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2007年10月23日

【同人】東京都施設での同人誌即売会の内容チェックは青少年健全育成条例に基づく指導説

都産貿HPのキャプチャ画像読売・産経で１０／２２に報道されている通り、いままで頻繁に行われてきた東京都産業貿易会館（都産貿）で成人向け同人誌即売会に関して、現状の把握を開始し始めた会場側の都合により、今後の開催に関して自粛等を求める動きが出ている。また、現状ではOKなイベントでも、一部では任意（実質的には限りなく任意とはいえないが）での見本提出が行われているという。

まとめ記事のあるブログ「三毛猫が出かけたこみけの話」によれば、問題視されているのは「東京都青少年健全育成条例」による成人向け（の本。原文は同人誌になっているが、同人誌というカテゴライズは条例側ではされていない）の18歳未満への販売規制、これを踏み越えた問題のある同人誌が頒布されていないかどうかという点といわれている。

ソース等は不明だが、同サイトによれば元々の騒動の原因は都内でモデルガンを乱射した少年が検挙され、入手経路を追求したところ都産貿で開催されたイベントで入手されたことが発覚、その流れで青少年健全育成条例に対する都施設イベントでの監視強化と指導が強く行われている関係で影響が出ているとのことらしい。

●なぜ都の施設が小規模同人即売会に多く使われるのか

ここで、なぜ東京都の施設で同人誌即売会が多く行われてきたのかという流れに疑問がある人もいるかもしれない。これは主に利用者側の都合だ。公共施設というのは使用料が格段に安い。それは区民都民などに対する公共サービスであるという側面もあってのことだ。対して民間施設の場合、値段設定もばらばら、だが少なくともこれら公共施設よりは圧倒的に会場単価が高い。

ということもあって、安くて同人誌即売会に使われている施設は、大きい箱では使用料が高く見合わないような小規模な即売会が中心となり、その小規模性から、マニアックなテーマをメインに使われるようになっていった（例外として他に秋葉原からそんなに離れていない民間施設が使われることもある）。

だがやはり東京都としては、東京都の施設においてアダルト性が強い即売会が行われることはあまり好まないようだ。しかし、都側の過剰規制に対して同人側がアレルギー的な反応を起こすのはあまり良いことではない。こういう時にコミックマーケット元主宰の米沢氏等、業界的ご意見番、かつ交渉力の強い人物がご健在だったらと思う（ご存命でも、たぶん自身の書く記事でしか触れないでしょうけどね）。横断組織としての同人誌即売会の連絡会、同人誌印刷組合などは存在するが、小さいサークルが主催するような小規模即売会は、対する東京都と比較したら立場的には圧倒的に弱者だ。

●同人誌自体は規制されても対処は可能、しかしあきらかに引っかかりそうな内容の媒体は、たてつくよりは別の場所（会場）を探したほうがよいのでは…

今後も、一般作品については、問題なく都関連での施設で即売会開催は可能と思われる。しかし、ある程度条例に反するような作品を扱う場合、現実的な線では、代替施設となりうる場所を探していくしかないだろう。

理由は、東京都条例上は条例に反する同人誌がなければ（会場利用は）良いとはいえ、ギリギリ反しなければアダルト同人誌を都の施設で頒布していいかという議論が残るからだ。議論、といえば体裁がいいが、都側のこれらの対応に関しては反証できるパブリックコメントなどの機会はなく、実際は都側がリードして今後の都合で決められていくことである。

ここは、無理に都の施設にしがみつくとかせず、たとえば民間でも大きい施設を持っていながら（平日営業の店舗とか、ホールとか、営業してないような建物でも）土日遊休状態の場所は都内でもたくさんある。そういったところに話を持ちかけて、格安な値段で借りてくるような力を持ってくれる人が出てくればいいのだが。一見他力本願のようだが、無理に都と対立色を深めても意味がない。過密する小規模即売会会場のスケジュールを見て、いつかはこうなるだろうと危惧していた人も結構いたはずだ。

（文：コアニュース本部）

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タグ： 　即売会 　同人誌 　表現規制

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