交通事故に遭ったうえ後遺症も残ったのは、事故を起こした小松島市営バスと搬送先の徳島赤十字病院(小松島市小松島町)の責任と主張。男子中学生(13)と家族が同市とバス運転手、同病院を相手取って計約1億2300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことが23日分かった。
訴状によると、男子中学生は小学6年生だった06年11月、バスで帰宅。降車後に同級生から「制服を車内に忘れている」と言われたため、停止していたバスの窓に飛びつき両腕を窓にかけた。バスが後方を確認せず発車したため転倒し、後頭部を道路に打ち付けた。
その後、搬送先の徳島赤十字病院で経過観察したが、数時間後に血腫(けっしゅ)が増大し低酸素脳症を発症。現在も四肢完全麻痺(まひ)の後遺症が残っている。原告は、バスが運行上の注意義務を果たし、病院が最善の注意を払っていれば後遺症は残らなかったと主張。以降も、誠実な対応を受けていないとしている。
これに対し、同市は「訴状の検討が終わっていない」。同病院は「訴状を精査している段階なのでコメントは控えたい」としている。【井上卓也】
毎日新聞 2008年5月24日 地方版