【北京・鈴木玲子】四川大地震では不足がちな被災者用テントなど救援物資の横流しが指摘されている。四川省政府は23日、物資の横流しや独り占め、ニセの募金など不正に関する通報電話を設置し、悪質なケースには厳罰で臨む姿勢を示した。
被災地では余震への不安から夜間、テントや車で寝泊まりする人が多い。テントの品切れ状態が続いているが、中国紙「南方都市報」などによると、被災が少なかった成都市内では、当局が提供する「災害救援専用」と記されたテントが街のあちこちで見られる。
ある専用テント内では数人がマージャンをしており、市民が中にいた人にたずねると、「関係者から手に入れた」と答えたという。政府関係者らによる横流しや闇取引の可能性が指摘され、被災者の怒りを呼んでいる。
毎日新聞 2008年5月24日 東京朝刊