(cache) 森美加さんから学んだ事-たけむらブログ

森美加さんから学んだ事

June 30 [Sat], 2007, 23:52

報道でしか伝わらない母親の無念を是非聞きたい。傍観者としてではなく、子どもの育ちに責任を持つ大人の一人として、何ができるのか深めたい、学びたいと参加しました。
森さんは、福岡家裁から届いたばかりの520ページ以上に渡る調書を前に本当に静かに、この日に為に用意された文章を読む形で話されました。

森さんの長男は、Ｈ．16年10月11日、当時13歳、いじめが原因で命を絶ちました。森さんは病院でソーシャルワーカーのお仕事をしておられ、啓祐君は、お母さんの仕事を理解し、バリアフリーややさしさについて語る機会が多くあったそうです。小学校卒業時の文章でもそのことは理解できます。いじめられていた女の子を守っていたことでもそのやさしさはわかります。
やさしい子どもだったことを誇りにおもい、啓祐君に向いていたいじめに気づかずにいたことをごめんなさいと謝って大きくなった我が子をしっかり抱きしめ、幼い頃と変わらない頬の軟らかさを実感して見送ったと、語られました。

「何故、怒りの矛先が、いじめた子に向かないのか？何故、森さんの心はやさしのか？」という質問には、葬儀が始まる前に、2人の弟達の担任がそれぞれに寄り添ってくれて、子ども達の気持ちを受け止めてくれたこと、自主的に子どもたちがアンケートをとって学校で何がおこっていたのか教えてくれたこと、ＯＢ教師がずっと話を聞いてくれたことから真実がわかってきて問題の本質がみえてきたこと、委員会が発足しいじめが原因だとはっきりしたこと、啓祐君はいじめた子に「ごめんなさい」と言ってほしかったのではないかと語られました。

以前に、バスジャック被害者の山口由美子さんも、不登校だった我が子の痛みと同様に、加害者の少年が抱えていた痛みを知る事で、事件を許す事はできないが、少年のように居場所を失った子ども達の支援をしようと、場も作り、マスコミにも発信しておられます。

本当のやさしさは、この方々のように、強い心をもって、静かに発言し、行動することなのだろうと思いました。軸足がぶれずに。

国は、この７年間、いじめによる自殺はゼロと報告。国民の声におされ再調査をしましたが、３件だと。しかし、06年の小中高生、大学生以下の自殺は2.9%増の886人、統計を開始した78年以降、過去最高です。

人より早く、人より強く、人より・・・、親の価値観、学校の価値観をこどもに押し付けるのは止めましょう。