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トマトは遺伝子の突然変異で大きくなった 原種の千倍に

2008年05月24日11時30分

 現代のトマトは、16世紀ごろに起きた遺伝子の変異によって大型化したことが、米コーネル大の研究でわかった。変異の結果、トマトの実の中にある房(子室)の数が増え、実の大きさが原種の1千倍にもなったという。米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表した。

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トマトの大型化。aは野生種に近い実、bは中ぐらい、cは大型種。a→bは細胞数が増え、b→cは房の数が増えた=ネイチャー・ジェネティクス提供

 果実の大型化の仕組みが詳しくわかれば、ほかの作物にも適用したり、未利用の野生植物をバイオ燃料などに使ったりするのに役立つ可能性がある。

 トマトは南米原産で、遅くとも10世紀ごろには栽培が始まっていたとされる。原種は直径0.5〜1センチ程度で、房の数も2〜4個だが、現在は直径10センチを超え、房の数も8個以上のものもある。

 研究チームは房が多いトマトの遺伝子を解析し、30系統の原種の遺伝子と比べた。そして房の多いトマトだけ、特定の遺伝子に変異があることを突き止めた。

 変異が、歴史上、比較的新しい品種に限られていることなどから、チームは、こうした変異はトマトが南米から欧州に持ち込まれた16世紀ごろに起こったと推定している。(香取啓介)

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