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クローズ・アップ ぎふ経済

2007年 4月21日(土)

西濃、岐阜にSC続々

“巨艦商戦”白熱

 27日、大垣市に売り場面積4万3000平方メートルを誇るイオン大垣ショッピングセンター(SC)が誕生する。10月にはユニーがアクアウォーク大垣SCをオープンするなど、西濃地区は数年前から大型店の出店ラッシュが続く。一方、岐阜地区の商圏地図も大きく変わろうとしている。7月に各務原市に県内最大規模となるイオン各務原SCがオープンするためだ。来春にはマーサ21(岐阜市)も大幅増床するなど既存店の動きも活発だ。“大型化”をキーワードに過熱する郊外型商業施設の現状を追った。

 JR大垣駅から南へ約4キロ。環状線沿いに巨大店舗が姿を現した。イオン大垣SC。売り場面積約4万3000平方メートルは西濃地区最大。ジャスコ大垣店を核テナントに125の専門店が集まる。年間売り上げ目標は200億―250億円。三重県や滋賀県からの来店客も見込む。

 西濃地域は、イオン大垣SCは郊外型だが、ほとんどの大型店がJR大垣駅を中心に、市街地一帯へ出店しているのが特徴だ。05年7月に開店したロックシティ大垣は、大垣駅東方約1キロ、平和堂が出店したアル・プラザ鶴見は、同駅約2・5キロに位置する。10月開店予定のユニーのアクアウォーク大垣も同駅北口に店舗を構え、駅舎と通路で連結される計画だ。

 一方、岐阜地域は、7月に、県内最大規模の店舗、イオン各務原SCが各務原市に誕生する。GMS(総合スーパー)とモールを融合させた。年間330億円を売り上げるダイヤモンドシティ・キリオ(愛知県一宮市)と同規模だ。

 キリオは県外ながら「来店客の3割は岐阜県」と集客力の強さをアピール。流通関係者は「イオン各務原SCがオープンすれば、岐阜地区の商圏に大きな影響を及ぼすことは間違いない」と、新たな顧客の流れができると予想する。

 そもそも岐阜地区への大型店の進出は、1988年にカワボウが岐阜市の紡績工場跡地にマーサ21を開店したのが最初。イオンはカワボウと組んで21世紀型SCのモデル店を開発。多くの顧客を呼び込むことに成功したことから、全国に同様の大型店が相次いで進出した。

 その後、県内の大型店は、専門店の集積で誘客するモール型の店舗が登場。本巣市に00年3月にリバーサイドモールが、06年4月にはモレラ岐阜が開店した。来春の完成を目指すマーサ21の増床もモール機能を大幅に強化する。

 現在、岐阜地区は、岐阜市の中心市街地を取り囲むように大型店が連なる。マーサ21、カラフルタウン岐阜(岐阜市柳津町)、サンサンシティマーゴ(関市)、イオン各務原SCなどがドーナツ状に点在する。  しかし、まちづくり3法の改正により、11月から床面積1万平方メートルを超える郊外型店舗の開発が難しくなる。このため、今後、空洞化した岐阜市の中心市街地などへも都市型SCの出店が予想される。県内の流通業界は今、大きな転換期を迎えようとしている。

西濃・岐阜地区周辺の大型SC出店状況

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