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川辺川ダム:人吉市の公聴会、反対派は209人出席 /熊本

 田中信孝・人吉市長が川辺川ダム建設の賛否を決めるための判断材料とする市民公聴会の2日目が23日、同市下城本町のカルチャーパレスであった。

 反対派の意見を聴くこの日の公聴会は、昼と夜の2回に延べ209人が参加し、48件の発言(うち反対意見は47件)があった。賛成意見を聴いた22日の参加者は延べ54人、発言は7件(賛成意見は1件)にとどまっており、数の上では反対派が上回った。

 ただ、田中市長は「意見は大切にするが、参加者や意見の数だけではなく、非公式で得た意見なども参考にする」と述べた。

 水害体験者による「市房ダムができて水害がひどくなった。川辺川ダムも不要だ」という意見や「きれいな球磨川があってこそ人吉の観光は成り立つ」「アユがいる球磨川・川辺川を残したい」など、ダム建設による水質や環境の悪化を懸念する声が多く出た。

 また「住民投票を実施するべきだ」との意見もあったが、公聴会後、田中市長は「地域の対立を助長する恐れがある」として実施しない考えを示した。

 人吉市では、公聴会に参加できなかった市民のために、26と27の両日、記名による意見収集も実施する。

 両日とも午前9時~午後4時、市役所別館1階で実施する。【高橋克哉】

毎日新聞 2008年5月24日 地方版

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