約10カ所を半日かけて巡る。集合は31日午後1時、市教職員組合東部事務所(東区馬出4の2の17)。
川口さんは「国内外で平和をとりまく状況は厳しくなってきている。若い世代に平和の尊さ、戦争の悲惨さを伝えたい」と話す。希望者は、実行委員会事務局・中山さん090・7452・0025。【鈴木美穂】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2008年5月24日 地方版