大阪・ミナミの大丸心斎橋店で今年4月、3件連続発生した放火事件で逮捕された女(47)は、犯行数日前に購入した高級婦人服をめぐって、「イタリアブランドなのに中国製だった」と店側にクレームを付けていた。クレーマーから放火犯へと変貌(へんぼう)した女の“着火点”はどこにあったのか。
大阪府警捜査1課と南署に現住建造物等放火未遂と威力業務妨害容疑で逮捕されているのは、大阪府松原市岡、飲食店手伝い、小森浩子容疑者。
調べでは、小森容疑者は4月1日午後8時10分ごろ、大丸心斎橋店3階婦人服売り場試着室内に放火しようとした疑いなどで逮捕。この前後には南館4階女子トイレと本館地下1階男子トイレでも火の手があがったが、店員らがすぐに消火した。
小森容疑者は数年前から同店を頻繁に利用。事件の発端は3月下旬、小森容疑者が同店で買った高級婦人服をめぐるクレームだ。
「イタリアブランドなのに、なんで中国製なんだ」
購入したその日のうちに電話でクレーム。店員が説明のために自宅に訪問したが、小森容疑者は納得せず、精神的苦痛に対する慰謝料の請求をしたり、物を投げつけるなどの暴挙に出たという。
放火のあった事件当日は、供述によると小森容疑者は普段通りに買い物をしていたが、そのうちだんだん腹が立ってきて、持っていたライターで火をつけてまわった。しかし、「店の仕事を妨害する意図はなかった」という。
店内には随所に防犯カメラがあり、すべての現場付近で小森容疑者と酷似した女が確認されていた。特に逮捕事実となった婦人服売り場試着室では、小森容疑者がキョロキョロしながら試着室を出た直後に火の手が上がっており、店員ははっきりと顔を覚えていたという。
いずれの火災も店員らがすぐに消し止め、大事にはいたらなかったが、捜査関係者は「多数の人が集まるところに火を放つ行為は許されない」と話している。
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