本当は完結したあと「あとがき」で書くべきことのような気もしますが、旬？の話題ということでもありますので、現時点で書けることを。

まず第一に、今回の前半部については、カッとなって衝動的に作ったとか、嫌気がさしてぶち壊そうとしているとか、そういうことではありません。

伊織幻戦記開始当初から、どこかの時点で（終盤で）やっておかなければならん内容だと認識していた、とまずは強調しておきます。
そっちのほうが余計問題だ、と突っ込まれると、申し訳ないとしかお答えできませんが。

このあたり、誰かに相談はしてみたいけれど、話を振った時点でネタバレになるし、仮に誰かに相談しても、その答えに自分が納得して当初案を破棄できるかというと自信がないわけで。孤独な作業ってのも善し悪しですねぇ。

それはさておき。
伊織が長浜に戻ってきた回の終わりに、糸冬が（やよいの姿を借りて）伊織と雪歩の夢の中に出てくる、みたいなプロットも書いていたんですが、冗長かなーと思って削っちゃったんですね。
雪歩の短歌で締めたほうがいいかな、と。

そんなこんなで、やろうやろうと思いつつ回数を重ねているうちに、ふと気づくと残り回数が数えられるところまで来ていたわけです。

で。
「ネタ振りが足りてないけど、やらないわけにはいかないよな」って詰め込んだ結果がこれだよ！　みたいな状況だとご理解ください。

遅かれ速かれ、いずれやるしかなかった、という前提に立って考えると、さすが遅きに失したなあ、との反省はあります。

ただ、はやい段階からマイリストの小芝居だけでなくて動画上にもあの青い球が出張ってきていたとしたら……、これはかなり鬱陶しい。
しかも話の進み方が超遅くなる。それはやっぱり避けたいわけです。

なかなか「最善手はどうであったか」については答えは思い浮かばないのですが、やらなきゃ良かったとは、現時点では考えておりません。
もっとも、このあたりの意見がくるくる変わるのが悪い癖ではありますが。

とにかく、この展開を否定すると、お話の終わらせ方が見えなくなってしまいますので。
天下統一まで描ききらないと終われないって話になると、ニコニコ動画死亡のお知らせが来る前に完結させられる自信は全くないわけです。
それに、いい加減伊織たちを現代に帰してあげたくなってますし。
かれこれ、もう半年近く放り込まれてるわけですから。

つまり、いよいよ最終回に向けて、着地を考える段階に入ったということですね。

最終回までのカウントダウンがついたのは偶然とか自棄ではなく、超展開が入ってきた時点で終わりが近いですよ、というのを判りやすく伝えたかった為です。
最初は、お約束として判ってもらえるかなあ、とも考えましたが、さすがにそれは甘い見通しだと思い直しまして。

残り回は、あまり目新しい技術や知識の導入とかは無くて、どうやって終わらせるか、が主眼になってくる筈です。
（　`Д）＜「もう見ねえよ！」
という方には「浅井軍は伊織と雪歩の知識を借りて、天王寺五稜郭（六芒郭といわないのはわざと）にて、見事本願寺勢を撃退しました。おわり」と認識していただければ結構かと。
おお、そう考えると、なかなかの親切設計ではないですか。


最終回まで行けば、「確かにあの時点でネタを振っておかなきゃ、もっと酷いことになってたなあ」とご理解いただけるのではなかろうか、と本人としては期待してるんですがね。
うーん、うまくいくだろうか。

さて。
話を終わらせるため（だけ）に、なんでわざわざこんなケッタイな前振りをしなきゃいかんのか、という話になるわけですが。

前作である伊織立志伝で心残りだったのは、「なぜ伊織が戦国時代にタイムスリップしなければならなかったのか」について描けなかったこと。
「あの青い球って何よ？」という問いかけに対する答えについて、と言い換えてもいいかもしれません。

いいところでいきなり元の時代に戻る、というサプライズを一発カマすためには仕方なかったこととはいえ、伊織立志伝の続きをやるなら、そのあたりの答えを出す形で動画を作りたいとの思いが、去年末からずっと念頭にありました。

お話を提供する以上は、「前回と同じ(代わり映えしない）オチには出来ない」との、こだわりもありますしね。

田中光二氏の諸著作に登場するミスターＸ（ミスターグレイとか灰田さんとか呼ばれてる作品も）が大好きで、そのリスペクトという側面もあって、あんな超展開な存在になってるわけですが。

二次創作からしばらく離れて新人賞の応募ばっかりやっていて、ある種「お行儀の良いフォーマット」に浸かった身体が、二次創作ならではの無茶展開を欲していた面も否定は出来ません。

まあ、長々と書いてますが、基本的には、
「『論外篇』で色々ネタ振りしてるし、どうなっても知らんぞーっ！、ってその時に警告してますよ」
って話になってしまうのですが。

論外篇は見てない、という方には……まあ、見てないなら仕方ないですかね。
申し訳ない。実は最初からこんな話だったんです、としか。

規模は全く違うのですが、「『どこまで許容できるのか』は、個々の考え方次第によって変わってくる」という、当たり前といえば当たり前の話を改めて突きつけられたという点で、アイマスのポリゴンビューワを巡る話みたいになりましたね。

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タイムスリップ系の架空戦記を展開する以上、どういう終わらせ方にするか、というのは、まだ完結作自体が少ないので、あんまり前例がないわけです。

デンチュウＰの「閣下の野望」は、あくまでも「ゲームの中の世界」というフォーマットに則っていたので、同列に語ってしまうのは申し訳ない話。
手抜きＰの「あずさの野望？」は、ドラマ仕立てであることをこれでもかと強調しておられましたので、これもちょっと違ってきますね。

視聴する側に立つと、「オチ（種明かし）なんて別に必要ないよ」という意見には充分頷けてしまうのですが、いざ自分で作るとなると、謎のまま終わらせたくないと思ってしまう不思議。
まあ、さすがにネタがかぶったなんてことはないと思いますが。