年に1度の感謝の日。6/15は父の日です。 | ブログをつくろう! ブログトップ | 楽天市場 |
|
|
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |2006年09月23日
靴専門店の比較です。
靴小売の市場規模をネット上で調べようとしたのですが、よくわかりませんでした。 今回は靴関連小売の上場企業を6社取り上げています。今年は婦人靴が主力の ビューカンパニーが新規上場しています。 チヨダがダントツの売上です。東京靴流通センター、CHIYODAなどの店舗を展開しています。 ただ売上は停滞、減少傾向にあるようです。あのじみ〜な店がこんなに大企業だった んですね。利益は改善傾向です。 エービーシー・マートが2位。売上は660億円なのでそれほど大きくないですね。この 業界は他の業界に比べて大企業が少ないです。流通チャネルが専門店より百貨店、 スーパーが主流だからでしょうか?ただ経常利益は156億円とアパレル関連としては かなり上位です。時価総額は2000億円と大きく、アパレル関連ではユニクロの1兆円、 しまむらの4千億円、オンワードの2.7千億円、青山の2.4千億円に次ぐ規模で 高い評価です。成長性、ビジネスモデルの強さを評価されているのでしょう。 リーガルコーポレーションが3位ですが、卸売りが主体で、売上比率は以下の通り約 1/3です。 小売 30.8% 卸売 66.3% 近年は卸売りが小売店のPB化で不振で、小売事業を伸ばしているようです。 ツルヤが4位。全国のショッピングセンターなどにASBeeなどの店舗を展開しています。 店舗自体はエービーシーマートに近いのでしょうか。大量出店を続けています。 卑弥呼、ビューカンパニーが100億円で並んでいます。 卑弥呼は過去3期は売上利益共にほぼ横ばいです。 ビューカンパニーは毎期順調に成長を続けています。比較的若い女性向けの靴が主力 でショッピングセンター等に出店する形態で、大阪を中心に出店を拡大しています。中間時点 で97店舗を出店していますが、200店舗体制へ向けて出店にまい進すると強気な姿勢を見 せています。今後は関東への進出がカギとなりそうです。 が、22日にいきなり下方修正出しています。認知度向上の為に販促費の増加、新規出店 数の増加による経費増とのこと。これが事実であれば株価動向次第では買い場なのですが。 増収率・増益率の比較です。 ABCマートが高い成長を続けています。ただ今期は伸び率が落ちる計画です。 ナショナルブランドとの共同企画など規模のメリットを生かしていますね。 次いでツルヤ靴店、ビューカンパニーともにも10%超の高い成長を続けています。 この3社のような比較的若い世代にターゲットを絞ったスポーツ・カジュアル中心の靴ディス カウント店の市場が伸びているということになります。百貨店やスーパーなどの販売チャネル から客を奪っているということでしょうか。 ツルヤ靴店は前期の経常利益はPB商品比率上昇に伴う原価率改善により大幅増益と なっています。 下位3社の売上はほぼ横ばい。スポーツ・カジュアル専門店と2極化していますね。 経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。 ABCマートと卑弥呼が異常なほどの高利益率となっています。他の4社とは同じ靴屋 と思えない利益率ですね。 これは粗利率が他の4社と大きく異なり、高粗利率を実現しているところにあります。 要因ははっきりとはわかりませんが、やはり自社ブランドの比率に起因するものでしょうか。 特に両社とも毎期大幅に粗利率が改善しており、ABCマートは3期前に比べて3.3% も上昇しています。利益率の高いBP商品比率の拡大、また利益率の高いレディース 商品への注力によるもののようです。ちなみに23%という高い経常利益率は小売業 全体でもトップです。 ちなみに経常利益率が20%を超えている会社は サンマルク、日本レストラン、ポイント、ツツミ、ユーエスエス、そしてABCマート の6社しかありません。 上記2社のほか、ツルヤ、ビュー、チヨダも利益率が毎期上昇傾向です。 販管費率はツルヤが最もローコスト、ABCマートが中間ビューカンパニーが高いです。 人件費、家賃ともにビューカンパニーの比率が高いんですね。これはツルヤは郊外型店舗 であるのに対してビューカンパニーはインストア主体なのですが、出店しているテナントが 賃料が高いのでしょうか。 キャッシュフローの比較です。 全体的に投資CFの2倍前後の営業CFを稼いでいますね。かなり儲かる商売の ようです。ABCマートは利益率が高いので当然として、利益率があまり高くなく 成長率もそこそこ高いツルヤ、ビューカンパニーでもキャッシュフローに余裕が ありますね。 在庫回転期間の比較です。 卑弥呼が極端に在庫が少ないですね。しかも毎期減少傾向です。非常に マネジメントレベルが高い会社なのではないかと思います。ファッション性 が高く季節商品であることも要因でしょう。それでもアパレルの小売企業 でも1ヶ月を切っている会社はないので独自のノウハウがあるのかもしれない です。 ビューカンパニーも比較的ファション性の高い商品のようなので在庫が少ない ということでしょうか。 逆にチヨダの在庫の多さはどうなんでしょうね。定番品が多いということなの でしょうが、経営効率悪いような気がします。 PERの比較です。9/22終値ベースです。 6社平均で調整PER18.8倍となっており小売業としては比較的割安な業界 です。 ツルヤが最も低PERです。1Q決算前年比減益とイマイチで悲観されているよう です。ただ2Qは+7%の増益なのでそれほど不調というわけでもなさそうです。中間 決算のみ下方修正しており、通期は下方修正していませんが、中間のマイナス分を 考慮すると会社予想PER13倍程度となります。ただそれでも2桁成長を続けて いることを考えるとかなり割安な水準ではないかと思います。ただ最大の難点は 流動性でしょうか。13日以降10日近く出来高がないんですよね。 卑弥呼が会社予想PER14倍。成長性からは妥当な水準でしょうか。財務のよさ、 経営効率の高さからもう少し評価されてもいいかもしれないです。 リーガルコーポが15倍。妥当な水準なのでしょうか。最近力を入れている小売事業 次第でしょう。 チヨダも妥当な水準と言えそう。 ビューカンパニーはPER22.5倍ですが、22日に下方修正したばかりであり、 月曜以降の株価次第ではもう少しPERが低くなると思います。下方修正前ではPER 15倍です。下方修正の内容は業績不振ではなく先行投資によるものという説明です のでこれが本当であれば月曜以降の株価次第では買い時かもしれません。個人的には 月次開示がないので手を出しにくいです。 ABCマートは十分高い評価を与えられていますね。 Loading now....
こんにちは、Makky といいます。
初めまして・・・でよかったですよね。 私も重要視する同業他社との比較をされていて、とても興味深く拝見させていただいております。 収益面での比較が主となっているようですね。EV / EBITDA も載せてほしいなぁと、リクエストしたりして。 ではでは、今後の更新を楽しみにしています。(2006年09月23日 16時25分17秒)
いっつも手間な作業お疲れさまです。
紳士服比較もそうでしたが、消費者としての視点からも実は参考になるんですよね。 投資家からすれば逆の見方になるかもしれません。 ・どこが最も良心的な価格設定か? ・どこが最も品揃えをよくしているか? ・どこが最も顧客対応に力を入れているか? そのまま考えれば、悪い数字を出しているところほど顧客志向、なーんて 妙なパラドックスに陥ってしまいますけど、もちろんそう単純な話でも なくって。でも、どう整合させるかは考えてみたいところですよね。(2006年09月23日 19時30分14秒)
Ben_Makkyさん、こんにちは。初めまして、ですよね。ミーハー的なのですが書き込みいただいてすごくうれしいです。
>私も重要視する同業他社との比較をされていて、とても興味深く拝見させていただいております。 Makkyさんも同業他社比較を重視されているのですか、少し勇気付けられました。 >収益面での比較が主となっているようですね。EV / EBITDA も載せてほしいなぁと、リクエストしたりして。 私の手法の基本は四谷さんの低PER分散投資です。そこに成長性を取り入れており、PBRによるリスクヘッジのかわりに月次でリスクを限定的にするという感じです。なので今のところ収益性が7割、財務2割、ROA1割と言う感じで資産は全く見ていません。財務などは最低限をクリアしてれば気にしないというアバウトなスタンスです。 EV / EBITDA は去年は載せていたのですが、投資判断に使う指標は少なくシンプルにしたいと考えていて結局今年は除きました。でもMakkyさんがわざわざリクエストされるくらいなので見た方が良い指標なのでしょうね。是非検討させていただきます。(2006年09月24日 02時42分22秒)
ずんちゃかさん 、こんにちは。書き込みありがとうございます。表の作成自体はあまり手間がかかってないです。去年までの蓄積があるので。それぞれの指標の比較にコメントつけるのが結構大変です。
>・どこが最も良心的な価格設定か? >・どこが最も品揃えをよくしているか? >・どこが最も顧客対応に力を入れているか? これらはビジネスモデルを考える際の重視すべきファクターの一つですね。特に価格設定というのは利益率に効いてきますし、競争力にも関係してきます。ただそれを分析するのは結構難しいかもしれないと思います。日常の観察が役に立つのかもしれません。 >そのまま考えれば、悪い数字を出しているところほど顧客志向、 何を持って顧客志向とするかもケースバイケースでしょうか。顧客志向の徹底によって強い競争力を生み、結果的に高収益となっているケースもありますしね。 このような定性的な事って比較分析する過程で色々考えてはみるのですが、投資判断に取り入れることは今のところないです。 (2006年09月24日 12時23分18秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |