ベツレヘム(AP) ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムで21日、パレスチナ経済活性化と中東和平の取り組み支援を目指すパレスチナ投資会議が開幕し、サウジアラビアとカタールの企業がパレスチナと共同の建設プロジェクト契約に調印した。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は外国企業に対しパレスチナへの投資を呼びかけ、安全は保証すると訴えた。
投資会議でパレスチナ側は109プロジェクトのパートナーとなる企業を求めており、外国企業は数百社が参加。プロジェクトは総額20億ドル近い規模になる。
カタール国営の不動産投資会社はパレスチナ企業と組み、5000世帯からなる新しい街「ラワビ」をラマラ近郊に建設する3億5000万ドルの案件に調印した。
サウジアラビアの企業がパレスチナ投資ファンドとの間で結んだ契約は2億ドル規模。ラマラに隣接するエルビレーの街にオフィス棟やモール、エンターテインメント施設、ホテルを建設する。
主催者によると、投資会議に出されている案件のうち約3分の1は建設プロジェクトが占める。住宅建設は需要が高まり、イスラエルの通商規制の影響も受けにくいことから、比較的安全な案件と見なされている。
3日間の日程で開かれる今回の投資会議は、12月にパリで開かれた会合を受けたもの。この席で各国政府は、貧困にあえぐパレスチナを支援するため3年間で77億ドルの拠出を約束した。
世界銀行は、パレスチナ経済が回復しなければこの支援の効果は出ないと指摘。経済が回復できるかどうかは、イスラエルがヨルダン川西岸の移動制限をどの程度緩和するかにかかっているとした。
イスラエルはアッバス議長にある程度の制限緩和を約束したが、パレスチナからの攻撃を食い止めるため、道路封鎖などの制限は必要だとの主張は崩していない。
イスラエルも投資会議には協力的で、500以上の査証(ビザ)を発行して外国人投資家の入国を許可した。しかし、外国のパスポートを持ち、ヨルダン川西岸で既に事業を営んでいるパレスチナ人は、入国権をめぐるイスラエルの政策が不明瞭だと不満を訴えている。